愛され転生エルフの救済日記

とーふ(代理カナタ)

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第41話『永遠を貴女と共に』(エミリー視点)③

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私は静かに魔法を準備して、永遠の魔王に攻撃するべく準備をしていた。

しかし。

『私と敵対するのは止めた方が良いぞ』

「っ」

『まぁ、私は魔王としてはかなり弱い方に入るがな。それでも、君の人生に絶望を与える事は可能だ。例えば、シーラというエルフに悪意を持つ人間にだけ永遠を与えるとかな』

「お前!」

私は苛立ちのままに右手を真っすぐに魔王へ向けて魔法を放つ準備をした。

ここで排除し。シーラ様に警告をする。

それが最善だからだ。

『まぁ、交渉が失敗したのなら、しょうがない。私はこのまま去るとしよう。君が命を落とすまで姿を隠そうじゃないか』

「……」

『ふふ。欲望に正直だな。そう。ここで敵対してしまえば君は永遠を手にする事が出来ない』

「あなたは、何が欲しいの?」

『話が早くて助かるな。私は聖女を探している』

「聖女?」

『そう。君たち人間の中にたまに現れる存在だ。私は彼女が邪魔でね』

「殺せって?」

『いいや? 君にその体を奪って貰いたいのさ』

「は……? どういう事」

『そのままの意味さ。聖女の体からその魂を抜き出して、君がそれを取り込み、君の魂を聖女の体に入れれば良い。後は私が君に永遠の魔法をくれてやろう』

「それで、貴方にどんな利益があるっていうの」

『く、くく。簡単な話だ。君が聖女として永遠に存在し続ける限り、新たな聖女は生まれず、君は私と取引をしている以上、私には手が出せない。どうだ? 分かりやすい図式だろう?』

「……」

『まぁいきなりこんな事を言われても、信じる事は難しいだろう。故に。これは友好の証だ。受け取ると良い』

永遠の魔王はテーブルの上に置いてあった紙に、何かを書くと私に投げてよこした。

私はその紙を見て、魂を抜き出す魔法や、それを取り込む魔法。そして私の体から魂を抜き出して、別の誰かの体に入り込む魔法を提示した。

そして、最後に……。

「永遠の魔法」

『そう。これは友好の証だ。あぁ、ただ聖女の体を手にする前に永遠の魔法を使わない方が良いぞ。使えば君は確実に命を落とすからな』

「……」

永遠の魔王は言いたいことを言った後に、そのまま何処かへ消えていった。

私は、椅子に深く座り込みながら渡された紙に目を通してゆく。

確実にそれを記憶する為に。

そして、全て覚え終わってから私はその紙を燃やして証拠を完全に消し去るのだった。

「……聖女、か」

気が付いたら窓の外に打ち付ける様な激しい雨が降っており、私は窓の外へ視線を送りながら、一つの覚悟を決めた。
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