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天高く陰謀巡る秋
似た者母子になりそうです
しおりを挟むまぁ、翌日にはそういったことも報告いたしまして。
「ちょっと甘いわねぇ」
などと恵美香さんに言われつつ。……どうやら恵美香さんはロードリックさんが盛った時に、かなりの報復をしたんだそうですよ。それでも一緒にいるお二人が凄いと思います。
「あとはリックの実家に麻帆佳ちゃんを連れて行かないといけないわねぇ。その前にあのくそじじ……いえ、どうしようもない老が……いえ、厳原に巣食う病が……いえ、何といったらいいのかしらねぇ」
そこまで言うなら、全部言ってしまってもいいと思うのですが。
……それはさておき。
「いっそ正面対決しちゃった方がいいんですよね」
「ま~ほ~かぁぁぁぁ!!」
あ、千夏が怒った。
「麻帆佳ちゃん、気持ちは分かるわ。でもね、勝機がないのに対決しても駄目よ」
「恵美香ママさん、その止め方駄目です! ってか、思考回路が麻帆佳と恵美香ママさんそっくし!! ってか、恵美香ママさんの方が、黒い!」
恵美香さんと思考回路がそっくりと、花音にお墨付きいただきました。ありがとうございます!
「褒めてねぇ!」
褒め言葉ですよ。
「勝ち目はあるのよ。ただねぇ、どうせなら再起不能にしたいじゃない。しかも、麻帆佳ちゃんと『出来損ない』の龍雅君の手で」
そう言いながら、ネットを開いて何やら操作を。
「えっとですね、恵美香さん」
「名前呼びもいいけど、どうせだったら『ママ』って呼んで欲しいわぁ。そのハードルが高いなら『マミー』でも『お母さん』でもいいわ」
いや、どれも一緒ですよね? うーーん。
「……恵美香、お母さん」
うぅぅぅぅ……恥ずかしいです。十年近くご無沙汰な言葉です。
「何かしら、麻帆佳ちゃん」
「何をしているのかな、と」
「明日家で持っている厳原グループの株式売却。それから、龍雅君が『正式に厳原グループを退社した』という事実の書き込み。理由は、厳原の老害との折り合いが悪くて」
「……それをすると何か、あるんですか?」
「あるわよぉ? 厳原の老害と折り合いが悪かったのは事実だし、辞めるほど悪化したって分かれば、龍雅君が厳原に戻るという確率はかなり減るの。海外事業の殆どは龍雅君が自力で開拓、もしくは親密にしたから、龍雅君が窓口にならないと駄目って企業がそれなりにあるのよ。逆を言えば、龍雅君がいたからある程度の我侭を聞いていたってこと。そんな大事な折衝役がいなくなったら、どうなると思う?」
「……他の窓口を探す?」
「大半がそうね。因みに、厳原グループ全体で、海外事業は約三割。それがどうなるか、楽しみだわ」
一部、旦那様が窓口じゃないと嫌だとごねている企業が国内外問わずあるらしいんですけどね。
それはさておき。
あの老爺がどうなるかは私も楽しみです。怒りで血管切れなきゃいいですけどねぇ。
そんなことを呟いたら、恵美香さんはいい笑顔をしてくださいました。
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