40 / 72
40話 ここはどこ……私は
しおりを挟む
ここはどこ私は…………私だよ。
かれこれ30分くらいダンジョンの2階層だと思う場所をさまよっているけど、階段が全然見つからない。
スライムは1分に1体くらいの頻度で出てくるけどスライムキラーのおかげで今のところなんとかなっているよ。
2階層を探索していて思ったことが1つある。
「ここってほんとにダンジョンなの?」
転移してきた時もそう思ったけど、2階層に来てさらにそう思うことが増えた。
ダンジョンっ言うより洞窟っぽい。
そう思った理由もちゃんとあるよ。
まず1つ目の理由。
歩いている途中に見かけた光る鍾乳洞っぽいもの。
私がこれまで行ったダンジョンにはそんなもの無かったし、これまで見たアプリの情報にもそんなこと書いていなかった。
私が見落としてるだけの可能性もあるけどね。
鍾乳洞っぽいものが折れているのが落ちていたから拾って明かりの代わりにしているよ。
キノコの明かりだけじゃ暗い場所もあるし、キノコが生えていない階層もあるかもしれないし、明かりは大切だ。
次に2つ目の理由。
ダンジョンの形って言ったらいいのかな。
いつものダンジョンの道は一直線で曲がり角は十字やL字、T字といったようにかくかくしていた。
テト○スができそうな感じ。
けど、このダンジョンは道幅もバラバラ、天井の高さもバラバラ、狭くてほふく前進でしか進めないような道もあった。
壁のでっぱりに引っかかって服が破れかけた時は危なかった。
1人とはいえダンジョンで下着姿は恥ずかしいよ。
他にも4方向に分かれている分かれ道やくねくねした道なんかもあった。
おまけに目の前で天井が崩れてきたりもした。
あの時は死ぬかと思ったよ。
そして最後の理由。
これが1番洞窟っぽいと思った理由だ。
それは今私の目の前にある巨大な縦穴。
穴の直径30mはありそう。
いつものダンジョンにこんなのあったらニュースになってるよ。
縦穴には3mくらいの蜂が飛んでいたり、穴の底に龍がいたりなんてことのないただの縦穴。
底が見えないからほんとに龍がいないかは分からないけど、一応スライムダンジョンだからスライム以外はいないと思う。
ドラゴンスライムなんてスライムがいたりする可能性がないとも言えないけど……
でもこの穴の底に何かありそうな予感がする。
ボス部屋があったりして。
底が見えない時点で降りれる高さじゃないことは分かるけど、こういうのはちゃんと調べてみるべきだ。
ということで私は近くに転がっているハンドボールくらいのサイズの石を拾う。
「えいっ!」
掛け声とともに穴に石を投げ込む。
数秒経っても何も聞こえない。
あのサイズの石が落ちても音がしない深さって降りれるわけがない。
自殺したい人はどうぞって感じだね。
「はぁ……諦めて別の道を探すしかないか……」
穴を越えた先にも道があるけど、今の私には越えるための手段がない。
だから来た道を戻って、別の分かれ道を進むしかできない。
「とりあえず鍾乳洞っぽいものがあるところまで戻って少し休憩しよう。足がそろそろ限界だよ……」
私はもう動きたくないと言っている足を無理やり動かして鍾乳洞っぽいものがあるところまで戻ってきた。
慣れないでこぼこ道を歩いたからいつもより体力の消耗が激しい。
地面に座ったら汚れそうだからいい感じの形をした鍾乳洞に座る。
ひんやりしていてなかなか気持ちいい。
それと思ったけど、この鍾乳洞っぽいのすごい映そう。
SNSとかに投稿したらすごい伸びそうな予感がする。投稿しないけど。
「休憩している間暇だし、写真でも撮って帰ったら涼っちたちにも見せてあーげよっ!」
というわけでスマホを取り出してカメラを起動。
自撮りは嫌だけど、そうしないと涼っちに怒られそうだからインカメにする。
それが嫌なら初めから撮らなかったいいじゃんって言われそうだけどそんなこと気にしない。
スマホを持っている腕を限界まで伸ばしてパシャリ。
自撮り棒みたいなものでもあったら良かったのになんてことを思いながら撮った写真を確認する。
「目もつぶってないし、結構いい感じ……あれ? 端っこになんか写ってる……」
紫色の謎の物体が映り込んでいる。
まさか心霊写し……
私はすぐに振り返って鍾乳洞っぽいものの方を見る。
「あっ、なんかいるっ! とりあえず鑑定!」
――――――――――――――――――――――――
ポイズンスライム(オリジナル)
状態:正常
HP:300
攻撃力:300
防御力:300
スキル:「毒合成」
装備:なし
――――――――――――――――――――――――
やっぱりステータス異常に高い。
隠密がなかったら軽く10回くらいは殺されてるよ。
ポイズンだろうがなんだろうがスライムはスライム。
スライムキラーでたぶん一撃だ。
私は立ち上がって短剣を一振。
真っ二つに切れたポイズンスライムは魔石に変わる直前、その場に謎の液体を撒き散らした。
幸い私にはかからなかったけど、鍾乳洞っぽいのはドロドロに溶けている。
もしかしなくても毒だ。
それもたぶん1発食らったらアウトな猛毒。
かかっていたら私も鍾乳洞っぽいのと同じようになっていたと考えると背筋がゾッとした。
「経験値が多いわけでもないし、ポイズンは倒さず無視した方がいいかもね」
私はポイズンスライムの魔石を回収しようとしたけど、毒液まみれだったので諦めた。
ていうか毒液で溶けてない魔石って何でできてるの?
「ダンジョンって不思議だ」
そんなことを呟いて私はまた探索を再開した。
あんな毒液まみれのところに長居したくないからね!
かれこれ30分くらいダンジョンの2階層だと思う場所をさまよっているけど、階段が全然見つからない。
スライムは1分に1体くらいの頻度で出てくるけどスライムキラーのおかげで今のところなんとかなっているよ。
2階層を探索していて思ったことが1つある。
「ここってほんとにダンジョンなの?」
転移してきた時もそう思ったけど、2階層に来てさらにそう思うことが増えた。
ダンジョンっ言うより洞窟っぽい。
そう思った理由もちゃんとあるよ。
まず1つ目の理由。
歩いている途中に見かけた光る鍾乳洞っぽいもの。
私がこれまで行ったダンジョンにはそんなもの無かったし、これまで見たアプリの情報にもそんなこと書いていなかった。
私が見落としてるだけの可能性もあるけどね。
鍾乳洞っぽいものが折れているのが落ちていたから拾って明かりの代わりにしているよ。
キノコの明かりだけじゃ暗い場所もあるし、キノコが生えていない階層もあるかもしれないし、明かりは大切だ。
次に2つ目の理由。
ダンジョンの形って言ったらいいのかな。
いつものダンジョンの道は一直線で曲がり角は十字やL字、T字といったようにかくかくしていた。
テト○スができそうな感じ。
けど、このダンジョンは道幅もバラバラ、天井の高さもバラバラ、狭くてほふく前進でしか進めないような道もあった。
壁のでっぱりに引っかかって服が破れかけた時は危なかった。
1人とはいえダンジョンで下着姿は恥ずかしいよ。
他にも4方向に分かれている分かれ道やくねくねした道なんかもあった。
おまけに目の前で天井が崩れてきたりもした。
あの時は死ぬかと思ったよ。
そして最後の理由。
これが1番洞窟っぽいと思った理由だ。
それは今私の目の前にある巨大な縦穴。
穴の直径30mはありそう。
いつものダンジョンにこんなのあったらニュースになってるよ。
縦穴には3mくらいの蜂が飛んでいたり、穴の底に龍がいたりなんてことのないただの縦穴。
底が見えないからほんとに龍がいないかは分からないけど、一応スライムダンジョンだからスライム以外はいないと思う。
ドラゴンスライムなんてスライムがいたりする可能性がないとも言えないけど……
でもこの穴の底に何かありそうな予感がする。
ボス部屋があったりして。
底が見えない時点で降りれる高さじゃないことは分かるけど、こういうのはちゃんと調べてみるべきだ。
ということで私は近くに転がっているハンドボールくらいのサイズの石を拾う。
「えいっ!」
掛け声とともに穴に石を投げ込む。
数秒経っても何も聞こえない。
あのサイズの石が落ちても音がしない深さって降りれるわけがない。
自殺したい人はどうぞって感じだね。
「はぁ……諦めて別の道を探すしかないか……」
穴を越えた先にも道があるけど、今の私には越えるための手段がない。
だから来た道を戻って、別の分かれ道を進むしかできない。
「とりあえず鍾乳洞っぽいものがあるところまで戻って少し休憩しよう。足がそろそろ限界だよ……」
私はもう動きたくないと言っている足を無理やり動かして鍾乳洞っぽいものがあるところまで戻ってきた。
慣れないでこぼこ道を歩いたからいつもより体力の消耗が激しい。
地面に座ったら汚れそうだからいい感じの形をした鍾乳洞に座る。
ひんやりしていてなかなか気持ちいい。
それと思ったけど、この鍾乳洞っぽいのすごい映そう。
SNSとかに投稿したらすごい伸びそうな予感がする。投稿しないけど。
「休憩している間暇だし、写真でも撮って帰ったら涼っちたちにも見せてあーげよっ!」
というわけでスマホを取り出してカメラを起動。
自撮りは嫌だけど、そうしないと涼っちに怒られそうだからインカメにする。
それが嫌なら初めから撮らなかったいいじゃんって言われそうだけどそんなこと気にしない。
スマホを持っている腕を限界まで伸ばしてパシャリ。
自撮り棒みたいなものでもあったら良かったのになんてことを思いながら撮った写真を確認する。
「目もつぶってないし、結構いい感じ……あれ? 端っこになんか写ってる……」
紫色の謎の物体が映り込んでいる。
まさか心霊写し……
私はすぐに振り返って鍾乳洞っぽいものの方を見る。
「あっ、なんかいるっ! とりあえず鑑定!」
――――――――――――――――――――――――
ポイズンスライム(オリジナル)
状態:正常
HP:300
攻撃力:300
防御力:300
スキル:「毒合成」
装備:なし
――――――――――――――――――――――――
やっぱりステータス異常に高い。
隠密がなかったら軽く10回くらいは殺されてるよ。
ポイズンだろうがなんだろうがスライムはスライム。
スライムキラーでたぶん一撃だ。
私は立ち上がって短剣を一振。
真っ二つに切れたポイズンスライムは魔石に変わる直前、その場に謎の液体を撒き散らした。
幸い私にはかからなかったけど、鍾乳洞っぽいのはドロドロに溶けている。
もしかしなくても毒だ。
それもたぶん1発食らったらアウトな猛毒。
かかっていたら私も鍾乳洞っぽいのと同じようになっていたと考えると背筋がゾッとした。
「経験値が多いわけでもないし、ポイズンは倒さず無視した方がいいかもね」
私はポイズンスライムの魔石を回収しようとしたけど、毒液まみれだったので諦めた。
ていうか毒液で溶けてない魔石って何でできてるの?
「ダンジョンって不思議だ」
そんなことを呟いて私はまた探索を再開した。
あんな毒液まみれのところに長居したくないからね!
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ダンジョンをある日見つけた結果→世界最強になってしまった
仮実谷 望
ファンタジー
いつも遊び場にしていた山である日ダンジョンを見つけた。とりあえず入ってみるがそこは未知の場所で……モンスターや宝箱などお宝やワクワクが溢れている場所だった。
そんなところで過ごしているといつの間にかステータスが伸びて伸びていつの間にか世界最強になっていた!?
異世界から日本に帰ってきたら魔法学院に入学 パーティーメンバーが順調に強くなっていくのは嬉しいんだが、妹の暴走だけがどうにも止まらない!
枕崎 削節
ファンタジー
〔小説家になろうローファンタジーランキング日間ベストテン入り作品〕
タイトルを変更しました。旧タイトル【異世界から帰ったらなぜか魔法学院に入学。この際遠慮なく能力を発揮したろ】
3年間の異世界生活を経て日本に戻ってきた楢崎聡史と桜の兄妹。二人は生活の一部分に組み込まれてしまった冒険が忘れられなくてここ数年日本にも発生したダンジョンアタックを目論むが、年齢制限に壁に撥ね返されて入場を断られてしまう。ガックリと項垂れる二人に救いの手を差し伸べたのは魔法学院の学院長と名乗る人物。喜び勇んで入学したはいいものの、この学院長はとにかく無茶振りが過ぎる。異世界でも経験したことがないとんでもないミッションに次々と駆り出される兄妹。さらに二人を取り巻く周囲にも奇妙な縁で繋がった生徒がどんどん現れては学院での日常と冒険という非日常が繰り返されていく。大勢の学院生との交流の中ではぐくまれていく人間模様とバトルアクションをどうぞお楽しみください!
最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~
ある中管理職
ファンタジー
勤続10年目10度目のレベルアップ。
人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。
すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。
なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。
チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。
探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。
万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。
現実世界にダンジョンが出現したのでフライングして最強に!
おとうふ
ファンタジー
2026年、突如として世界中にダンジョンが出現した。
ダンジョン内は無尽蔵にモンスターが湧き出し、それを倒すことでレベルが上がり、ステータスが上昇するという不思議空間だった。
過去の些細な事件のトラウマを克服できないまま、不登校の引きこもりになっていた中学2年生の橘冬夜は、好奇心から自宅近くに出現したダンジョンに真っ先に足を踏み入れた。
ダンジョンとは何なのか。なぜ出現したのか。その先に何があるのか。
世界が大混乱に陥る中、何もわからないままに、冬夜はこっそりとダンジョン探索にのめり込んでいく。
やがて来る厄災の日、そんな冬夜の好奇心が多くの人の命を救うことになるのだが、それはまだ誰も知らぬことだった。
至らぬところも多いと思いますが、よろしくお願いします!
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない
宍戸亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。
不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。
そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。
帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。
そして邂逅する謎の組織。
萌の物語が始まる。
大和型戦艦、異世界に転移する。
焼飯学生
ファンタジー
第二次世界大戦が起きなかった世界。大日本帝国は仮想敵国を定め、軍事力を中心に強化を行っていた。ある日、大日本帝国海軍は、大和型戦艦四隻による大規模な演習と言う名目で、太平洋沖合にて、演習を行うことに決定。大和、武蔵、信濃、紀伊の四隻は、横須賀海軍基地で補給したのち出港。しかし、移動の途中で濃霧が発生し、レーダーやソナーが使えなくなり、更に信濃と紀伊とは通信が途絶してしまう。孤立した大和と武蔵は濃霧を突き進み、太平洋にはないはずの、未知の島に辿り着いた。
※ この作品は私が書きたいと思い、書き進めている作品です。文章がおかしかったり、不明瞭な点、あるいは不快な思いをさせてしまう可能性がございます。できる限りそのような事態が起こらないよう気をつけていますが、何卒ご了承賜りますよう、お願い申し上げます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる