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第一章 ラウス湖ビジネス編
第九話 ドン・モンテカルロ
しおりを挟むその巨大な手に俺の肩は喰われた。
鷲に掴まれた獲物のような気持ち。
横に座るミリも固まって動かない。
「坊主、まさかラウスガエルをあそこまで活用する奴がいるとは思わなかったぞ。でも調子に乗りすぎるといけねぇ。程々にな。ビジネスってやつは勝っている時程負けやすいからな」
洗脳されたような感じだった。
気がつくと、ドン・モンテカルロの姿はなかった。
「まさかスズキがあんな人と知り合いなんて思わなかったな、ミリちゃん」
「いや、知り合いじゃないし。今初めて会った」
「じゃあ、なんでラウスガエルのこと知ってるのさ?」
「あいつがその界隈の重鎮だからさ。それもかなりのやり手」
「確かに金塊ドカーンって置けるのって社長クラスだもんね」
この不思議な出来事のおかげで、店で食べたものはほぼ翌日も覚えていなかった。
ドン・モンテカルロとはまたすぐに会う気がしてならなかった。
次の日も大繁盛。
次第にお土産も売れ始め、雑誌にも載ったようだ。
売れたら売れたで問題も起こる。
ラウスガエルの卵が不足している。
取りに行くのも徐々に近くの水草地帯にはなく、遠くまで歩いて行かなければならなくなってしまう始末だ。
いよいよ業者を通して仕入れる必要がある。
しかしラウスガエルの卵を専門にした人はいない。
そうなると自分でやるしかない。
養殖。
ラウスガエルの養殖はまだ誰も手を出していないジャンルではないか?
調べると思った通り未だなし。
そのかわり費用はそれなりに掛かる。
このカエルに俺の人生賭けてもいいのか?
いや迷っている暇はない。
ビジネスは時間勝負なのだ。
養殖専用の施設を始動させられる状態になるまでの費用は200万ゼニー。
これが最小に抑えた額。
これで利益と建設費用でプラマイゼロ。
ラウスガエルがここまで湖にいることから、繁殖力はあるようだ。
飼育といっても餌さえやれば自然と増えるだろう。
あとは温度管理、水質管理、等。
考えると少し面倒だが‥従業員を雇えばなんてことはない。
数週間後にすぐに養殖場はできた。
分かったことは水温を暖かくすると、繁殖能力が上がるらしい。
水質はなるべくラウス湖のものに近づけた。
メニューにはカエル自体を用いたものもあるため、すべてを利用することができる。
餌は専用の餌(高タンパクミミズ)を使っている。
そのため褐色のいい太ったカエルが生まれる。
この特別に飼育・養殖したカエルは
「ラウスズキガエル」
と名付けることになった。
ついでに考えたのはミリ。
いよいよ店は主流に乗りつつあったが‥
『現在0ゼニー』
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