【完結】転生した悪役令息は、お望み通り近付きません

カシナシ

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28 レイヴンは ※


※残酷描写注意
※キャラ崩壊注意




 とある地下牢にて。

 レイヴンには【空間魔術】というスキルがある。今回のように小空間を支配したり、将来的には転移も使えるようになる便利なスキルだが、犯罪者が持てば厄介なスキルとなる。

 そのためアレクサンダーは、永遠にスキルが使えなくなる【消滅化】を使うことにした。


 それは【真実の瞳】を持つ王族にしか使えない。自身の血も使う面倒な制約があるものの、レイヴンをそのまま野放しには出来ない。


「いっそ………………殺してくれ…………」


 治癒と拷問を、何度も繰り返されていた。

 何故ディディアを襲ったのか。アレクサンダーはその頭に手を置き、尋問する。【意識侵入】は、人の頭の中を覗き込み、考えていることを知ることができた。

 幼い頃のアレクサンダーは、無意識にこのスキルを発動してしまいよく吐いていた。しかし今では、完璧に制御出来ている。

 それを発動すると、レイヴンにとっては、頭の中をぐちゃぐちゃとかき混ぜられているような心地を与える。そしてアレクサンダーにとっても汚泥に手を突っ込むような気分の悪さを齎す。

 そこまでして何度聞いても、レイヴンの本心は、自分勝手極まりないものでしかなかった。

『ディディアは俺を好きでなくてはいけない』
『あれだけ振り回しておいて、他の男と幸せになるなんて許せない』
『スキルがあるのを黙っていたのだから、婚約解消は無効』

 ……など。

 大人しく海軍に入り、大人しく更生しておけば良かったものを。アレクサンダーは、愚かな男はどこまでも愚かなのだと嘲笑した。

 身体をズタズタに割かれたレイヴンの、股間だけはつるりとしている。壁に磔にされた状態で、背中に大きく、赤く刻み込むのは【消滅化】のスキル。


「やめろ……俺の……スキル……っ、死んだ方がマシだ……!」

「嫌だなぁレイヴン。ディアにあんなことをしておいて、楽になろうとしているのかな?」


 アレクサンダーは元側近に、失望と苛立ちを隠せない。

 元々、顔も産まれもスキルにも恵まれた能天気なレイヴンが嫌いだった。それでも側近にしたのはその稀有なスキルの将来性と身分、そしてあまり深く考えないタイプのため、アレクサンダーの側でも精神的に潰れないだろう、というそれだけ。

 アレクサンダーは人の悪意に敏感にならざるを得なかったのに、ど真ん中に好みな美人の婚約者(ディディア)もいて。

(あまり良く見ないようにしていた。側近の婚約者だから。いくら美人でも、裏じゃ鼻くそでもほじってるに違いないって思い込むようにして)

 それに、以前見かけた際のディディアは、真っ赤なオーラだった。全身で他者を警戒し、ただ一人レイヴンだけを必死に追いかけ回していた。それが、婚約を解消したあたりからすっと、別人のように透き通っていた。


 今思えばその瞬間から、気になっていたのだろう。


 今やディディアは真に清廉で気高い、大切な人となった。初めて自身のスキルを、『このスキルで良かった』と思えた。愛しい人が自分を許容しているかどうか、はっきり分かるから。

 少々強引に囲い込んでも、ディディアは厄介なアレクサンダーを受け入れ、幸せそうに微笑んでくれた。


 そのディディアを、襲った罪は、重い。


 スキルを消滅させる。それでようやく、ディディアも安心して眠れるというもの。旧知の仲でも、アレクサンダーは決して手を緩めない。


「アレクサンダー…………様……っ、俺から、ディディアを奪うだけでなく…………っ、男の象徴も、スキルも奪おうと言うのですか……!?」

「あはは、黙れ。奪うとは穏やかではないね。全て君の身から出た錆というもの」


 アレクサンダーはレイヴンの尻を蹴り上げると、問答無用でスキルを行使した。

 産まれながらにして持っていた、大事なスキルが、身から引き剥がされて塵となっていく。

 レイヴンは壮絶な痛みと苦しみに、どちらにせよ黙る他なかった。


「ぅグァ────!」


「だってディアをスキルなしだってバカにしながら、正義面して婚約破棄しようとしたのはレイヴン、君だよね。貧相な涙に騙されて、ディアのふにふにほっぺを容赦なく叩いて歯を折ったのも君。そして反省したかと思ったらポーズだけで、嫌がるディアを押さえつけて強姦しようとしたのも、レイヴン、全部君だ」

「ァガッ…………!」

「もし成功していたら、ディアは処女を失うだけじゃない。尊厳も失っていた。あの子思い切りがいいからね、自ら死を選ぶ可能性もある。私はもちろん手放さないよ?王族籍から抜けたら非処女でもいいし、まぁ、面倒だけど王位は弟たちに頑張って貰えばいい」

「……それなら、」

「“それなら”何?抱けばよかったって?ああほんと、君は、わかっちゃいない。嫌いなやつに触れられるだけで嫌悪感で発狂したくなるって、実演で教えたつもりなんだけどねぇ。やっぱり、愚か者は知るしかないみたい」


 仮に、レイヴンの企みが成功していたら。アレクサンダーが王位継承権を放棄してディディアを娶っても、その心には一生の傷が付くだろう。そして、アレクサンダーに王位継承権を放棄させた事についても気にするに違いなかった。


 それなのに、この男。
 やはり、罪の意識が足りていない。


(……これから、思う存分味わえばいい)


 アレクサンダーは処置を終えて、ゴミを見るような目でレイヴンを見、手を拭いて淡々と去っていった。

















(どう考えてもディディアが悪い。俺を好きで迷惑なほど追いかけ回してきたくせに、拒否しやがって。大体、有用なスキルがあるなら早く言え。それなら


 全く反省していないレイヴンが、アレクサンダーの最後の言葉の意味が分かったのは、海軍の最も過酷な部隊、“海鯨隊かいげいたい”へ入隊させられてから。


「こいつが新入りのレイヴン。次期王太子妃のケツを触ってスキルを消滅させられたらしい。もう貴族でもなし、『』、とのことだ」

「へっへっ、かわい子ちゃんじゃあねえの、なあ?」

「ああ、もちろん可愛がるさ。みんなでな」


 レイヴンは顔を青くした。

 レイヴンも背の高い方で、そこそこに鍛えているつもりであった。
 しかしそこに立ち並んだ男たちは、そのレイヴンよりひとまわりもふたまわりも大きく、肌は真っ黒にツヤ光りし、やけに白い歯をみせていやらしく舌なめずりをしていた。


 魔物のオークと、さほど変わらない。


 訓練は最初から船の上。逃げ場はどこにもない。船酔いと戦いながら、日中は過酷な訓練をする。そして夜は、オーク先輩たちの慰み者となった。


「ああっ、ああっ!アアアアッ!」

「いい声で鳴く。おうおう、締まってら」

「可愛いなぁおい、泣いてやがる。ほうら、キスして慰めてやるからなあ」


 ズチュッ!グチュッ!パンパンパンパンッ!

 犯されるたび、レイヴンのレイヴンたらしめる何かが殺されていく。

 スキルさえ使えれば、狭い船室を支配するなど造作もないことだったのに。
 今のレイヴンは、かつて彼自身が見下していた『スキル無し』。

 それも、背中にはスキルによって消滅させられたことを示す魔術印が、デカデカと刻まれているものだから、犯罪を犯した者だと一目で分かってしまう。


「い、痛いっ……ウガッ……!ひぃ、ぁあ――」


 四方八方から屈強な手が伸びてくる。レイヴンの胸を撫でたり、つねったりする手や、ぺろんぺろんと舐める牛のような舌に、強烈に吸う口。

 尻には常に陰茎が差し込まれるため、切れてピンク色の精液が溢れ出た。前のペニスは陰嚢ごと無くなっており、先輩たちに『あったらもっと可愛がってやれたのになぁ。レイちゃん♡』と笑われる。


(俺は、次期公爵だったのに!殿下の側近で、超有用なスキルを持っていたのに!どうして……!)


 まるで玩具のように、弄ばれて。
 意思など無視され、ただ体温のある性具に成り果てて。
 涙を流す姿すら笑い物にされて。





(地獄、だ)





 そう思っていたレイヴンだったが。


 数ヶ月後。尊厳は殺され、ほとんど何も考えられなくなっていた。

 夜は激しい運動をするオーク先輩らは、昼間は律儀なほど手を出さない。海賊を撃ち倒し、難しい海中の魔魚を狩る姿は大変に男らしく格好良い。



 初めて、レイヴンの腹の底がキュンと鳴った。


「せんぱい……」


 その晩、自ら尻を差し出し、先輩たちは大層喜んだ。『可愛いなぁ』と愛でられ、一等丁寧に愛撫をされ、連続絶頂したことでを破った。


「あん♡あん♡気持ぢいよぉ♡」

「最高だぜレイちゃんっ!おいらのコレをこんなに喜ばすなんて、才能だぜっ!」

「だって、あん♡おっきいからぁっ♡お"ッ♡」


 愉悦を感じ始めたレイヴンは、昼間もほとんど裸のような格好で彷徨うろつき、先輩たちの休憩のたび上に跨って奉仕する、船上の姫となった。


「はい、レイの男体盛り♡おいしく食べて♡」

「気が効くなぁ、それじゃおらよっと!」

「ぁぁあああッ♡」


 先輩たちに昼も夜も犯され尽くされて、もっと、もっとと快楽を求めて善がり狂っていた。

 時には二輪の茎を受け入れることも、全員からバケツのような量の精液をかけられたり、捕虜にした海賊の眼前で見せつけるように交わることもあったが、全ては興奮材料に変換される。


 どうしてこんなことになっているのか。たまにハッと何かを思い出すことがあっても、すぐに忘れた。過去の華々しい記憶も、苦々しい記憶も消去し、何も考えないことで、心を守ったのかもしれない。


 その快楽はひとときの夢。じきに年衰え、先輩らは若い隊員たちへ世代交代する。需要は無くなり、隅の方で鍛錬を続けながら出番を待つことになるのだが────、



 もうその頃には、元の気品ある公爵令息の面影は、跡形もなく無くなっていた。







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