隠密少女は気づかれたいっ!

ぽん

文字の大きさ
20 / 72

20話 ことりさん

しおりを挟む
 返事がなかなか帰ってこなかったので、その間に夜ご飯を作って食べた。
 今日の夜ご飯は手作りシチューだ。
 小麦粉とバターを炒めてホワイトソースを作って、あとは牛乳とか野菜とかお肉とかをなんやかんやしたら完成!
 隠密のせいで買い物に行けないけど、野菜とかは全部ネットで買えるから問題ない。
 置き配に設定したら人に会わなくてもいいから助かるよ。

 明日の準備も済ませたからあとは寝るだけだ。
 でもその前にDMが届いてないかだけ見ておこう。

 DMを確認してみると10件以上届いていた。
 1つ以外は迷惑DMだったので、ブロックしておこう。

 「ブロックし終わったから早速本命のDMを読もう!」

 本命って変な言い方な気がするけど気にしないでね!

『え、ほんとにパーティを組んでくれるんですか? いや、嘘じゃないことは分かっているのですが……あの、はい、えっと……あ、ありがとうございます! あと、これが私です……やっぱり男の人じゃないって証明するには自撮りを送るのが1番だと思いまして……』

 DMを送るだけでここまで焦ってる人、私初めてみた。

「写真ってこれかな? 2つあるけどどっちだろう」

 送られてきた写真を見ると水色の髪をした少女が写っていた。
 比べるものがないから正確にはわからないけど、そこまで背は高くなさそう。
 身長の割には胸が大きい気がする。
 私に喧嘩を売っているのかな?

 もう1つの写真を見てみるとすごいブレブレだった。
 間違えて失敗した方も送ってしまったのかもしれない。
 そんなことを考えていたら

『ま、間違えて失敗した方も送ってしまいました!! ごめんなさい~!!』

 って送られてきた。

『落ち着いてください』

 と返信すると

『はい……ごめんなさい……』

 と返ってきた。


 この後、DMよりLEINの方が便利だということに気づいたからLEINを交換した。
 LEINの交換をした後、自己紹介とかをした。
 やっぱパーティを組むならお互いのことをよく知っておいた方がいいよね!
 もちろん私の自撮りも送ったよ。

 彼女の名前は宮倉 小鳥みやくら ことりでユーザーネームもことりにしているそうだ。
 歳は最初に言ってたのと同じ17歳で、高校にはわけがあって通っていないらしい。

 スキルについて話したらパーティを組むのをやめるって言われるかもしれないと思ったけど、小鳥さんを信じて説明した。
 私の説明を聞いた小鳥さんは

『すごいスキルなのにそれは悲しいですね……代われるなら代わってあげたいです……』

 と言っていた。
 パーティを組むのがこの人でほんと良かったよ。

 ずっと気になっていた小鳥さんのスキルも教えてもらった。
 小鳥さんのスキルは固有スキルで「正直」という名前のスキルだそうだ。
 効果は相手が嘘をついているか分かるという効果で、直接話さなくても電話越しや文字での会話でも発動するらしい。
 だから私が身長を盛ったことがバレたんだね。

 このスキルはハズレスキルではないけど、大きな欠点がある。
 その欠点はダンジョンを探索する時、全く役に立たないってことだ。
 だから、これまで何回もパーティメンバーを募集したらしいけど、誰も組んでくれなかったそうだ。
 私は組んでくれたら誰でもよかったから、どんなスキルでも関係なけいけどね!
 小鳥さんみたいな優しい人なら尚更だ!

 それから色々話した結果、一緒にダンジョンに行くのは1週間後に決まった。

『なら1週間後、ゴブリンダンジョンで会いましょう!おやすみなさい!』

『はい!琴音さんもおやすみなさい』

 おやすみなさいって言ったけど、1週間後が楽しみすぎてなかなか眠れなかった。

「たのしみ~♪」

 ★

 翌日。
 私は昨日予定していた通りゴブリンダンジョンの探索をしていた。
 今は9階層だから次でボスだ。

 進んでいくと階段があり、そこにハイゴブリンとゴブリンシャーマンがいる。
 その後ろにはゴブリンスライムもいた。
 ゴブリンスライムを見つけたのは今回が初だ。

 レベルが上がった今の私なら3体同時でも余裕で勝てる。
 まずは邪魔なスライムを蹴って倒す。
 スライムを倒してすぐに2体の首を短剣で切って倒す。
 首を狙えばハイゴブリンも2、3回の攻撃で倒せるのだ。

 魔石を全て拾った私はボスの部屋に降りていき、ボスも同じように倒した。

『レベルが上がりました』

 ボスを倒すとレベルが17に上がった。

「そろそろもう少し上のダンジョンに行ってもいいかもしれないね!」

 そんなことを言いながら報酬部屋に向かう。

『ダンジョンクリア 報酬:魔石(大)』

『ダンジョンクエストのクリアを確認』

『ノーマルモンスター全種討伐 クリア報酬:【力の指輪】』

『1分後、ダンジョン入口に転移します』

「【力の指輪】ってなんだろう? ダンジョンを出てから確認してみよー!」

 報酬を全てリュックに入れた後、部屋は光に包まれた。
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ダンジョンをある日見つけた結果→世界最強になってしまった

仮実谷 望
ファンタジー
いつも遊び場にしていた山である日ダンジョンを見つけた。とりあえず入ってみるがそこは未知の場所で……モンスターや宝箱などお宝やワクワクが溢れている場所だった。 そんなところで過ごしているといつの間にかステータスが伸びて伸びていつの間にか世界最強になっていた!?

異世界から日本に帰ってきたら魔法学院に入学 パーティーメンバーが順調に強くなっていくのは嬉しいんだが、妹の暴走だけがどうにも止まらない!

枕崎 削節
ファンタジー
〔小説家になろうローファンタジーランキング日間ベストテン入り作品〕 タイトルを変更しました。旧タイトル【異世界から帰ったらなぜか魔法学院に入学。この際遠慮なく能力を発揮したろ】 3年間の異世界生活を経て日本に戻ってきた楢崎聡史と桜の兄妹。二人は生活の一部分に組み込まれてしまった冒険が忘れられなくてここ数年日本にも発生したダンジョンアタックを目論むが、年齢制限に壁に撥ね返されて入場を断られてしまう。ガックリと項垂れる二人に救いの手を差し伸べたのは魔法学院の学院長と名乗る人物。喜び勇んで入学したはいいものの、この学院長はとにかく無茶振りが過ぎる。異世界でも経験したことがないとんでもないミッションに次々と駆り出される兄妹。さらに二人を取り巻く周囲にも奇妙な縁で繋がった生徒がどんどん現れては学院での日常と冒険という非日常が繰り返されていく。大勢の学院生との交流の中ではぐくまれていく人間模様とバトルアクションをどうぞお楽しみください!

最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~

ある中管理職
ファンタジー
 勤続10年目10度目のレベルアップ。  人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。  すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。  なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。  チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。  探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。  万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。

現実世界にダンジョンが出現したのでフライングして最強に!

おとうふ
ファンタジー
2026年、突如として世界中にダンジョンが出現した。 ダンジョン内は無尽蔵にモンスターが湧き出し、それを倒すことでレベルが上がり、ステータスが上昇するという不思議空間だった。 過去の些細な事件のトラウマを克服できないまま、不登校の引きこもりになっていた中学2年生の橘冬夜は、好奇心から自宅近くに出現したダンジョンに真っ先に足を踏み入れた。 ダンジョンとは何なのか。なぜ出現したのか。その先に何があるのか。 世界が大混乱に陥る中、何もわからないままに、冬夜はこっそりとダンジョン探索にのめり込んでいく。 やがて来る厄災の日、そんな冬夜の好奇心が多くの人の命を救うことになるのだが、それはまだ誰も知らぬことだった。 至らぬところも多いと思いますが、よろしくお願いします!

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない

宍戸亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。 不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。 そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。 帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。 そして邂逅する謎の組織。 萌の物語が始まる。

大和型戦艦、異世界に転移する。

焼飯学生
ファンタジー
第二次世界大戦が起きなかった世界。大日本帝国は仮想敵国を定め、軍事力を中心に強化を行っていた。ある日、大日本帝国海軍は、大和型戦艦四隻による大規模な演習と言う名目で、太平洋沖合にて、演習を行うことに決定。大和、武蔵、信濃、紀伊の四隻は、横須賀海軍基地で補給したのち出港。しかし、移動の途中で濃霧が発生し、レーダーやソナーが使えなくなり、更に信濃と紀伊とは通信が途絶してしまう。孤立した大和と武蔵は濃霧を突き進み、太平洋にはないはずの、未知の島に辿り着いた。 ※ この作品は私が書きたいと思い、書き進めている作品です。文章がおかしかったり、不明瞭な点、あるいは不快な思いをさせてしまう可能性がございます。できる限りそのような事態が起こらないよう気をつけていますが、何卒ご了承賜りますよう、お願い申し上げます。

処理中です...