愛され転生エルフの救済日記

とーふ(代理カナタ)

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第47話『昨晩はお楽しみでしたね』③

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そう。人は永遠を生きる事が出来ない。

死したらもう会えない。

だから、もし、私のよく知る親しい人達が死したとして……。

「……立ち直れるか、分からないな」

「ならば永遠を求めてはいかがですか? シーラ様」

「また貴方ですか? しつこいですねぇ。セールスはお断りですよ」

「でも、シーラ様は永遠を求めているんでしょう?」

「求めてません」

「嘘はいけない」

「話が通じない魔王ですねぇ。いや、ここまでに出会ってきた魔王さん全部話が通じませんでしたけど」

「当然ですよ。魔王とは己の心に従う物ですから」

「……何で増えるんですか。面倒ですね」

永遠永遠煩い魔王と話をしていたら、別の魔王が現れて、空に浮かぶ私をぎゅうぎゅうと抱きしめる。

人形じゃないんだから、そんな風にしないで欲しい。

「っ、いや、まさか貴女にお会い出来るとは思いませんでしたよ。宵闇の魔王。世界を闇に染める為に現れた狂気の魔王」

「いや、世界とか興味無いですけど。私が興味あるのは先輩だけなんで」

「そうで「だから、先輩と話すのに邪魔なんで。消えてもらえますか?」っ!?」

器用にも私を抱きしめたまま、腕を振るったその魔王は、永遠の魔王を消し飛ばすと、私を見てニッコリと笑う。

「先輩。怖かったですねぇ。でも私が居るから大丈夫ですよ」

「むしろ今この状況の方が怖いですけどね。一度殺されてますし」

「そんなぁ! あれは先輩が私を騙したから悪いんですよ!」

「いや、騙したつもりは……って、ここでそんな話をしていてもしょうがないですか。それで? 本日は何の用ですか」

「え? 先輩に会いに来たっていうのが用ですけど」

「ソウデスカ」

私は厄介な存在の体温を感じながら、コピーシーラに異常が無いか調べ、生徒の事も調べる。

とりあえずは問題なさそうだ。

「そんなに心配しなくても。私は先輩以外に興味ありませんよ」

「国を滅ぼそうとした人がよく言いますね」

「えー。だってしょうがなくないですか? あの国。先輩を誘拐して、実験しようとしてたんですよ? 先輩の全ては私のモノなのに」

「いや、私の全ては私のモノです」

「じゃあ、私の全部をあげるので。先輩の全部を下さい」

「嫌です」

「もー先輩っては素直じゃないですねぇ」

「はぁ」

「あぁ、ため息なんて、どうしたんですか? 辛い事があったんですか?」

「今、この瞬間が辛いです」

「大変! すぐに肌と肌で温めあいましょう!」

「イヤデス」

「えー! もう我儘ですねぇ!」

私はぎゃあぎゃあと騒がしい最も面倒な魔王との対話を諦め、心の癒しを求めて子供たちへと視線を送るのだった。
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