愛され転生エルフの救済日記

とーふ(代理カナタ)

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第46話『永遠に輝く星空の下』③

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「まったく。マクシム君は」

「え?」

「何を心配しているのか分かりませんが、安心してください。どれだけの時間が流れても、私は今日の事を絶対に忘れませんよ。マクシム君と話した事も、レナちゃんとナルシス君が話していた事もね。何も忘れません」

「……」

あーあ。マクシム君は遂に俯いてしまいました。

シーラのせいです。

いや、マジ。難易度高すぎるって。

誰か正解を教えて欲しい。

いや、だって、同じ景色見たいんでしょ? 見れば良いじゃん。

「シーラ様」

「はい」

「人は、私たちはシーラ様ほどに様々な事を知りません。理性よりも感情を優先します」

「……はい」

「だから、見えている景色は違うんです」

「……?」

「星を見ても、我らはそこに星があるということしか知らない」

「……」

「森を見ても、そこに木がある事しか知らない。魔物が出る危ない場所だという事しか分からない」

「……えと」

「シーラ様。我らは命の短い、未熟な生き物なのです。それをどうかご承知ください。貴女様がいつか、その違いに苦しめられる前に」

「えと、えと……はい」

「差し出がましい事を言いました。どうかお許しください」

「え、えぇ。はい。大丈夫。です」

私の頭は大丈夫じゃないけど。

マクシム君の頭脳に対してチンケな私の頭じゃあついていけない

そういえば、かつて生きていた世界でIQに関する話を聞いたことがある。

その数字が20だか30だか違うと、話が通じないらしい。

つまりはそういう事だ。

私がアホ過ぎるという事である。

まぁ、分かっていたことだが?

「マクシム君のお話は少し難しいですね」

「……申し訳ございません」

「いえいえ。私がもう少し頭が良ければ良かったのですが」

「……くっ」

そのさ。悔しそうな顔するの。止めてくれない?

哀しくなってくるから。

こんなにも通じないのかよって絶望しないで欲しい。

流石に切ないわ。

この星で一番切ないラブストーリーになってしまう。

シュウちゃん。ごめん。私、こんなアホになっちゃった。

「マクシム君。私も色々と勉強してゆきますから。どうかそんなに悲しまないで下さい」

「分かりました。でも、どうか思い詰めないで下さい。辛いときはレナちゃんや、私にご相談を」

「えぇ。分かりました」

「おそらく、そう遠くない時に、それは来ると思いますから」

「……」

意味深な事言われてる。

そ、そうか。

そんなにすぐ、私は自分の頭の悪さが嫌になって絶望する時が来るのか。

辛すぎる。

しかも子供たちに相談するレベルって、どんだけアホを極めてしまったんだ。私は。

「そんな日は、来ないと良いですが」

「えぇ。そうですね。しかし、いずれ来ますよ」

止めてくれ。

何? 予言者なの?

本日の予言。お前、頭悪すぎてビビる。いずれその頭の悪さに苦しんで相談しに来るよ。

地獄やろ。
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