聖女の証

とーふ(代理カナタ)

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第16話『どんな事も必要なのは経験と知識ですよ』③

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「わ、私が教えましょうか? フィンさん」

「いや。良い」

「リアムさんは」

「お前はお前の仕事をしろ。アメリア」

「は、はひ」

私は二人に断られ、しょうがないと釣り竿を上にあげ、魚を釣り上げた。

そしてそのまま魚を処理し、再び餌を針に付け、投げようとして……凄く、凄く鋭い視線を感じた。

そう。フィンさんとリアムさんからの視線だ。

まるで私を貫く様に鋭い視線を向けている。

「えと」

「どうした。釣りをするんだろう。気にせずやると良い」

「そうそう。俺たちには気にしないでさ。アメリアちゃんの思う様にやってくれ」

「は、はひ」

私はびくびくと怯えながら、餌の付いた針を川に投げた。

そして、それと同時にフィンさんとリアムさんを投げているのが見え、どうにか二人が先に釣れる様にと祈る。

しかし、現実は残酷であった。

私は緩やかに釣り竿を上げて、魚を……手元に寄せようとしたのだけれど、両側から強い視線を感じて動きを止めてしまう。

当然視線の主はリアムさんとフィンさんだ。

もはや睨みつける様な勢いで私を見ていた。

「どうした? 釣れているぞ。アメリア」

「そうそう。ちゃんと処理しないと」

「そ、そうですね」

私は気にしない様にと自分に言い聞かせて、再び餌を付けた針を川に向けようとして……動きを止めた。

「アメリア」

「ひゃい!」

「提案なんだが。場所を変わらないか?」

「おい! 汚いぞ! リアム!!」

「フン。なんとでも言え。で? どうなんだ。アメリア」

「それは、当然。大丈夫ですよ?」

「まぁ、当然だな」

リアムさんは私の居た場所に座り、私が投げていた辺りに向かって投げる。

私はリアムさんの座っていた場所に座り、悔しそうにしているフィンさんや、どこか満足気なリアムさんを横目に見ながら、釣りを続けるのだった。

あ、当たった。

しかし、バレない様に。コッソリと……。

「おい」

「ひぃ」

「釣れたのか」

「えと、その……いや」

「釣れてるな。釣れている」

私はジッと見つめてくるリアムさんが恐ろしく、もうそれ以上ここに居る事は出来なかった。

急いで魚を釣り上げると、そのまま処理して、先ほど釣った魚も含めて持ちながらたき火へと向かう。

恐怖だ。

今、どうしようもない恐怖を全身に感じながら私は走る。

安全な場所を目指して。
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