37 / 72
37話 デバフ
しおりを挟む
さらに2日が経って私の体調は万全になった。
これでやっとダンジョン攻略を再会できるよ。
というわけで早速リビングでくつろいでいることりさんを誘う。
「ことりさーん、お昼ぐらいから一緒にスライムダンジョンいこーよー」
「それは嬉しいんですが、体調はもう大丈夫なんですか?」
「うん! 大丈夫だよ!」
「それならよかったです! では私はダンジョンに行く準備をしてきますね!」
そう言ってことりさんは私の部屋に行った。
今思ったけど2人ともいつまで私の家にいるんだろう。
私は別にいいんだけど、2人とも家に帰らなくても大丈夫なのかな?
私が気にすることでもないとは思うけどね。
ことりさんと入れ替わってくるように涼っちがリビングに来た。
ちょうどいいタイミングだよ。
「ねー涼っち。お昼から私たちダンジョン行くんだけど、その間どうする? 家で待ってる? それとも帰る?」
「家で待ってる!」
即答だった。
帰る気あるのかなこの人……
「分かったよ。妹の分の鍵が玄関にあるから、もし出かけるんだったら閉めて出かけてね」
「りょーかい! 無理しないようにねー!」
「はーい」
私もとりあえず準備しておこう。
スライムダンジョンだから必要なものは特にない。
【スライムの短剣】を【アイテムポーチ】に入れて持っていくだけ……って今【アイテムポーチ】使えないんだった。
なら代わりに最初の方に使っていたリュックにでも入れていこう。
ポーション系はどうせ使うことないから持っていかなくていいかな。
使うことになっても今はあんまり飲みたくないけどね……
「他に持っていくものは…………そういえばあれどこ置いたっけ……」
私は部屋の中を見回す。
「あったあった! 【猛劇薬】……じゃくて【猛撃薬】だ。いや劇薬でもあってるような……」
私は小さな瓶の中に入っている真っ赤な飴玉みたいなものを見てそう言う。
ゴブリンキングを倒した報酬で貰えたアイテム。
食べたらHP1が1になる代わりに1分間だけ攻撃力が10倍になるとかいうとんでも効果だった。
こんなの撃薬じゃなくて劇薬だよ!
でもゴブリンキングみたいな食らったら即死みたいなモンスターには結構使えそう。
逆にサラマンダーみたいな熱気だけでHPが減ってしまうようなモンスターとは相性最悪だけどね。
使う場面なんてないと思うけど、一応リュックに入れておこう。
できたらそんな場面二度と来ないことを願いたい……
★
涼っちが作ってくれたお昼ご飯のオムライスを食べた後、私たちはスライムダンジョンに向かった。
涼っち今のところ卵料理しか作ってないけど他の料理も作れるのかな。
そんな感じのことをことりさんと話しながら向かっていたらいつの間にかスライムダンジョンに着いていた。
「いつもより人が少ないですね。どうしてなんでしょうか……?」
「近くのダンジョンで地震があったからとかじゃないの? 理由を知っている私たちは怖くもなんともないけどね。そんなことより早く行くよー」
「は、はいっ!」
★
私たちはスライムダンジョンをどんどん進んで、あっという間にボス部屋の前に到着した。
特に強いモンスターが出るわけでもなければ、隠し部屋があるわけでもないからね。
それに経験値がおいしいわけでもないから全員無視してきたし。
「ついにボスですね! 気を引き締めていきましょう!」
「やる気があるのはいいけどただのスライムだよ?」
「ダンジョンでは何が起きるか分かりませんから最後まで気を緩めない方がいいですよ!」
ゴブリンキングみたいなのもいるし、そうなのかもしれない。
でもスライムダンジョンにそんな裏ボス的なのはさすがにいないと思う。
ボス部屋の扉をことりさんは勢いよく開けて一緒に中に入っていく。
部屋の真ん中にはいつも通り普通のスライムがいる。
「ここは私に任せてください!」
そう言ってことりさんはゴブリンキングからドロップしたと思われる【キングアックス】でスライムを叩く。
叩かれたスライムは粉々に、それどころかスライムがいたダンジョンの床まで亀裂が入っている。
これはことりさんに逆らったら殺されるやつだよ……
「ことりさんおつかれ……サイズを変えられるっていってもよくそんな大きさの斧を片手で持てるね……」
「そういえば言ってませんでしたね。私は呪いのせいで生まれた時から身体強化のスキルを持っているんです。ステータスを手に入れる前からあったのでステータス画面には書かれていませんけどね」
だから前、私が身体強化のスキルをおすすめした時に「ちょっと……」って言っていたんだね。
ていうか呪いでバフ効果ってそれは呪いではない気が……
「なんか呪いのデバフとかってのはあったりするの?」
「ちゃんとありますよ! 私の呪いのデバフは20歳までしか生きられないっていうやつです!」
ことりさんは笑顔でそう言った。
これでやっとダンジョン攻略を再会できるよ。
というわけで早速リビングでくつろいでいることりさんを誘う。
「ことりさーん、お昼ぐらいから一緒にスライムダンジョンいこーよー」
「それは嬉しいんですが、体調はもう大丈夫なんですか?」
「うん! 大丈夫だよ!」
「それならよかったです! では私はダンジョンに行く準備をしてきますね!」
そう言ってことりさんは私の部屋に行った。
今思ったけど2人ともいつまで私の家にいるんだろう。
私は別にいいんだけど、2人とも家に帰らなくても大丈夫なのかな?
私が気にすることでもないとは思うけどね。
ことりさんと入れ替わってくるように涼っちがリビングに来た。
ちょうどいいタイミングだよ。
「ねー涼っち。お昼から私たちダンジョン行くんだけど、その間どうする? 家で待ってる? それとも帰る?」
「家で待ってる!」
即答だった。
帰る気あるのかなこの人……
「分かったよ。妹の分の鍵が玄関にあるから、もし出かけるんだったら閉めて出かけてね」
「りょーかい! 無理しないようにねー!」
「はーい」
私もとりあえず準備しておこう。
スライムダンジョンだから必要なものは特にない。
【スライムの短剣】を【アイテムポーチ】に入れて持っていくだけ……って今【アイテムポーチ】使えないんだった。
なら代わりに最初の方に使っていたリュックにでも入れていこう。
ポーション系はどうせ使うことないから持っていかなくていいかな。
使うことになっても今はあんまり飲みたくないけどね……
「他に持っていくものは…………そういえばあれどこ置いたっけ……」
私は部屋の中を見回す。
「あったあった! 【猛劇薬】……じゃくて【猛撃薬】だ。いや劇薬でもあってるような……」
私は小さな瓶の中に入っている真っ赤な飴玉みたいなものを見てそう言う。
ゴブリンキングを倒した報酬で貰えたアイテム。
食べたらHP1が1になる代わりに1分間だけ攻撃力が10倍になるとかいうとんでも効果だった。
こんなの撃薬じゃなくて劇薬だよ!
でもゴブリンキングみたいな食らったら即死みたいなモンスターには結構使えそう。
逆にサラマンダーみたいな熱気だけでHPが減ってしまうようなモンスターとは相性最悪だけどね。
使う場面なんてないと思うけど、一応リュックに入れておこう。
できたらそんな場面二度と来ないことを願いたい……
★
涼っちが作ってくれたお昼ご飯のオムライスを食べた後、私たちはスライムダンジョンに向かった。
涼っち今のところ卵料理しか作ってないけど他の料理も作れるのかな。
そんな感じのことをことりさんと話しながら向かっていたらいつの間にかスライムダンジョンに着いていた。
「いつもより人が少ないですね。どうしてなんでしょうか……?」
「近くのダンジョンで地震があったからとかじゃないの? 理由を知っている私たちは怖くもなんともないけどね。そんなことより早く行くよー」
「は、はいっ!」
★
私たちはスライムダンジョンをどんどん進んで、あっという間にボス部屋の前に到着した。
特に強いモンスターが出るわけでもなければ、隠し部屋があるわけでもないからね。
それに経験値がおいしいわけでもないから全員無視してきたし。
「ついにボスですね! 気を引き締めていきましょう!」
「やる気があるのはいいけどただのスライムだよ?」
「ダンジョンでは何が起きるか分かりませんから最後まで気を緩めない方がいいですよ!」
ゴブリンキングみたいなのもいるし、そうなのかもしれない。
でもスライムダンジョンにそんな裏ボス的なのはさすがにいないと思う。
ボス部屋の扉をことりさんは勢いよく開けて一緒に中に入っていく。
部屋の真ん中にはいつも通り普通のスライムがいる。
「ここは私に任せてください!」
そう言ってことりさんはゴブリンキングからドロップしたと思われる【キングアックス】でスライムを叩く。
叩かれたスライムは粉々に、それどころかスライムがいたダンジョンの床まで亀裂が入っている。
これはことりさんに逆らったら殺されるやつだよ……
「ことりさんおつかれ……サイズを変えられるっていってもよくそんな大きさの斧を片手で持てるね……」
「そういえば言ってませんでしたね。私は呪いのせいで生まれた時から身体強化のスキルを持っているんです。ステータスを手に入れる前からあったのでステータス画面には書かれていませんけどね」
だから前、私が身体強化のスキルをおすすめした時に「ちょっと……」って言っていたんだね。
ていうか呪いでバフ効果ってそれは呪いではない気が……
「なんか呪いのデバフとかってのはあったりするの?」
「ちゃんとありますよ! 私の呪いのデバフは20歳までしか生きられないっていうやつです!」
ことりさんは笑顔でそう言った。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
異世界から日本に帰ってきたら魔法学院に入学 パーティーメンバーが順調に強くなっていくのは嬉しいんだが、妹の暴走だけがどうにも止まらない!
枕崎 削節
ファンタジー
〔小説家になろうローファンタジーランキング日間ベストテン入り作品〕
タイトルを変更しました。旧タイトル【異世界から帰ったらなぜか魔法学院に入学。この際遠慮なく能力を発揮したろ】
3年間の異世界生活を経て日本に戻ってきた楢崎聡史と桜の兄妹。二人は生活の一部分に組み込まれてしまった冒険が忘れられなくてここ数年日本にも発生したダンジョンアタックを目論むが、年齢制限に壁に撥ね返されて入場を断られてしまう。ガックリと項垂れる二人に救いの手を差し伸べたのは魔法学院の学院長と名乗る人物。喜び勇んで入学したはいいものの、この学院長はとにかく無茶振りが過ぎる。異世界でも経験したことがないとんでもないミッションに次々と駆り出される兄妹。さらに二人を取り巻く周囲にも奇妙な縁で繋がった生徒がどんどん現れては学院での日常と冒険という非日常が繰り返されていく。大勢の学院生との交流の中ではぐくまれていく人間模様とバトルアクションをどうぞお楽しみください!
ダンジョンをある日見つけた結果→世界最強になってしまった
仮実谷 望
ファンタジー
いつも遊び場にしていた山である日ダンジョンを見つけた。とりあえず入ってみるがそこは未知の場所で……モンスターや宝箱などお宝やワクワクが溢れている場所だった。
そんなところで過ごしているといつの間にかステータスが伸びて伸びていつの間にか世界最強になっていた!?
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
【もうダメだ!】貧乏大学生、絶望から一気に成り上がる〜もし、無属性でFランクの俺が異文明の魔道兵器を担いでダンジョンに潜ったら〜
KEINO
ファンタジー
貧乏大学生の探索者はダンジョンに潜り、全てを覆す。
~あらすじ~
世界に突如出現した異次元空間「ダンジョン」。
そこから産出される魔石は人類に無限のエネルギーをもたらし、アーティファクトは魔法の力を授けた。
しかし、その恩恵は平等ではなかった。
富と力はダンジョン利権を牛耳る企業と、「属性適性」という特別な才能を持つ「選ばれし者」たちに独占され、世界は新たな格差社会へと変貌していた。
そんな歪んだ現代日本で、及川翔は「無属性」という最底辺の烙印を押された青年だった。
彼には魔法の才能も、富も、未来への希望もない。
あるのは、両親を失った二年前のダンジョン氾濫で、原因不明の昏睡状態に陥った最愛の妹、美咲を救うという、ただ一つの願いだけだった。
妹を治すため、彼は最先端の「魔力生体学」を学ぶが、学費と治療費という冷酷な現実が彼の行く手を阻む。
希望と絶望の狭間で、翔に残された道はただ一つ――危険なダンジョンに潜り、泥臭く魔石を稼ぐこと。
英雄とも呼べるようなSランク探索者が脚光を浴びる華やかな世界とは裏腹に、翔は今日も一人、薄暗いダンジョンの奥へと足を踏み入れる。
これは、神に選ばれなかった「持たざる者」が、絶望的な現実にもがきながら、たった一つの希望を掴むために抗い、やがて世界の真実と向き合う、戦いの物語。
彼の「無属性」の力が、世界を揺るがす光となることを、彼はまだ知らない。
テンプレのダンジョン物を書いてみたくなり、手を出しました。
SF味が増してくるのは結構先の予定です。
スローペースですが、しっかりと世界観を楽しんでもらえる作品になってると思います。
良かったら読んでください!
最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~
ある中管理職
ファンタジー
勤続10年目10度目のレベルアップ。
人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。
すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。
なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。
チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。
探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。
万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。
大和型戦艦、異世界に転移する。
焼飯学生
ファンタジー
第二次世界大戦が起きなかった世界。大日本帝国は仮想敵国を定め、軍事力を中心に強化を行っていた。ある日、大日本帝国海軍は、大和型戦艦四隻による大規模な演習と言う名目で、太平洋沖合にて、演習を行うことに決定。大和、武蔵、信濃、紀伊の四隻は、横須賀海軍基地で補給したのち出港。しかし、移動の途中で濃霧が発生し、レーダーやソナーが使えなくなり、更に信濃と紀伊とは通信が途絶してしまう。孤立した大和と武蔵は濃霧を突き進み、太平洋にはないはずの、未知の島に辿り着いた。
※ この作品は私が書きたいと思い、書き進めている作品です。文章がおかしかったり、不明瞭な点、あるいは不快な思いをさせてしまう可能性がございます。できる限りそのような事態が起こらないよう気をつけていますが、何卒ご了承賜りますよう、お願い申し上げます。
オッサン齢50過ぎにしてダンジョンデビューする【なろう100万PV、カクヨム20万PV突破】
山親爺大将
ファンタジー
剣崎鉄也、4年前にダンジョンが現れた現代日本で暮らす53歳のおっさんだ。
失われた20年世代で職を転々とし今は介護職に就いている。
そんな彼が交通事故にあった。
ファンタジーの世界ならここで転生出来るのだろうが、現実はそんなに甘く無い。
「どうしたものかな」
入院先の個室のベッドの上で、俺は途方に暮れていた。
今回の事故で腕に怪我をしてしまい、元の仕事には戻れなかった。
たまたま保険で個室代も出るというので個室にしてもらったけど、たいして蓄えもなく、退院したらすぐにでも働かないとならない。
そんな俺は交通事故で死を覚悟した時にひとつ強烈に後悔をした事があった。
『こんな事ならダンジョンに潜っておけばよかった』
である。
50過ぎのオッサンが何を言ってると思うかもしれないが、その年代はちょうど中学生くらいにファンタジーが流行り、高校生くらいにRPGやライトノベルが流行った世代である。
ファンタジー系ヲタクの先駆者のような年代だ。
俺もそちら側の人間だった。
年齢で完全に諦めていたが、今回のことで自分がどれくらい未練があったか理解した。
「冒険者、いや、探索者っていうんだっけ、やってみるか」
これは体力も衰え、知力も怪しくなってきて、ついでに運にも見放されたオッサンが無い知恵絞ってなんとか探索者としてやっていく物語である。
注意事項
50過ぎのオッサンが子供ほどに歳の離れた女の子に惚れたり、悶々としたりするシーンが出てきます。
あらかじめご了承の上読み進めてください。
注意事項2 作者はメンタル豆腐なので、耐えられないと思った感想の場合はブロック、削除等をして見ないという行動を起こします。お気を悪くする方もおるかと思います。予め謝罪しておきます。
注意事項3 お話と表紙はなんの関係もありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる