聖女の証

とーふ(代理カナタ)

文字の大きさ
92 / 198

第30話『争いを止める為なら私は何でもしますよ』①

しおりを挟む
私の声に応えて、森の奥から神獣たちの声が聞こえる様になってきた。

そして、地を揺らす足音もだ。

「な、ななな、なんて事をしたんだ。姫様!!」

「かの神獣をここへ呼び出すなんて! あの厄介系むっつり処女厨がここへ来たら、大変な事になりますよ!!? 今、ここにはエルフが居る!!」

「そうですね。ですが、私は大切なお友達であるレーニちゃんを傷つけたこの状況が許せません。争いを止める為なら私は何でもしますよ」

「「くぅっ! これは愛!!」」

悶絶しているイシュラさんとロージさんを放置して、私はリアムさんに助けを求めた。

そして、リアムさんは容易く籠を破壊し、私はリアムさんの手の上に乗り、そのまま肩の上に乗せて貰った。

「状況が飲み込めん。何が来る?」

「ユニコーンです」

「ユニコーン?」

「伝説の神獣さ。しかしとんでもない物を呼んだな。これでは戦争どころじゃ無いぞ」

「えぇ。そうですね。ですが、これで目の前の敵より、大きな脅威に対して協力する事が出来るのではないですか?」

「まぁ、そうだね。おい。陰魔共。アメリア姫様がお怒りだ。この事態を収集するぞ」

私たちの会話に合わせて自然な形で現れたエルフの長は、遠く、森の彼方で輝く赤い光に目を細めた。

「ふむ。だが、アメリア姫。どうやら薬が効きすぎているようだ。赤いぞ」

「あら……?」

「赤という事は?」

「NTR-Dシステムが発動しているという事だ」

「NTR-Dシステム?」

陰魔さんの言葉にキャロンさんが首を傾げながら私に視線を合わせた。

私は遠くで輝く赤い光を見ながら、ユニコーンの生態を語る。

「ユニコーンは貞淑で清廉な人を好む生物です」

「まぁ要するに処女厨という事だ。人に勝手な夢を見て、それが違うと分かれば暴走する厄介な生物だな」

「それはお前も同じだろ。エルフ」

「そっくりそのまま言葉を返そうか陰魔」

「とにかく。人によって色々と感想はあると思いますが、ユニコーンは貞淑さを重んじる為、それを破る様な行為を許しません」

「そう。故にNTR-D。つまりは、ネトラレ……デストロイヤー。ユニコーンは好みの女の子を見つけると勝手に纏わりついて、その子が誰かと恋仲になると発狂して襲ってくるんだよ」

「なんという厄介な……」

「だろう? だから忌み嫌われているんだが、それを姫様がわざわざ呼んだという事さ。ちなみに赤い光を放ってる時は最大限に怒っている時だ。ですよね。姫様」

「はい。ご説明ありがとうございます。それと、私が呼んだ以上は私が何とかします。しかし、その為にも皆さんの協力が必要です。良いですか? 陰魔さん。エルフさん」

「分かってますよ。姫様」

「しょうがない。今回は陰魔とも協力しよう。それで? 具体的にどう止める?」

「はい。まずは体に戻りまして、広範囲に魔力を「あ」……えと、どうしました? 陰魔さん」

「いやー。ハハハ。すまない。姫様の体には多重に魔術を掛けてな。魂が体に戻っても、すぐは動かない様になっているんだ」

「何をやってるんだ、陰魔ァ!」

「しょうがないだろう!? 体すら奪われた時に、こんな事もあろうかとって言う為の準備だったんだから!!」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

異世界に落ちたら若返りました。

アマネ
ファンタジー
榊原 チヨ、87歳。 夫との2人暮らし。 何の変化もないけど、ゆっくりとした心安らぐ時間。 そんな普通の幸せが側にあるような生活を送ってきたのにーーー 気がついたら知らない場所!? しかもなんかやたらと若返ってない!? なんで!? そんなおばあちゃんのお話です。 更新は出来れば毎日したいのですが、物語の時間は割とゆっくり進むかもしれません。

【魔女ローゼマリー伝説】~5歳で存在を忘れられた元王女の私だけど、自称美少女天才魔女として世界を救うために冒険したいと思います!~

ハムえっぐ
ファンタジー
かつて魔族が降臨し、7人の英雄によって平和がもたらされた大陸。その一国、ベルガー王国で物語は始まる。 王国の第一王女ローゼマリーは、5歳の誕生日の夜、幸せな時間のさなかに王宮を襲撃され、目の前で両親である国王夫妻を「漆黒の剣を持つ謎の黒髪の女」に殺害される。母が最後の力で放った転移魔法と「魔女ディルを頼れ」という遺言によりローゼマリーは辛くも死地を脱した。 15歳になったローゼは師ディルと別れ、両親の仇である黒髪の女を探し出すため、そして悪政により荒廃しつつある祖国の現状を確かめるため旅立つ。 国境の街ビオレールで冒険者として活動を始めたローゼは、運命的な出会いを果たす。因縁の仇と同じ黒髪と漆黒の剣を持つ少年傭兵リョウ。自由奔放で可愛いが、何か秘密を抱えていそうなエルフの美少女ベレニス。クセの強い仲間たちと共にローゼの新たな人生が動き出す。 これは王女の身分を失った最強天才魔女ローゼが、復讐の誓いを胸に仲間たちとの絆を育みながら、王国の闇や自らの運命に立ち向かう物語。友情、復讐、恋愛、魔法、剣戟、謀略が織りなす、ダークファンタジー英雄譚が、今、幕を開ける。  

身代わりで呪いの公爵に嫁ぎましたが、聖女の力で浄化したら離縁どころか国一番の溺愛妻になりました〜実家が泣きついてももう遅い〜

しょくぱん
恋愛
「お前のような無能は、死神の生贄にでもなっていろ」 魔力なしの無能と蔑まれ、家族に虐げられてきた伯爵令嬢レティシア。 彼女に命じられたのは、近づく者すべてを病ませるという『呪いの公爵』アレクシスへの身代わり結婚だった。 鉄格子の馬車で運ばれ、たどり着いたのは瘴気に満ちた死の城。 恐ろしい怪物のような男に殺される――。 そう覚悟していたレティシアだったが、目の前の光景に絶望よりも先に別の感情が湧き上がる。 (な、何これ……汚すぎるわ! 雑巾とブラシはどこ!?) 実は、彼女が「無能」と言われていたのは、その力が『洗浄』と『浄化』に特化した特殊な聖女の魔力だったから。 レティシアが掃除をすれば、呪いの瘴気は消え去り、枯れた大地には花が咲き、不気味だった公爵城はまたたく間にピカピカの聖域に塗り替えられていく。 さらには、呪いで苦しんでいたアレクシスの素顔は、見惚れるほどの美青年で――。 「レティシア、君は一体何者なんだ……? 体が、こんなに軽いのは初めてだ」 冷酷だったはずの公爵様から、まさかの執着と溺愛。 さらには、呪いが解けたことで領地は国一番の豊かさを取り戻していく。 一方で、レティシアを捨てた実家は、彼女の『浄化』を失ったことで災厄に見舞われ、今さら「戻ってきてくれ」と泣きついてくるが……。 「私は今、お城の掃除と旦那様のお世話で忙しいんです。お引き取りくださいませ」 これは、掃除を愛する薄幸令嬢が、その愛と魔力で死神公爵を救い、最高に幸せな居場所を手に入れるまでのお話。

アリエッタ幼女、スラムからの華麗なる転身

にゃんすき
ファンタジー
冒頭からいきなり主人公のアリエッタが大きな男に攫われて、前世の記憶を思い出し、逃げる所から物語が始まります。  姉妹で力を合わせて幸せを掴み取るストーリーになる、予定です。

【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます

腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった! 私が死ぬまでには完結させます。 追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。 追記2:ひとまず完結しました!

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

存在感のない聖女が姿を消した後 [完]

風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは 永く仕えた国を捨てた。 何故って? それは新たに現れた聖女が ヒロインだったから。 ディアターナは いつの日からか新聖女と比べられ 人々の心が離れていった事を悟った。 もう私の役目は終わったわ… 神託を受けたディアターナは 手紙を残して消えた。 残された国は天災に見舞われ てしまった。 しかし聖女は戻る事はなかった。 ディアターナは西帝国にて 初代聖女のコリーアンナに出会い 運命を切り開いて 自分自身の幸せをみつけるのだった。

処理中です...