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第8話『私はー! ダンコとしてー、自由の為に戦います!』④
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「では、助けていただいたお礼に何かお手伝いさせて下さい」
「えっ! 良いよ! そんなの! 父ちゃんが言ってたんだ。女の子はみんなお姫様だから、大事にしろって」
「そうですか。それは素敵なお父様ですね。しかし、お姫様も誰かの喜ぶ顔が見たくて行動する事もあるのですよ」
「そ、そうなんだ」
「はい。ですから。何かお手伝いさせて下さい」
「……な、ならさ」
「はい」
「料理とか、出来るか?」
「出来ますよ。ではとっておきの料理を披露しましょう」
「っ! うん!」
年相応の少年らしい顔で笑うカー君に、私は笑みを返しながら、家の中へと入った。
そして、長い間使われていなかったと思われる調理場に立って、道具の確認をする。
正直、何も無いかと思っていたが、結構綺麗に整理されている様だった。
「へへっ、綺麗なモンだろ。母ちゃんが居なくなってからもずっと綺麗にしてたんだぜ?」
「そうなんですね」
何となく、カー君の言葉を聞きながら私は、一つの嫌な話を想像していた。
そう。お婆ちゃんが話していたよくある話を。
「あの、ご両親は……私が勝手に入ってしまっても、大丈夫でしょうか」
「あぁ! 大丈夫! 父ちゃんも母ちゃんもずっと前に魔物に喰われちまったからさ!」
何でもない事の様に、そう言うカー君を、私は思わず抱きしめていた。
だって、カー君の言葉は酷く悲しいものだから。
笑っていても、その心は泣いている様に見えたから。
「なっ、なんだい? その」
「アメリア。私はアメリアと申します」
「アメリア……姉ちゃん?」
「はい。なんでしょうか。カー君」
「……少しだけ、こうしてても、良いかな」
「えぇ。いくらでも。私で良ければ」
「……うん」
カー君は私の服をギュっと握って、私に顔を押し付けたまま体を震わせていた。
泣いているのだろう。
私ではカー君の寂しさを埋める事は出来ないが、少しでも辛い気持ちが薄れれば良いと、考えるのだった。
「えっ! 良いよ! そんなの! 父ちゃんが言ってたんだ。女の子はみんなお姫様だから、大事にしろって」
「そうですか。それは素敵なお父様ですね。しかし、お姫様も誰かの喜ぶ顔が見たくて行動する事もあるのですよ」
「そ、そうなんだ」
「はい。ですから。何かお手伝いさせて下さい」
「……な、ならさ」
「はい」
「料理とか、出来るか?」
「出来ますよ。ではとっておきの料理を披露しましょう」
「っ! うん!」
年相応の少年らしい顔で笑うカー君に、私は笑みを返しながら、家の中へと入った。
そして、長い間使われていなかったと思われる調理場に立って、道具の確認をする。
正直、何も無いかと思っていたが、結構綺麗に整理されている様だった。
「へへっ、綺麗なモンだろ。母ちゃんが居なくなってからもずっと綺麗にしてたんだぜ?」
「そうなんですね」
何となく、カー君の言葉を聞きながら私は、一つの嫌な話を想像していた。
そう。お婆ちゃんが話していたよくある話を。
「あの、ご両親は……私が勝手に入ってしまっても、大丈夫でしょうか」
「あぁ! 大丈夫! 父ちゃんも母ちゃんもずっと前に魔物に喰われちまったからさ!」
何でもない事の様に、そう言うカー君を、私は思わず抱きしめていた。
だって、カー君の言葉は酷く悲しいものだから。
笑っていても、その心は泣いている様に見えたから。
「なっ、なんだい? その」
「アメリア。私はアメリアと申します」
「アメリア……姉ちゃん?」
「はい。なんでしょうか。カー君」
「……少しだけ、こうしてても、良いかな」
「えぇ。いくらでも。私で良ければ」
「……うん」
カー君は私の服をギュっと握って、私に顔を押し付けたまま体を震わせていた。
泣いているのだろう。
私ではカー君の寂しさを埋める事は出来ないが、少しでも辛い気持ちが薄れれば良いと、考えるのだった。
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