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第一章 銀髪の少女
第二十四話 過去の憧れ
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ノーラさんと別れた後。街の状況や怪我人などの確認を済ませ、私は城へと戻っていた。地下に避難している住人たちの方はダネアに任せてある。今頃は危機が去った事を伝えてくれているはずだ。
「なるほど、外ではそんな事が……」
報告を聞き、お母様は悶々とした表情を浮かべる。
先程までの出来事を一から話すと長くなるため、要点だけを纏めてなるべく手短に説明を続けた。しかし、それでも多くの出来事が同時に起こっていた事には変わりはない。流石のお母様でも、終始困惑した表情を浮かべたまま頭を悩ませていた。
「つまり……今回起きた騒動の主犯である魔族は現在、召喚者と共に行動をしている、という事になりますが。本当に危険は無いのですか?」
「はい、心配は無いと思います。召喚者さまの様子を見る限り、魔族に意識を奪われている様子もなく、魔族の方からも敵意は感じられませんでした」
絶対に安全だという確信は無い。それに魔族とは本来、誰かに付き従う事はしない。同族ならまだしも、私たち人間の下に就く事など有り得ないのだ。
そもそも、人間と魔族とでは力の差が大きく離れているため、自分たちよりも弱い存在である人間が相手となれば尚更だろう。そんな魔族が一人の少女……ノーラさんに従え、さらには主様と呼んでいた。常にプライドが高いといわれている魔族が、冗談程度で私たち人間に対して主と呼ぶ事など無いだろう。
あの戦いの場で、二人に何があったのか分からないが、二人とも嘘を言っている様には思えなかった。
それに何度かノーラさんが武器に手を掛けた時、表情には出さなくとも魔族は少し怯えた様子を見せていた。もっとも、ノーラさんの言葉に納得してしまった以上、この事実をお母様に信じてもらうしかないが。
「……そうですか。疑問点は幾つかありますが、私がその場に居合わせた訳でもありません。あなたがそう言うのであれば、私はそれを信じましょう」
「ほっ……。ありがとうございます、お母様」
渋々といった様子ではあるものの、何とか納得して貰えたようだ。私はそっと胸を撫で下ろしながら安堵する。
「ともかく、あなたが無事に戻って来てくれて本当に良かった。……あなたが外へ向かったと聞いてから、今まで生きた心地がしなかったのだから」
「……ご、ごめんなさい。街を守るという一心で、思わず身体が動いてしまって……」
私が広間に入って来た途端、お母様は目尻に涙を浮かべながら私の元へ駆け寄り、優しく抱きしめてくれた。よほど不安にさせてしまっていたのだろう、つい先程まで離してくれなかったのだから。
「無茶だけは、絶対にしてはいけませんよ。授かった命は一つしかないのですから」
また、お母様に迷惑を掛けてしまった。それも以前のように、ただ帰りが遅くなった時とは訳が違う。きっと私が命を落としてしまう可能性も考えていたのだろう。私自身、死を覚悟したうえで戦いに挑んでいたのだから無理もない。反省と罪悪感により、頷く事しか出来ずにいる私に、お母様は優しく頭を撫でてくれる。
「……本当に、あの人によく似ているんだから」
「あの人……。お父様の事、ですか?」
「えぇ。自分よりも周りの事を一番に気にかけて、ちょっぴりやんちゃな所もあったけれど。意思が強く、諦めないところが、まんまあの人にそっくり」
お母様は笑顔を浮かべながらにそう呟いた。言われてみれば、確かに私の性格は少し、お父様に似ているかもしれない。……とはいえ、やはりお父様に比べれば何もかも程遠い。
「いえ、私なんてまだまだ。お父様の方が剣の腕も優れていて、ずっと逞しかったですから」
「……そうね。あの人は強く、とても逞しい人だった。ですがセレシア、あなたはそんなお父様と、私の娘なのですから。自信を持って良いんですよ」
「お母様……」
何時も、お母様と居る時は気持ちが落ち着く。心が安らぐような、心地の好い安心感。……けれど、これと似たような感覚を、外で居る時にも感じていたように思う。多くの兵士たちといたから? それとも、街の危機が去ったから? ううん、どれも違う。一番この気持ちに近いのは……。
───ノーラさんが来てくれた時だ。
たった一人の友達が助けに来てくれた事が、私に大きな安心感を与えてくれたのだ。その時はノーラさんが召喚者だとは知らず、犠牲が増えてしまうという考えもあったが。それ以上に、私は彼女の勇士に救われた。
「……今の私では、まだまだ役不足に思うかもしれません。ですが、何時か必ずお父様のように、多くの人から頼られる存在になれるように精進します!」
お父様のように逞しく。そして、ノーラさんのように強く。同じようにはなれなくても、そのくらい私も努力しなければ。
「ふふっ、楽しみにしていますからね、セレシア」
私とお母様は、お互いに笑顔を浮かべ合った。
◆
翌日の早朝。
窓から差し込む光を浴び、俺は目を覚ました。
「……ふぁ、もう朝か」
小さなあくびを零しつつ目を擦る。昨晩はテレサを叱るなり、レナを説得するなりで忙しいものだった。寝ようとすればテレサが部屋まで着いて来るものだから何度も追い返し続け、結局俺が眠り始めたのは明け方くらいだった。当然、テレサに話を聞く機会も逃してしまったが。
「ぁ~……、寝た気がしない……」
凡そ二時間ほどしか眠れてない訳だし、無理もない。
俺は身体を伸ばしつつ布団の中で腕を広げた。すると、むにゅりと左手から柔らかな感触が伝わってくる。
「……ん? なんだこれ」
むにゅ、ふにゅ、と幾度か触れてみる。柔らかなそれに指が沈み、その度にポヨンと跳ねる弾力の良さ。確か……これに近い感触のものを以前に何度か触った事があるような。これほど大きなものではなかったが、この感触、触り心地は確か……。
まるで、俺の胸みたいな……。
「……まさかっ」
俺は勢いよく掛け布団をひっぺがす。すると案の定、テレサが俺の隣で横になっていた。
「んもぅ……主様の、エ ・ ッ ・ チ」
「お前ぇぇぇ! 部屋に入るなとあれほど……!」
咄嗟に飛び起きて後ろに手を付いた。すると今度は、右手に柔らかい感触が伝わってくる。
大きさはテレサの胸とさほど変わらない。けれど、その柔らかさとは違ってハリがある感じが……。
俺は恐る恐る、右手が触れているものに視線を向ける。その正体は、テレサとは反対側で眠っているレナの、可愛らしくも小ぶりなお尻だった。
「あっ……のーらさまぁ、それ以上は……んっ、だめ、れすよぉ…………っ」
「うぁぁぁあ! ご、ごめんレナっ! わざとじゃ……って、あれ……?」
俺はレナの方へと視線を向けた。見たところ、どうやら寝言のようだった。
「んぅ、あ……そんな、だめぇぇ……っ」
( レナよ。年頃なのはわかるが……その、一体どんな夢見てるんだ? 純粋に夢の内容が気になるというか、ちょっと不安になってくるんだが…… )
「ちょっと主様! 私の時とは随分と対応が違うじゃないのよ……っ!」
「あー、ごめんごめん。柔らかかったよ、うん」
「ひどぉい!? もっと優しくしてくれても良いじゃないのよぉ~!」
ぷくっと頬を膨らましつつ、テレサは俺に訴えかける。何というか、最初に会った時と比べてかなりイメージが変わりつつあるように思う。可愛くなったとは思わない、意地でも思わない。
そんなこんなで、俺は騒がしい朝を迎えるのだった。何時もの静かなモーニングルーティンは一体どこへ……。
「なるほど、外ではそんな事が……」
報告を聞き、お母様は悶々とした表情を浮かべる。
先程までの出来事を一から話すと長くなるため、要点だけを纏めてなるべく手短に説明を続けた。しかし、それでも多くの出来事が同時に起こっていた事には変わりはない。流石のお母様でも、終始困惑した表情を浮かべたまま頭を悩ませていた。
「つまり……今回起きた騒動の主犯である魔族は現在、召喚者と共に行動をしている、という事になりますが。本当に危険は無いのですか?」
「はい、心配は無いと思います。召喚者さまの様子を見る限り、魔族に意識を奪われている様子もなく、魔族の方からも敵意は感じられませんでした」
絶対に安全だという確信は無い。それに魔族とは本来、誰かに付き従う事はしない。同族ならまだしも、私たち人間の下に就く事など有り得ないのだ。
そもそも、人間と魔族とでは力の差が大きく離れているため、自分たちよりも弱い存在である人間が相手となれば尚更だろう。そんな魔族が一人の少女……ノーラさんに従え、さらには主様と呼んでいた。常にプライドが高いといわれている魔族が、冗談程度で私たち人間に対して主と呼ぶ事など無いだろう。
あの戦いの場で、二人に何があったのか分からないが、二人とも嘘を言っている様には思えなかった。
それに何度かノーラさんが武器に手を掛けた時、表情には出さなくとも魔族は少し怯えた様子を見せていた。もっとも、ノーラさんの言葉に納得してしまった以上、この事実をお母様に信じてもらうしかないが。
「……そうですか。疑問点は幾つかありますが、私がその場に居合わせた訳でもありません。あなたがそう言うのであれば、私はそれを信じましょう」
「ほっ……。ありがとうございます、お母様」
渋々といった様子ではあるものの、何とか納得して貰えたようだ。私はそっと胸を撫で下ろしながら安堵する。
「ともかく、あなたが無事に戻って来てくれて本当に良かった。……あなたが外へ向かったと聞いてから、今まで生きた心地がしなかったのだから」
「……ご、ごめんなさい。街を守るという一心で、思わず身体が動いてしまって……」
私が広間に入って来た途端、お母様は目尻に涙を浮かべながら私の元へ駆け寄り、優しく抱きしめてくれた。よほど不安にさせてしまっていたのだろう、つい先程まで離してくれなかったのだから。
「無茶だけは、絶対にしてはいけませんよ。授かった命は一つしかないのですから」
また、お母様に迷惑を掛けてしまった。それも以前のように、ただ帰りが遅くなった時とは訳が違う。きっと私が命を落としてしまう可能性も考えていたのだろう。私自身、死を覚悟したうえで戦いに挑んでいたのだから無理もない。反省と罪悪感により、頷く事しか出来ずにいる私に、お母様は優しく頭を撫でてくれる。
「……本当に、あの人によく似ているんだから」
「あの人……。お父様の事、ですか?」
「えぇ。自分よりも周りの事を一番に気にかけて、ちょっぴりやんちゃな所もあったけれど。意思が強く、諦めないところが、まんまあの人にそっくり」
お母様は笑顔を浮かべながらにそう呟いた。言われてみれば、確かに私の性格は少し、お父様に似ているかもしれない。……とはいえ、やはりお父様に比べれば何もかも程遠い。
「いえ、私なんてまだまだ。お父様の方が剣の腕も優れていて、ずっと逞しかったですから」
「……そうね。あの人は強く、とても逞しい人だった。ですがセレシア、あなたはそんなお父様と、私の娘なのですから。自信を持って良いんですよ」
「お母様……」
何時も、お母様と居る時は気持ちが落ち着く。心が安らぐような、心地の好い安心感。……けれど、これと似たような感覚を、外で居る時にも感じていたように思う。多くの兵士たちといたから? それとも、街の危機が去ったから? ううん、どれも違う。一番この気持ちに近いのは……。
───ノーラさんが来てくれた時だ。
たった一人の友達が助けに来てくれた事が、私に大きな安心感を与えてくれたのだ。その時はノーラさんが召喚者だとは知らず、犠牲が増えてしまうという考えもあったが。それ以上に、私は彼女の勇士に救われた。
「……今の私では、まだまだ役不足に思うかもしれません。ですが、何時か必ずお父様のように、多くの人から頼られる存在になれるように精進します!」
お父様のように逞しく。そして、ノーラさんのように強く。同じようにはなれなくても、そのくらい私も努力しなければ。
「ふふっ、楽しみにしていますからね、セレシア」
私とお母様は、お互いに笑顔を浮かべ合った。
◆
翌日の早朝。
窓から差し込む光を浴び、俺は目を覚ました。
「……ふぁ、もう朝か」
小さなあくびを零しつつ目を擦る。昨晩はテレサを叱るなり、レナを説得するなりで忙しいものだった。寝ようとすればテレサが部屋まで着いて来るものだから何度も追い返し続け、結局俺が眠り始めたのは明け方くらいだった。当然、テレサに話を聞く機会も逃してしまったが。
「ぁ~……、寝た気がしない……」
凡そ二時間ほどしか眠れてない訳だし、無理もない。
俺は身体を伸ばしつつ布団の中で腕を広げた。すると、むにゅりと左手から柔らかな感触が伝わってくる。
「……ん? なんだこれ」
むにゅ、ふにゅ、と幾度か触れてみる。柔らかなそれに指が沈み、その度にポヨンと跳ねる弾力の良さ。確か……これに近い感触のものを以前に何度か触った事があるような。これほど大きなものではなかったが、この感触、触り心地は確か……。
まるで、俺の胸みたいな……。
「……まさかっ」
俺は勢いよく掛け布団をひっぺがす。すると案の定、テレサが俺の隣で横になっていた。
「んもぅ……主様の、エ ・ ッ ・ チ」
「お前ぇぇぇ! 部屋に入るなとあれほど……!」
咄嗟に飛び起きて後ろに手を付いた。すると今度は、右手に柔らかい感触が伝わってくる。
大きさはテレサの胸とさほど変わらない。けれど、その柔らかさとは違ってハリがある感じが……。
俺は恐る恐る、右手が触れているものに視線を向ける。その正体は、テレサとは反対側で眠っているレナの、可愛らしくも小ぶりなお尻だった。
「あっ……のーらさまぁ、それ以上は……んっ、だめ、れすよぉ…………っ」
「うぁぁぁあ! ご、ごめんレナっ! わざとじゃ……って、あれ……?」
俺はレナの方へと視線を向けた。見たところ、どうやら寝言のようだった。
「んぅ、あ……そんな、だめぇぇ……っ」
( レナよ。年頃なのはわかるが……その、一体どんな夢見てるんだ? 純粋に夢の内容が気になるというか、ちょっと不安になってくるんだが…… )
「ちょっと主様! 私の時とは随分と対応が違うじゃないのよ……っ!」
「あー、ごめんごめん。柔らかかったよ、うん」
「ひどぉい!? もっと優しくしてくれても良いじゃないのよぉ~!」
ぷくっと頬を膨らましつつ、テレサは俺に訴えかける。何というか、最初に会った時と比べてかなりイメージが変わりつつあるように思う。可愛くなったとは思わない、意地でも思わない。
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