【完結】あなたが幸せなら、僕も幸せ……?

カシナシ

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65 セオドアside

(セオドアside)



「きゃああああ!」


 服の破れた状態であるのに、王女は突然飛び跳ねてジャケットを投げ出した。

 当然、胸がさらけ出されており、取り巻きたちは慌てて隠そうとするも、王女の不規則な動きは止められない。

 野次馬たちは王女の慎みのない胸に夢中で、『いいものが見れた』とホクホクしている者さえいた。


「いやあ、毛虫!毛虫よ!誰か!誰か取ってぇえええ!!」

「うわ、大量だ……っ」

「む、無理ですぅ!ぼくも苦手なんですぅううう」


 王女にはドン引きするほど毛虫がたかっていた。鮮やかな緑や、赤や、黒色の斑点模様の毛虫たちが、ぴょんぴょんと王女に飛びかかって跳ねていた。

 ぼくにはすぐ分かった。

 兄さん、やったな、と。

 取り巻きたちは、腐っても貴族令息だ。大量の毛虫など見慣れている訳もなく、腰の引けた状態でジャケットを広げ、王女の裸を衆目から隠すので手一杯だ。

 そこに両手を使っている。取り巻きたちは目で『お前がいけ』『いや、おまえが』と、毛虫取り係を押し付けあっているようだ。全く、情けない。


 ぼくもにいさんも毛虫、大丈夫だけど。助けてあげるなんて、ふふっ、そんなこと、しない。するわけない。

 だってにいさんみたいに、惚れられたら困るもの。あははっ!


「ざまあみろ」


 結局、近衛騎士が渋々取ったみたい。

 王女の肌に触れることは出来ないとかで、走って、医務室からピンセットを借りて、また走って、不規則に身体をくねらせる王女を刺さないよう、時間をかけて取り除いたらしい。

 ねぇ、にいさんに助けてもらったときはあっさり惚れたのに、騎士には惚れないのはさぁ……やっぱり、顔と爵位、見てんじゃんか。








 



 
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