195 / 246
第63話『帰ってきたシーラの恋愛教室』③
しおりを挟む
うーん。
私は隠れながらレナちゃんの話を聞いていたのだけれど。
何か、違う。
「はい。じゃあ個別に話聞いていくからね。まず名前から」
「あぁ、私はナルシス。ナルシス・ノグロ・キッフレイだ」
「うん。じゃあ次は趣味とか?」
「そうだな……」
あぁ、分かった。
これ、面接だ。
一人一人呼び出して話を聞いていたレナちゃんは三人に色々な質問をぶつけていたが、三人とも真面目に答えているので、真実面接会場であった。
これで良いのか? 良いワケが無いというのは、いかな恋愛初心者の私であっても分かる。
そう。これじゃあ恋なんて芽生えるはずがないと!!
という訳で、全てが終わってから夜遅く、一人でみんなが寝ている洞窟から出て星空を眺めているレナちゃんの前に姿を現す。
「レナちゃん」
「……シーラちゃん?」
「はい。こんばんは」
「うん」
「どうですか? 恋は」
「やっぱり良く分からないや」
「ふふ。ここは年上で頼れるお姉さんの意見が聞きたくなってきたんじゃないですか?」
「……どこにいるの? そんな人。いないよ」
「ここに居るじゃないですか!」
「冗談。冗談だよ。そんなに怒らないで」
「むー」
私は口を尖らせながらレナちゃんの隣に座り、足を伸ばす。
そして、レナちゃんは笑いながら私の頭を撫でた。
「忘れてるかもしれないですけど、私の方が年上なんですよ?」
「知ってるよ。でもシーラちゃんはシーラちゃんだから」
「むぅ」
「ごめんって。心配して来てくれたのにね」
「……」
「何かさ。困ったなぁ。って感じ。気持ちには応えなきゃって思うのに、やっぱり何度考えても良く分からないの。恋って何なんだろう」
「これは聞いた話で、私の話では無いんですが、恋をした経験というのは色々とありまして」
「うん」
「例えば、寂しい時に傍に居てくれたとか。危ない! って時に助けてくれたとか。何となく一緒にいる事が当たり前になっていたんだけど、ふとした時に、見た事のない表情を見た時、とか。だそうですよ?」
私はレナちゃんが本編で恋をしたのであろう瞬間について喋り、笑う。
どうなんだろう? レナちゃんはどう? そういう瞬間はない?
と、目で聞くのだった。
私は隠れながらレナちゃんの話を聞いていたのだけれど。
何か、違う。
「はい。じゃあ個別に話聞いていくからね。まず名前から」
「あぁ、私はナルシス。ナルシス・ノグロ・キッフレイだ」
「うん。じゃあ次は趣味とか?」
「そうだな……」
あぁ、分かった。
これ、面接だ。
一人一人呼び出して話を聞いていたレナちゃんは三人に色々な質問をぶつけていたが、三人とも真面目に答えているので、真実面接会場であった。
これで良いのか? 良いワケが無いというのは、いかな恋愛初心者の私であっても分かる。
そう。これじゃあ恋なんて芽生えるはずがないと!!
という訳で、全てが終わってから夜遅く、一人でみんなが寝ている洞窟から出て星空を眺めているレナちゃんの前に姿を現す。
「レナちゃん」
「……シーラちゃん?」
「はい。こんばんは」
「うん」
「どうですか? 恋は」
「やっぱり良く分からないや」
「ふふ。ここは年上で頼れるお姉さんの意見が聞きたくなってきたんじゃないですか?」
「……どこにいるの? そんな人。いないよ」
「ここに居るじゃないですか!」
「冗談。冗談だよ。そんなに怒らないで」
「むー」
私は口を尖らせながらレナちゃんの隣に座り、足を伸ばす。
そして、レナちゃんは笑いながら私の頭を撫でた。
「忘れてるかもしれないですけど、私の方が年上なんですよ?」
「知ってるよ。でもシーラちゃんはシーラちゃんだから」
「むぅ」
「ごめんって。心配して来てくれたのにね」
「……」
「何かさ。困ったなぁ。って感じ。気持ちには応えなきゃって思うのに、やっぱり何度考えても良く分からないの。恋って何なんだろう」
「これは聞いた話で、私の話では無いんですが、恋をした経験というのは色々とありまして」
「うん」
「例えば、寂しい時に傍に居てくれたとか。危ない! って時に助けてくれたとか。何となく一緒にいる事が当たり前になっていたんだけど、ふとした時に、見た事のない表情を見た時、とか。だそうですよ?」
私はレナちゃんが本編で恋をしたのであろう瞬間について喋り、笑う。
どうなんだろう? レナちゃんはどう? そういう瞬間はない?
と、目で聞くのだった。
2
あなたにおすすめの小説
お兄様、冷血貴公子じゃなかったんですか?~7歳から始める第二の聖女人生~
みつまめ つぼみ
ファンタジー
17歳で偽りの聖女として処刑された記憶を持つ7歳の女の子が、今度こそ世界を救うためにエルメーテ公爵家に引き取られて人生をやり直します。
記憶では冷血貴公子と呼ばれていた公爵令息は、義妹である主人公一筋。
そんな義兄に戸惑いながらも甘える日々。
「お兄様? シスコンもほどほどにしてくださいね?」
恋愛ポンコツと冷血貴公子の、コミカルでシリアスな救世物語開幕!
【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました
佐倉穂波
恋愛
転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。
確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。
(そんな……死にたくないっ!)
乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。
2023.9.3 投稿分の改稿終了。
2023.9.4 表紙を作ってみました。
2023.9.15 完結。
2023.9.23 後日談を投稿しました。
モブなのに、転生した乙女ゲームの攻略対象に追いかけられてしまったので全力で拒否します
みゅー
恋愛
乙女ゲームに、転生してしまった瑛子は自分の前世を思い出し、前世で培った処世術をフル活用しながら過ごしているうちに何故か、全く興味のない攻略対象に好かれてしまい、全力で逃げようとするが……
余談ですが、小説家になろうの方で題名が既に国語力無さすぎて読むきにもなれない、教師相手だと淫行と言う意見あり。
皆さんも、作者の国語力のなさや教師と生徒カップル無理な人はプラウザバック宜しくです。
作者に国語力ないのは周知の事実ですので、指摘なくても大丈夫です✨
あと『追われてしまった』と言う言葉がおかしいとの指摘も既にいただいております。
やらかしちゃったと言うニュアンスで使用していますので、ご了承下さいませ。
この説明書いていて、海外の商品は訴えられるから、説明書が長くなるって話を思いだしました。
冷徹宰相様の嫁探し
菱沼あゆ
ファンタジー
あまり裕福でない公爵家の次女、マレーヌは、ある日突然、第一王子エヴァンの正妃となるよう、申し渡される。
その知らせを持って来たのは、若き宰相アルベルトだったが。
マレーヌは思う。
いやいやいやっ。
私が好きなのは、王子様じゃなくてあなたの方なんですけど~っ!?
実家が無害そう、という理由で王子の妃に選ばれたマレーヌと、冷徹宰相の恋物語。
(「小説家になろう」でも公開しています)
転生したみたいなので異世界生活を楽しみます
さっちさん
ファンタジー
又々、題名変更しました。
内容がどんどんかけ離れていくので…
沢山のコメントありがとうございます。対応出来なくてすいません。
誤字脱字申し訳ございません。気がついたら直していきます。
感傷的表現は無しでお願いしたいと思います😢
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
ありきたりな転生ものの予定です。
主人公は30代後半で病死した、天涯孤独の女性が幼女になって冒険する。
一応、転生特典でスキルは貰ったけど、大丈夫か。私。
まっ、なんとかなるっしょ。
社畜OLが学園系乙女ゲームの世界に転生したらモブでした。
星名柚花
恋愛
野々原悠理は高校進学に伴って一人暮らしを始めた。
引越し先のアパートで出会ったのは、見覚えのある男子高校生。
見覚えがあるといっても、それは液晶画面越しの話。
つまり彼は二次元の世界の住人であるはずだった。
ここが前世で遊んでいた学園系乙女ゲームの世界だと知り、愕然とする悠理。
しかし、ヒロインが転入してくるまであと一年ある。
その間、悠理はヒロインの代理を務めようと奮闘するけれど、乙女ゲームの世界はなかなかモブに厳しいようで…?
果たして悠理は無事攻略キャラたちと仲良くなれるのか!?
※たまにシリアスですが、基本は明るいラブコメです。
溺愛最強 ~気づいたらゲームの世界に生息していましたが、悪役令嬢でもなければ断罪もされないので、とにかく楽しむことにしました~
夏笆(なつは)
恋愛
「おねえしゃま。こえ、すっごくおいしいでし!」
弟のその言葉は、晴天の霹靂。
アギルレ公爵家の長女であるレオカディアは、その瞬間、今自分が生きる世界が前世で楽しんだゲーム「エトワールの称号」であることを知った。
しかし、自分は王子エルミニオの婚約者ではあるものの、このゲームには悪役令嬢という役柄は存在せず、断罪も無いので、攻略対象とはなるべく接触せず、穏便に生きて行けば大丈夫と、生きることを楽しむことに決める。
醤油が欲しい、うにが食べたい。
レオカディアが何か「おねだり」するたびに、アギルレ領は、周りの領をも巻き込んで豊かになっていく。
既にゲームとは違う展開になっている人間関係、その学院で、ゲームのヒロインは前世の記憶通りに攻略を開始するのだが・・・・・?
小説家になろうにも掲載しています。
転生したら悪役令嬢になりかけてました!〜まだ5歳だからやり直せる!〜
具なっしー
恋愛
5歳のベアトリーチェは、苦いピーマンを食べて気絶した拍子に、
前世の記憶を取り戻す。
前世は日本の女子学生。
家でも学校でも「空気を読む」ことばかりで、誰にも本音を言えず、
息苦しい毎日を過ごしていた。
ただ、本を読んでいるときだけは心が自由になれた――。
転生したこの世界は、女性が希少で、男性しか魔法を使えない世界。
女性は「守られるだけの存在」とされ、社会の中で特別に甘やかされている。
だがそのせいで、女性たちはみな我儘で傲慢になり、
横暴さを誇るのが「普通」だった。
けれどベアトリーチェは違う。
前世で身につけた「空気を読む力」と、
本を愛する静かな心を持っていた。
そんな彼女には二人の婚約者がいる。
――父違いの、血を分けた兄たち。
彼らは溺愛どころではなく、
「彼女のためなら国を滅ぼしても構わない」とまで思っている危険な兄たちだった。
ベアトリーチェは戸惑いながらも、
この異世界で「ただ愛されるだけの人生」を歩んでいくことになる。
※表紙はAI画像です
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる