4 / 193
章1
レッツゴー異世界 ハローヒーロー(3)
しおりを挟む
ハンバーガーとフライドポテト、ナゲット、ドリンクのセットを購入して再び異世界へ転移すると、勝宏はその場から動かず胡坐をかいていた。
「えっと……買ってきたよ」
「わー! 包装が既に懐かしい! 透と会えてよかったー!」
歓声とともに犬のように駆け寄ってきた勝宏にファーストフードの紙袋をそのまま渡す。全部で千円くらいかな、と勝宏がポケットから硬貨を取り出した。
「銀貨1枚……ううん、買って来てくれたお礼に2枚あげる」
「ど、どうも……ごめん、俺、この世界の通貨、よくわかってなくて……」
というより右も左も分かってない状態でリアル西洋ドラゴンと特撮ヒーローの戦闘シーンに遭遇したわけですが。
なんでハンバーガーのおつかいさせられてるんだろう。
「あれ、もしかしてこっち来たばっかり? 分かった、色々教えてやるよ」
勘違いされたままだが、教えてもらえるのはありがたい。
まずは、勝宏が硬貨の入った皮袋ごと貸してくれたので、その場で広げて硬貨の種類の確認だ。
彼はというと早速ウエットティッシュで手を拭いてハンバーガーを頬張っている。
勝宏がナゲットを食べながら説明したこの世界の通貨価値については、以下の通りである。
小銅貨:日本円だと十円玉とほぼ同じ扱い。
銅貨:日本円で百円くらい。
銀貨:同じく、千円程度。
金貨:約一万円。
ただし、物価や一般市民のひと月あたりの収入が低いため、四人家族で一ヶ月10万――金貨10枚もあれば不自由なく暮らせるらしい。
「まあある程度のことはステータス・メニューのヘルプ開けば載ってるけど」
「メニュー……?」
「あるだろ? え、ないの?」
それ、たぶん転生者特典みたいなやつだね。
なんだかんだで自分も転生者だと思われてしまっているが、ここで訂正できるだろうか。
「あの、俺、転生じゃ」
「ステータス画面もなしかよ。透の担当の神様、不親切だなあ」
訂正、できなかった。
同じ境遇だと思われているのを訂正するのは結構勇気が要るもので、一度挫かれるとなかなか言い出せない。
「じゃあ、神様からは何か聞いてる? 能力のことは分かってるっぽいから……転生ゲームのことは?」
「転生ゲーム……?」
透が何も知らない様子なのを察して、勝宏のポテトを食べる手が止まった。
「はあ? ルールも教えないで異世界に放り出すなんて、透のとこ意地悪すぎだろ!」
急に彼が声を荒らげる。自分が怒鳴られたような気がして反射的に身体が硬直した。
勝宏が神妙な顔をして、危ない目に遭う前に俺が接触できてよかったよ、と肩を叩いてくる。ああ、服に、フライドポテトの塩……。
「透、分かるぶんだけ状況教えるから、これから転生者には気をつけろよ」
「気をつけるって」
「うん。俺が神様に聞いた限りでは、今、神様の間で転生ゲームが流行ってるみたいなんだ――」
勝宏の話を統合すると、この世界の転生者たちは次のような状況らしい。
【1】神様によって選ばれた人間、主にこの手のサブカルファンタジックな話に強い日本人が殺され、この世界に連れて来られている。
【2】転生時、「チートスキル」と言われる特殊能力をひとつもらえる。能力以外に、ステータスの伸びを良くする成長補正などのオマケがつけられていることが多い。
その上で、特殊能力での「争奪戦」や能力の「ポイント購入」の要素がある。
【3】「ポイント」を集めると、ステータス・メニュー画面のショップ欄からチートスキル――特殊能力を追加購入できる。
【4】ポイント集めの方法は大きく分けて二通り。一つ目は、転生者向けに不定期に開催されるイベントクエストをこなすことで得るクリア報酬。二つ目は、一定条件を満たした状態で敵を倒すことで得るドロップ報酬。
「イベントクエストはいまんとこ俺がこっちに来てからは開催されてないからよく分かんないんだけどさ、ドロップ報酬の方がヤバいんだよな」
聞いただけだと、まるでサバイバルゲームのようである。小さい頃バトロワ流行ったなあ、あれよりは平和だと思うけど……。
「敵を倒す、って説明受けるけど、実際は敗北側は光になって消滅するんだ。手加減したって治療したって負ければ絶対死ぬ。ていうか、その光が勝者のポイントに変換されてんの」
「……いやなルールだね」
「転生者を倒した方がポイントが多いけど、この世界のギルド資格がどうも一般人のゲーム参加資格にも繋がってるらしくて、普通の冒険者なんかも一人1ポイントで換算できるんだって」
訂正、あんまり平和的じゃなかった。
それはつまり、無差別にポイントを稼ごうとした転生者によって街を丸ごと破壊されたりする可能性だってあるってことだ。
「まあ、この世界の人間はゲームのことなんて知らないし、ルールを最初から知ってるのは転生者だけだけど……俺の能力はそんなに悪くないから、無関係の人巻き込むくらいなら自分の能力だけで戦って、生き残ってやろうって思ってる」
「そっか」
一般市民や元同郷の仲間を殺したくなければ戦いに出なければ良いが、その場合対抗手段が最初に貰った能力のみとなる。
関わりたくなくともポイントを求めてあちらからやってきてしまうわけだ。
身を守るためには最低限の戦力が必要で、他の転生者のスキルがどんなものなのか分からない以上、できる限り「最強」に近付いておかなければ自分が殺される、と。
……あれ、ということは。
「あの、さっきのドラゴン……」
「ん、どした?」
ハンバーガーセットを食べ終わった勝宏が、包装を紙袋にまとめながら話を促してくれた。
こちらからの質問を受ける態勢になってくれているおかげで、いくらか話しやすい雰囲気である。
「話、聞いてる限りでは、俺、犯人――テイマースキル持ちの転生者、の可能性だってあった、よね。……どうして助けてくれたの?」
「なんだ、そんなこと? だって俺、ヒーローだもん。ていうか、人助けに理屈なんていらないよ」
「ヒーロー……」
「ま、全部既存のヒーローの借り物なんだけどねー」
開始年齢やステータス補正などのオマケはともかく、もらえる特殊能力は自分で選べるものじゃないと聞いた。
たまたまヒーローになれる能力だったに過ぎないのに、勝宏の思考は完全に正義の味方のそれだ。
「……かっこいいなあ」
「えっ、俺、かっこいい? イエーイ!」
「ふふっ。ほっぺた、ケチャップついてる」
そういえば、彼がここに来た経緯も小学生の女の子を庇って、だった。
知り合ったばかりでもすぐに分かる調子乗りな性格と同じ、このお人好しっぷりも生来のものなんだろう。なるべくして、かもしれない。
口の周りをべろべろ舐め始める彼に、ウエットティッシュをもう一枚渡した。
「えっと……買ってきたよ」
「わー! 包装が既に懐かしい! 透と会えてよかったー!」
歓声とともに犬のように駆け寄ってきた勝宏にファーストフードの紙袋をそのまま渡す。全部で千円くらいかな、と勝宏がポケットから硬貨を取り出した。
「銀貨1枚……ううん、買って来てくれたお礼に2枚あげる」
「ど、どうも……ごめん、俺、この世界の通貨、よくわかってなくて……」
というより右も左も分かってない状態でリアル西洋ドラゴンと特撮ヒーローの戦闘シーンに遭遇したわけですが。
なんでハンバーガーのおつかいさせられてるんだろう。
「あれ、もしかしてこっち来たばっかり? 分かった、色々教えてやるよ」
勘違いされたままだが、教えてもらえるのはありがたい。
まずは、勝宏が硬貨の入った皮袋ごと貸してくれたので、その場で広げて硬貨の種類の確認だ。
彼はというと早速ウエットティッシュで手を拭いてハンバーガーを頬張っている。
勝宏がナゲットを食べながら説明したこの世界の通貨価値については、以下の通りである。
小銅貨:日本円だと十円玉とほぼ同じ扱い。
銅貨:日本円で百円くらい。
銀貨:同じく、千円程度。
金貨:約一万円。
ただし、物価や一般市民のひと月あたりの収入が低いため、四人家族で一ヶ月10万――金貨10枚もあれば不自由なく暮らせるらしい。
「まあある程度のことはステータス・メニューのヘルプ開けば載ってるけど」
「メニュー……?」
「あるだろ? え、ないの?」
それ、たぶん転生者特典みたいなやつだね。
なんだかんだで自分も転生者だと思われてしまっているが、ここで訂正できるだろうか。
「あの、俺、転生じゃ」
「ステータス画面もなしかよ。透の担当の神様、不親切だなあ」
訂正、できなかった。
同じ境遇だと思われているのを訂正するのは結構勇気が要るもので、一度挫かれるとなかなか言い出せない。
「じゃあ、神様からは何か聞いてる? 能力のことは分かってるっぽいから……転生ゲームのことは?」
「転生ゲーム……?」
透が何も知らない様子なのを察して、勝宏のポテトを食べる手が止まった。
「はあ? ルールも教えないで異世界に放り出すなんて、透のとこ意地悪すぎだろ!」
急に彼が声を荒らげる。自分が怒鳴られたような気がして反射的に身体が硬直した。
勝宏が神妙な顔をして、危ない目に遭う前に俺が接触できてよかったよ、と肩を叩いてくる。ああ、服に、フライドポテトの塩……。
「透、分かるぶんだけ状況教えるから、これから転生者には気をつけろよ」
「気をつけるって」
「うん。俺が神様に聞いた限りでは、今、神様の間で転生ゲームが流行ってるみたいなんだ――」
勝宏の話を統合すると、この世界の転生者たちは次のような状況らしい。
【1】神様によって選ばれた人間、主にこの手のサブカルファンタジックな話に強い日本人が殺され、この世界に連れて来られている。
【2】転生時、「チートスキル」と言われる特殊能力をひとつもらえる。能力以外に、ステータスの伸びを良くする成長補正などのオマケがつけられていることが多い。
その上で、特殊能力での「争奪戦」や能力の「ポイント購入」の要素がある。
【3】「ポイント」を集めると、ステータス・メニュー画面のショップ欄からチートスキル――特殊能力を追加購入できる。
【4】ポイント集めの方法は大きく分けて二通り。一つ目は、転生者向けに不定期に開催されるイベントクエストをこなすことで得るクリア報酬。二つ目は、一定条件を満たした状態で敵を倒すことで得るドロップ報酬。
「イベントクエストはいまんとこ俺がこっちに来てからは開催されてないからよく分かんないんだけどさ、ドロップ報酬の方がヤバいんだよな」
聞いただけだと、まるでサバイバルゲームのようである。小さい頃バトロワ流行ったなあ、あれよりは平和だと思うけど……。
「敵を倒す、って説明受けるけど、実際は敗北側は光になって消滅するんだ。手加減したって治療したって負ければ絶対死ぬ。ていうか、その光が勝者のポイントに変換されてんの」
「……いやなルールだね」
「転生者を倒した方がポイントが多いけど、この世界のギルド資格がどうも一般人のゲーム参加資格にも繋がってるらしくて、普通の冒険者なんかも一人1ポイントで換算できるんだって」
訂正、あんまり平和的じゃなかった。
それはつまり、無差別にポイントを稼ごうとした転生者によって街を丸ごと破壊されたりする可能性だってあるってことだ。
「まあ、この世界の人間はゲームのことなんて知らないし、ルールを最初から知ってるのは転生者だけだけど……俺の能力はそんなに悪くないから、無関係の人巻き込むくらいなら自分の能力だけで戦って、生き残ってやろうって思ってる」
「そっか」
一般市民や元同郷の仲間を殺したくなければ戦いに出なければ良いが、その場合対抗手段が最初に貰った能力のみとなる。
関わりたくなくともポイントを求めてあちらからやってきてしまうわけだ。
身を守るためには最低限の戦力が必要で、他の転生者のスキルがどんなものなのか分からない以上、できる限り「最強」に近付いておかなければ自分が殺される、と。
……あれ、ということは。
「あの、さっきのドラゴン……」
「ん、どした?」
ハンバーガーセットを食べ終わった勝宏が、包装を紙袋にまとめながら話を促してくれた。
こちらからの質問を受ける態勢になってくれているおかげで、いくらか話しやすい雰囲気である。
「話、聞いてる限りでは、俺、犯人――テイマースキル持ちの転生者、の可能性だってあった、よね。……どうして助けてくれたの?」
「なんだ、そんなこと? だって俺、ヒーローだもん。ていうか、人助けに理屈なんていらないよ」
「ヒーロー……」
「ま、全部既存のヒーローの借り物なんだけどねー」
開始年齢やステータス補正などのオマケはともかく、もらえる特殊能力は自分で選べるものじゃないと聞いた。
たまたまヒーローになれる能力だったに過ぎないのに、勝宏の思考は完全に正義の味方のそれだ。
「……かっこいいなあ」
「えっ、俺、かっこいい? イエーイ!」
「ふふっ。ほっぺた、ケチャップついてる」
そういえば、彼がここに来た経緯も小学生の女の子を庇って、だった。
知り合ったばかりでもすぐに分かる調子乗りな性格と同じ、このお人好しっぷりも生来のものなんだろう。なるべくして、かもしれない。
口の周りをべろべろ舐め始める彼に、ウエットティッシュをもう一枚渡した。
1
あなたにおすすめの小説
伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい
マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。
最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡)
世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。
龍の寵愛を受けし者達
樹木緑
BL
サンクホルム国の王子のジェイドは、
父王の護衛騎士であるダリルに憧れていたけど、
ある日偶然に自分の護衛にと推す父王に反する声を聞いてしまう。
それ以来ずっと嫌われていると思っていた王子だったが少しずつ打ち解けて
いつかはそれが愛に変わっていることに気付いた。
それと同時に何故父王が最強の自身の護衛を自分につけたのか理解す時が来る。
王家はある者に裏切りにより、
無惨にもその策に敗れてしまう。
剣が苦手でずっと魔法の研究をしていた王子は、
責めて騎士だけは助けようと、
刃にかかる寸前の所でとうの昔に失ったとされる
時戻しの術をかけるが…
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?
* ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。
悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう!
せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー?
ユィリと皆の動画をつくりました!
インスタ @yuruyu0 絵も動画もあがります。ほぼ毎日更新
Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。動画を作ったときに更新
プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください!
告白ごっこ
みなみ ゆうき
BL
ある事情から極力目立たず地味にひっそりと学園生活を送っていた瑠衣(るい)。
ある日偶然に自分をターゲットに告白という名の罰ゲームが行われることを知ってしまう。それを実行することになったのは学園の人気者で同級生の昴流(すばる)。
更に1ヶ月以内に昴流が瑠衣を口説き落とし好きだと言わせることが出来るかということを新しい賭けにしようとしている事に憤りを覚えた瑠衣は一計を案じ、自分の方から先に告白をし、その直後に全てを知っていると種明かしをすることで、早々に馬鹿げたゲームに決着をつけてやろうと考える。しかし、この告白が原因で事態は瑠衣の想定とは違った方向に動きだし……。
テンプレの罰ゲーム告白ものです。
表紙イラストは、かさしま様より描いていただきました!
ムーンライトノベルズでも同時公開。
孤独な蝶は仮面を被る
緋影 ナヅキ
BL
とある街の山の中に建っている、小中高一貫である全寮制男子校、華織学園(かしきのがくえん)─通称:“王道学園”。
全学園生徒の憧れの的である生徒会役員は、全員容姿や頭脳が飛び抜けて良く、運動力や芸術力等の他の能力にも優れていた。また、とても個性豊かであったが、役員仲は比較的良好だった。
さて、そんな生徒会役員のうちの1人である、会計の水無月真琴。
彼は己の本質を隠しながらも、他のメンバーと各々仕事をこなし、極々平穏に、楽しく日々を過ごしていた。
あの日、例の不思議な転入生が来るまでは…
ーーーーーーーーー
作者は執筆初心者なので、おかしくなったりするかもしれませんが、温かく見守って(?)くれると嬉しいです。
学生のため、ストック残量状況によっては土曜更新が出来ないことがあるかもしれません。ご了承下さい。
所々シリアス&コメディ(?)風味有り
*表紙は、我が妹である あくす(Twitter名) に描いてもらった真琴です。かわいい
*多少内容を修正しました。2023/07/05
*お気に入り数200突破!!有難う御座います!2023/08/25
*エブリスタでも投稿し始めました。アルファポリス先行です。2023/03/20
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる