聖女の証

とーふ(代理カナタ)

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第9話『大丈夫ですか!? 私が居ますからね! 大丈夫ですよ!』②

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「大丈夫ですか!? 私が居ますからね! 大丈夫ですよ!」

しかし、そこに立っていたのは邪悪に笑うリアムさんと、驚いた様な呆れたような顔をしているフィンさんだった。

「まさか本当に出てくるとは」

「言っただろう? コイツはそういう奴なんだ」

リアムさんは私の腰を持ち上げると、そのまま荷物を持つかの様に歩き始めた。

「ま、待って下さい! 少しだけ、待って下さい!」

「待たん。もう三日も無駄にしているんだぞ。今は一日でも早く前に進む。良いな。お前に拒否権は無い!」

「そ、そんな。カー君にお別れの言葉だけでも」

「必要ない。全てが終わってからにしろ!」

「姉ちゃんを離せ!!!」

「っ!?」

カー君の声が森に響いたと思ったら、リアムさんが私を抱えたまま跳び、次の瞬間には地面に小さな刃物を持ったカー君が立っていた。

その顔は怒りに染まっている。

「お前たち、まだ姉ちゃんを狙っていたのか! 姉ちゃんは俺の姉ちゃんだ! 勝手に連れて行くな!」

「フン。クソガキ。この女はお前には勿体ない。家族ごっこがやりたいのなら別の奴とやれ」

「うるさい! 家族なんて俺にはもう居ないんだ! 姉ちゃんだけが俺の家族なんだ!」

「チッ。めんどくせぇな。たった三日で懐かれやがって」

「ご、ごめんなさい」

「そう思うんなら気を付けて貰いたいもんだ」

「いやっ、そっちで喋ってないで、少しは手伝ってくれよ!」

私はリアムさんに抱えられたまま、話をしていたが、フィンさんは一人でカー君の相手をしており、心なしか押されている様にも見える。

森で一人で生きているカー君はどうやら大人と同じくらい強い様だった。

「やれやれ。普段デカい口を叩いている割にはガキに押されてるのか。大したこと無いんだな。お前」

「そう言うなら、お前がやれ! このガキ、なんかやけに強ぇんだ!」

「はぁ?」

リアムさんは訳が分からないとでも言いたげな顔で私をその辺に捨てると、そのまま剣を抜いてカー君に迫った。

しかしカー君は二人を相手にしているというのに、それほど苦労せず攻撃をかわしているようだった。

「チッ! おい! 邪魔だ!」

「邪魔なのはお前だ! リアム!」

「あァ!?」

いや、違う。

リアムさんとフィンさんの仲が悪すぎて、喧嘩しているだけだ!

三日間二人きりで過ごしていたのに、全然仲良くなってないんだ……。

「姉ちゃんは、渡さない!!」

「っ!」

「コイツ! その証は」

そして、リアムさんとフィンさんの仲が悪すぎる以外にも、カー君が強い原因があった様だ。

それはカー君の右手に輝くモノ。聖人の証だ。

リアムさん曰く、証の力を使うだけで普通の人よりずっと強くなるらしい。

だから、証の力を使っていないリアムさんとフィンさんはカー君に負けているという事だろう。

しかし、カー君が証を持っているというのであれば、ここで争う理由はない。
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