4 / 4
一章
街に着いた
しおりを挟む「ふぅー、やっと着いた。」
あれから俺はずっと道なりに歩き続けてやっと目の前に街が見えてきた。2時間は歩いただろうか?現代っ子の俺にとって2時間歩き続けるというのはめちゃくちゃ辛かった。普通なら絶対に足がパンパンになってたと思うがそこは異世界、ステータスが上がったことでたいして疲れはしなかった。
あの初戦闘からずっと歩き続けてたが、その後一切戦闘がなかったかと言うとそうではない。めちゃくちゃ襲われた。俺がここに着くまでにゴブリン3体、スライム5匹、コボルト2匹と、まぁまぁなハイペースで襲われてしまった…異世界恐るべし。
中でもスライムはプルプルしてて目がついてて頭の先っぽがとんがってるとかいういかにもな姿なんかじゃなくただのYou〇uberが紹介するような液状のゼリーだった。よくラノベなんかで初のテイムはスライム!実は最強みたいなのがあるがあんなもの正直テイムしたいなどとは微塵も思わないくらい可愛くなかった。
まぁ、そんなことは置いといて、ちょうど最後のコボルトを倒した時に頭の中で声が聞こえてきて新しいスキルを覚えた。
スキルは後天的に取得することも出来るようでその者が経験を積んである一定の熟練度を超えるとスキルとして表れるらしい。
俺が新しく取得したスキルは【魔力操作】まぁずっと魔法で戦っていたんだから当然といえば当然か…。
MPが切れない程度に歩いている時も光玉を出してくるくると自分の頭上で実験がてら回してたから上がったのかもしれないな。
とりあえずスキルは持ってて困るものでもないのでどんどん取っていくとしよう。
(ステータス)
アレン 16歳 Lv.19
HP120/120
MP300/150
攻撃力 D
防御力 E
素早さ E
運 D
【スキル】
・アイテムボックスLv.2 ・全属性魔法Lv.3
・身体強化Lv.2・魔力操作Lv.1・無詠唱 ・ 経験値10倍
・並列思考 ・超回復 ・.言語理解
・魔眼(鑑定・黄)Lv.2・心眼(読心・青)Lv.1
あれからステータスはこんな感じになった。まぁまぁレベル上がったな。それと、魔眼だが正直今は全く使いもんにならんかった。使ってみてもLv1の時は種族しか出てこなかった。Lv2になってようやく性別がでてきたくらいだ…全く使いもんにならん。まぁいいや、魔眼って響きがかっこいいし、やっぱり後悔はしてない…ただこの流れだと心眼も当分は使いもんにならんな。地道にレベル上げるか。あと俺は魔法を中心に使うようなスキルを貰ったがやっぱり武器が欲しい。武器も魔法も両方使える魔法剣士になりたいのだ!街に入ったら冒険者ギルドに行ってお金貯めて武器屋に行こう!
そんなことを考えながら歩いているともう目の前に街が見えた。
いや、街が見えたとさっきから思っていたが正確には違うな。
俺の目の前には見上げるほどの大きな白色の壁が街をぐるっと1周覆っていて、入口にはでかい門がつけられていた。
俺が門の前につくと衛兵が近寄ってきて尋ねてきた。
「身分を証明するものはあるか?」
…困った。俺はそんなもの持っていない…さて、なんて言い訳をしようか、やはりここはテンプレで行くかな。
「すまない、旅の途中で魔物に襲われてしまって武器も財布を入れていたカバンも全て盗られてしまったんだ。」
俺はちょっと困った顔をしながらラノベでありがちな返答をしてみた。
すると衛兵の男は、
「そいつは災難だったな…見たところ冒険者には見えないが、商人の見習いかなにかか?」
「いえ、旅をしながら見聞を広げていたんですが、モンスターに寝込みを襲われまして…」
苦笑しながら答えると衛兵は信じてくれたのか表情が少し柔らかくなった。
「わかった。じゃあこの水晶に手をかざしてみてくれ。」
「それは?」
「なんだ、知らんのか?これに手をかざすと過去に罪を犯したものかどうかわかるんだ。罪を犯していたら赤色になる。何も無ければ青色になる。」
衛兵は一瞬疑いの目で見てきたが丁寧に説明してくれた。多分この世界の一般常識なのだろう。
「すまない、前見たのと少し違っていたんでわからなかった。これていいか?」
俺が手をかざすと水晶は青色に変わった。当然だ、この世界について2時間で犯罪をする方が難しいくらいなんだから。街の中ならまだしも道端にいきなり転移させられてどうやって罪を犯すと言うのか。
「問題ないな。よし、今回は特別に通ることを許す。ただ次からは身分を証明できるものを持っていないと銅貨3枚必要になる、気をつけるように。」
タダで通してくれるのかありがたい。俺は衛兵にお礼をいって街に入った。まずはギルドにいって冒険者カード作らないとな。まぁとりあえず初めての異世界の街だ!楽しみだな。
街に入ってすぐに自分の元いた世界との違いに驚かされた。地面は石畳が敷いてあって建物は基本的に平屋。奥に行くほど二階建てやおっきい家がある。なかなか街も広くて活気もある。大通りの道の両端では屋台があったり下に風呂敷を広げて出店みたいにしてたりと色々あった。
色々な店を冷やかしながら歩いていると、前方に木をベースに作られた大きい建物があった。看板がぶら下がっておりそこには剣と盾のマーク。ここが冒険者ギルドだろうな。そう思い、俺は西洋のガンマンがいる酒場みたいな両開きのドアを開けて中に入った。
おぉーこれが夢にまで見たギルドというやつか!俺は目をキラキラさせながら周りを見る。入って左側に依頼などが貼ってあるボードがあり、その前には机と椅子が10組くらい置いてあって何人かの冒険者は酒を飲みながらだべっていた。どうやらそこは酒場のようで、結構な冒険者が既に出来上がっていた。
あまり絡まれなければいいのだが…そんなフラグを立てながら俺は右側にある受付に向かって歩いていく。
ちょうど並んでいないばしょがあったのでそこに行き、声をかけてみた。
「冒険者登録をしに来たんだが」
ろくな会話もなしに要件だけを伝える愛想の欠片もない態度だったが受付嬢は慌てずに優しい笑みで答えてくれた。
「はい、冒険者登録ですね!初めて登録される方でよろしいですか?」
「あぁ、初めてだ。」
俺がそう答えると受付嬢は机の下から紙とペンを取り出して俺に渡してきた。
「ここに、名前と性別、それと得意な武器を書いてください!文字が書けなければ代筆することも出来ますがどうしますか?」
俺はこの世界の文字は見たことなどないので書けないと思っていたのだが、何故か書けると思ってしまった。試しに名前を書いてみると書けた…神様がなにかしてくれたのかそれとも言語理解のスキルのお陰か?俺の中で言語理解といえば喋る言葉や文字は理解出来ても書くことはできないと思っていたのだが…まぁどっちでもいいか、書けるのなら問題ないな、俺は受付嬢に断りを入れて自分で書いていった。
「はい、アレンさんで性別は男、得意武器は特になし、っと。失礼ですがアレンさんは魔法使いですか?」
「あぁそうだが…」
俺が答えると受付嬢が驚いた顔をした。なんで驚いてるんだ?
すると受付嬢は少し目を輝かせて、
「凄いですね!魔法使いって100人に1人生まれるかどうかの珍しい存在なのに!そんな方が冒険者になってくれてとても心強いです!」
そんなに珍しい存在だったのか…この世界は魔法で回ってる的なことを神様が言っていたがそんなんで本当に大丈夫なのか?まぁどうでもいいか…俺は自分が自由に生きられたらそれでいいや。
「すみません、話が逸れてしまいましたね!遅れましたが冒険者登録にはこちら側が用意した教官が課すお題に挑んでいただき、そこで実力を認められれば合格となります。それと登録にかかる費用が銅貨3枚となっているのですが大丈夫ですか?」
お金かかるのかよ!この世界のお金の価値もわからないし、本当にやることはたくさんあるな。
「実は今手持ちが全くない状態なんだが、冒険者になって依頼を受けて返すことはできないのか?」
「あっ!大丈夫ですよ!ただその場合教官の試験に合格しなければならないんですけど今から試験受けますか?」
「あぁ、頼む。」
俺はそう言って、試験を受けることを希望した。
「わかりました!少し待っててください。」
そう言うと受付嬢は奥に消えてった。2分くらいすると戻ってきて、「お待たせ致しました!奥にある修練場で行いますのでついてきてください!」と言われたので、後ろをついていく。
修練場に着くと1人のごついからだの男が立っていた。
「よぉ、お前が試験受けるやつか?ひょろひょろで頼りなさそうだな!」
ガハハハと笑いながらその男は俺の背中をべしべしと叩いてきた。
苦手なタイプだ。人のパーソナルスペースに、無遠慮に入ってくるタイプは俺の最も苦手にしているタイプだ。まぁ、試験が終わるまでの辛抱だな。
「ワシの名前はエルグだ!教官になる前はAランク冒険者だった、よろしくな!」
そう言って握手を求めてきたのでこちらも名乗って返しておく。分厚い手だな…手のひらはタコが出来ていて素人の俺にも強者だと分かる手をしていた。
「で、俺は一体何をしたらいいんだ?」
俺がそう聞くと、エルグは遠くにある的を指さしながら「お前は魔法使いだと聞いている、武器を扱う物なら、ワシが直接相手をするんだが、お前はそうゆう訳にも行かない。ってな訳であそこにある的に向かって魔法を打ってみてくれ、自分の得意な魔法で構わん!」
なんだ魔法を打つだけでいいのか、てっきりこの教官と戦って実力を示せ的なやつかとおもったが、簡単ならそれに越したことはないか。
俺は的から10mくらい離れた位置に立ち、手を的に向けた。
俺がこの世界に来てから1番使った魔法は火球なのでそれをイメージして的に向かって放った。余談だが、俺は1匹目のゴブリンを倒してから、次の魔物には魔法を使う際イメージを強くしてから打つようにしていた。それで思いついたのが黒炎だ。黒炎ってなんか蒼炎よりも強いイメージがあるしかっこいいしイメージすれば使えるんじゃね?と思って打ったら使えた。魔法の力は無限大だ。とは言えこんな所で黒炎を打って騒ぎになると面倒なので普通の赤い炎の火球を打った。的に外れことなく当たり、燃え上がった。
一応、魔法を打つだけと聞いていたので後ろを振り返り、教官の様子を伺うと教官は驚いた顔をしていた。なにかやらかしてしまったのだろうか、そんなことを思っていると教官が、「お前今、詠唱してなかったよな?しかもなんだあの威力は!あの的は魔法耐久がかなりあり、火の魔術も通さないハイトレントの素材から作った的だぞ!?燃え上がるのはおかしい!」
やっちまった。ハイトレントの事はよく分からんが、詠唱のことなんかすっかり忘れてた。そうだ、無詠唱ってだいたい凄いスキルなんだよな…やっぱり詠唱してからうった方がよかったか。まぁ今更か。どっちみち的が燃えてたんじゃ一緒だわな、間違った詠唱して怪しまれても面倒だったしやっちまったもんは仕方ない。
「まぁいい…冒険者同士の余計な詮索は禁止だ。ワシは教官だから問い詰めてもいいんだが答えられんのならしょうがない。」
俺が考えていたのを沈黙と取った教官が勝手に自己完結してくれた。なら答えなくていいか、面倒だし。
「それで試験は合格なのか?」
「あぁ文句無しに合格だっ…時にお前さん、魔物を狩ったことはあるのか?」
「ゴブリンとスライムとコボルトならあるぞ」
俺が答えると、教官はちょっとの間考えて「よし、それならEランクでもいいだろう。本当はFランクからのスタートが基本だがコボルトを倒せるなら問題ない。上にはワシが報告しておこう。」
聞くところによるとコボルトはEランクの魔物らしい。それでそいつを倒せる俺はEランクの資格を持っていると。まぁランクを上げることには、それほど興味が無いのでゆっくり過ごしていこう。
俺はギルドカードを貰うために再び受付に戻ってきた。
「アレンさんおめでとうございます!こちらがEランクのギルドカードになります。無くした際は再発行に銀貨1枚かかるのできをつけてください!それと、ギルドのルールについてですがお聞きになりますか?」
「あぁ、頼む」
「わかりました。まずギルドのランクについてですがこれはFからSランクまであります!ランクは詳しくは言えませんが、ギルド側が適正な判断の元に審査して上がっていきます!例えば、ダンジョンの踏破や依頼をこなした数など、ギルドに貢献した数が重要になってきます!依頼は自分のランクから1つ上の物まで受けることができます!アレンさんだとDランクの依頼ですね!ただ、依頼書に書かれている期限に間に合わなかったり依頼を失敗してしまうと罰金が課せられますのでお気をつけください!以上が大体のギルドのルールになりますがここまでで質問ありますか?」
「いや、特にないなありがとう、だいたいわかったよ。」
特に聞きたいこともないので俺はそう言ってギルドカードを見てみた。無くさないようにしないとな。アイテムボックスにでも入れとくのが1番だな。
「では、申し遅れましたが…コラードの街の冒険者ギルド受付嬢のティーナと申します。これからよろしくお願いしますね!アレンさん♪」
……この街コラードっていうんだ…今、初めて知ったわ。
まぁとにかく…ここから始めよう。やることは沢山ある。
焦らずゆっくり強くなるとしますかね。
「おいおい、ここはガキの来るところじゃねぇんだぜぇ~」
わぁーおやっぱりいるんだこんなやつ。
なんか今の言い方やっててよかった〇〇式みたいだったな。
俺は目の前の顔が赤い酒臭い男を見ながら、並列思考でそんなことを考えるのだった。
晴れやかな門出に水を刺さないでもらいたいもんだね全く。
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
神は激怒した
まる
ファンタジー
おのれえええぇえぇぇぇ……人間どもめぇ。
めっちゃ面倒な事ばっかりして余計な仕事を増やしてくる人間に神様がキレました。
ふわっとした設定ですのでご了承下さいm(_ _)m
世界の設定やら背景はふわふわですので、ん?と思う部分が出てくるかもしれませんがいい感じに個人で補完していただけると幸いです。
お前には才能が無いと言われて公爵家から追放された俺は、前世が最強職【奪盗術師】だったことを思い出す ~今さら謝られても、もう遅い~
志鷹 志紀
ファンタジー
「お前には才能がない」
この俺アルカは、父にそう言われて、公爵家から追放された。
父からは無能と蔑まれ、兄からは酷いいじめを受ける日々。
ようやくそんな日々と別れられ、少しばかり嬉しいが……これからどうしようか。
今後の不安に悩んでいると、突如として俺の脳内に記憶が流れた。
その時、前世が最強の【奪盗術師】だったことを思い出したのだ。
魔法使いクラウディア
緑谷めい
ファンタジー
「お前みたいなブスが、この俺の婚約者だと? 俺はこの国の王太子だぞ!」
綺麗な顔をした金髪碧眼の、いかにも生意気そうな少年は、クラウディアの顔を見るなり、そうほざいた。
初対面の婚約者――それも公爵家令嬢であるクラウディアに対して、よくもそんな失礼な事が言えたものだ。
言っておくが、クラウディアは自分の美しさに絶対の自信を持っている。
※ 全8話完結予定
※ ボーイズラブのタグは保険です。
メインをはれない私は、普通に令嬢やってます
かぜかおる
ファンタジー
ヒロインが引き取られてきたことで、自分がラノベの悪役令嬢だったことに気が付いたシルヴェール
けど、メインをはれるだけの実力はないや・・・
だから、この世界での普通の令嬢になります!
↑本文と大分テンションの違う説明になってます・・・
異世界に召喚されて2日目です。クズは要らないと追放され、激レアユニークスキルで危機回避したはずが、トラブル続きで泣きそうです。
もにゃむ
ファンタジー
父親に教師になる人生を強要され、父親が死ぬまで自分の望む人生を歩むことはできないと、人生を諦め淡々とした日々を送る清泉だったが、夏休みの補習中、突然4人の生徒と共に光に包まれ異世界に召喚されてしまう。
異世界召喚という非現実的な状況に、教師1年目の清泉が状況把握に努めていると、ステータスを確認したい召喚者と1人の生徒の間にトラブル発生。
ステータスではなく職業だけを鑑定することで落ち着くも、清泉と女子生徒の1人は職業がクズだから要らないと、王都追放を言い渡されてしまう。
残留組の2人の生徒にはクズな職業だと蔑みの目を向けられ、
同時に追放を言い渡された女子生徒は問題行動が多すぎて退学させるための監視対象で、
追加で追放を言い渡された男子生徒は言動に違和感ありまくりで、
清泉は1人で自由に生きるために、問題児たちからさっさと離れたいと思うのだが……
スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる
仙道
ファンタジー
気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。 この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。 俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。 オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。 腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。 俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。 こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる