61 / 72
61話 魔法の威力
しおりを挟む
ゴブリンダンジョンに到着した私たちは、そのままダンジョンの中に入っていった。
今は3階層を歩いてゴブリンを探している真っ最中だ。
1階層や2階層で探してもいいんだけど、ゴブリンの数が極端に少ないから効率が悪くてやってられない。
だから猛スピードで3階層まで降りてきた。
ちなみに3階層以降の出現率は体感同じくらいだよ。
変わるところは5階層からはゴブリン以外も出現するってことぐらいかな。
まあ今の私たちからすればどれが出てきても同じうなものだけどね。
「ことねさん、ゴブリンが出てきましたよ!」
ことりさんの指さす先にゴブリンが1体いて、すぐにこっちに気づいた。
ダンジョンの中だと、他の人にことりさんの髪を見られる心配がないから手を繋がないようにしている。
もちろん難易度が高いダンジョンに行く時は繋ぐようにしているけど、ゴブリンダンジョンくらいの難易度だとそこまでする必要はない。
「ギギャー!!」
こっちに気づいたゴブリンたちが変な声を発しながら近づいてきた。
「まずは私がやるね!」
「分かりました」
ことりさんに近づいてくるゴブリンに向けて私はゴブリンナイトの魔石をはめた【ボーンロッド】を構える。
「フリージングスピアッ!!」
初級氷属性魔法って言うのはダサいけど、何も言わないのも変な気がするという理由で考えた技名を言いながら魔法を使う。
杖の先端に冷気が集まって作られた10cmより少し小さいくらいの氷の槍がゴブリンに向かって飛んでいく。
何もいないところから飛んでくる氷の槍に対して反応が遅れたゴブリンは避けることができず、氷の槍はゴブリンの腹を貫いた。
「うわぁ……痛そう……」
そして、腹に穴が空いたゴブリンはその場で倒れて魔石に変わった。
「一撃でしたね!」
「昨日試した時はこんなに威力なかったと思うんだけどなぁ……」
ゴブリンキングの魔石は別として、昨日使った魔石よりも強いモンスターの魔石を使っているけど、貫通するほど威力が上がるとは思えない。
「フリージングスピア!」
試しに壁に向けて使ってみたけど、やっぱり少し傷がつく程度の威力しかなかった。
魔石を替えたからというわけではなさそうだね。
なら他に可能性があるとすれば……
「ステータスが関係しているとか?」
「ステータス、ですか?」
「モンスターには効いて、壁とか冷蔵庫とかには傷がつく程度の威力しかないってなるとそれ以外考えられないよ」
身体能力が高くてもレベルが低かったらモンスターとかにあんまりダメージを与えられないのと同じような理由だと思う。
私の予想だから絶対とは言えないけどね。
「何回も試していけばそのうちわかると思うし、そろそろ出発しよっか」
「そうですね! どんどんゴブリンを倒していきましょう!」
★
私たちはステータスと魔法の威力が関係しているのか確かめるために5階層に移動した。
移動した理由はゴブリンダンジョンで唯一魔法を使ってくるゴブリンシャーマンに遭遇するためだ。
5階層に移動してから少し歩いてゴブリンシャーマンを見つけた私たちは横にいた邪魔なハイゴブリン2体をフリージングスピアとアクアショットで瞬殺した。
アクアショットはことりさんが使う初級水属性魔法の技名で私が考えたよ。
ことりさんにはなぜか笑われたけどね……
仲間を倒されたゴブリンシャーマンは怒ったらしく、叫びながらことりさんに向けてファイヤーボールを撃ってきた。
「今です!」
ことりさんの合図に合わせて私はことりさんの前に移動してファイヤーボールをわざと食う。
「熱っ!!」
普通に熱かった。
だけど、HPはほとんど減ってないし、我慢できない程の熱さも言うわけでもない。
といことはやっぱり私の予想はあってたみたいだ。
魔法で作られた火の玉だから、防御力によってダメージが下げられた。
だから我慢できたし、HPもほとんど減らなかった
普通の火の玉だったら今頃こんがりだよ!
私の身を犠牲にしてステータスと魔法の威力が関係していることは分かった。
「それじゃあ次にいこう。まかせたよことりさん!」
「任されました!」
今度はことりさんの出番だ。
私のように攻撃を食らったりするわけでもないし、難しいことをするわけでもないけどね。
ただ魔法を使うだけ。
でも使う魔石はスライムの魔石だ。
スライムの魔石の属性は水属性でことりさんの魔法も水属性。
前見た情報によると魔石と魔法の属性が同じだと、威力が上がるのに加えて、疲れにくくもなるらしい。
「いきますね! アクアショット!!」
ことりさんの持つ杖の先からさっきのよりも一回り大きい水の玉が飛んでいき、飛んでいった水の玉はゴブリンシャーマンの顔に直撃して魔石に変わった。
「さっきよりも少し大きかったね! 疲れとかはあったりする?」
さっきまではゴブリンの魔石を使っていたから威力は確実に上がっている。
だけど、疲れにくくなっているかは本人しか分からない。
「うーん、さっきまでもそこまで疲れてなかったので…………その、なんか、ごめんさい……!」
「謝ることじゃないよ! 使っていればそのうち分かると思うし、少しづつ頑張っていこっ!」
「分かりました……頑張ってみますね!」
この後、何十回も使ってやっと疲れ始めてきたからやっぱり同じ属性だったら疲れにくくなるらしい。
途中、ことりさんに頼んで、魔法で作ってもらった水を飲んでみたけど、やっぱり不味くて死にかけた。
「でも私は絶対に魔法でアイスかかき氷を作ってみせるよ!!」
「ことねさん? さっきから1人で何言ってるんでしょうか?」
心の声が漏れちゃってた……?
そもそも念話って心の声だっけ……? あれ?
「ううん、気にしなくていいよ…………」
今は3階層を歩いてゴブリンを探している真っ最中だ。
1階層や2階層で探してもいいんだけど、ゴブリンの数が極端に少ないから効率が悪くてやってられない。
だから猛スピードで3階層まで降りてきた。
ちなみに3階層以降の出現率は体感同じくらいだよ。
変わるところは5階層からはゴブリン以外も出現するってことぐらいかな。
まあ今の私たちからすればどれが出てきても同じうなものだけどね。
「ことねさん、ゴブリンが出てきましたよ!」
ことりさんの指さす先にゴブリンが1体いて、すぐにこっちに気づいた。
ダンジョンの中だと、他の人にことりさんの髪を見られる心配がないから手を繋がないようにしている。
もちろん難易度が高いダンジョンに行く時は繋ぐようにしているけど、ゴブリンダンジョンくらいの難易度だとそこまでする必要はない。
「ギギャー!!」
こっちに気づいたゴブリンたちが変な声を発しながら近づいてきた。
「まずは私がやるね!」
「分かりました」
ことりさんに近づいてくるゴブリンに向けて私はゴブリンナイトの魔石をはめた【ボーンロッド】を構える。
「フリージングスピアッ!!」
初級氷属性魔法って言うのはダサいけど、何も言わないのも変な気がするという理由で考えた技名を言いながら魔法を使う。
杖の先端に冷気が集まって作られた10cmより少し小さいくらいの氷の槍がゴブリンに向かって飛んでいく。
何もいないところから飛んでくる氷の槍に対して反応が遅れたゴブリンは避けることができず、氷の槍はゴブリンの腹を貫いた。
「うわぁ……痛そう……」
そして、腹に穴が空いたゴブリンはその場で倒れて魔石に変わった。
「一撃でしたね!」
「昨日試した時はこんなに威力なかったと思うんだけどなぁ……」
ゴブリンキングの魔石は別として、昨日使った魔石よりも強いモンスターの魔石を使っているけど、貫通するほど威力が上がるとは思えない。
「フリージングスピア!」
試しに壁に向けて使ってみたけど、やっぱり少し傷がつく程度の威力しかなかった。
魔石を替えたからというわけではなさそうだね。
なら他に可能性があるとすれば……
「ステータスが関係しているとか?」
「ステータス、ですか?」
「モンスターには効いて、壁とか冷蔵庫とかには傷がつく程度の威力しかないってなるとそれ以外考えられないよ」
身体能力が高くてもレベルが低かったらモンスターとかにあんまりダメージを与えられないのと同じような理由だと思う。
私の予想だから絶対とは言えないけどね。
「何回も試していけばそのうちわかると思うし、そろそろ出発しよっか」
「そうですね! どんどんゴブリンを倒していきましょう!」
★
私たちはステータスと魔法の威力が関係しているのか確かめるために5階層に移動した。
移動した理由はゴブリンダンジョンで唯一魔法を使ってくるゴブリンシャーマンに遭遇するためだ。
5階層に移動してから少し歩いてゴブリンシャーマンを見つけた私たちは横にいた邪魔なハイゴブリン2体をフリージングスピアとアクアショットで瞬殺した。
アクアショットはことりさんが使う初級水属性魔法の技名で私が考えたよ。
ことりさんにはなぜか笑われたけどね……
仲間を倒されたゴブリンシャーマンは怒ったらしく、叫びながらことりさんに向けてファイヤーボールを撃ってきた。
「今です!」
ことりさんの合図に合わせて私はことりさんの前に移動してファイヤーボールをわざと食う。
「熱っ!!」
普通に熱かった。
だけど、HPはほとんど減ってないし、我慢できない程の熱さも言うわけでもない。
といことはやっぱり私の予想はあってたみたいだ。
魔法で作られた火の玉だから、防御力によってダメージが下げられた。
だから我慢できたし、HPもほとんど減らなかった
普通の火の玉だったら今頃こんがりだよ!
私の身を犠牲にしてステータスと魔法の威力が関係していることは分かった。
「それじゃあ次にいこう。まかせたよことりさん!」
「任されました!」
今度はことりさんの出番だ。
私のように攻撃を食らったりするわけでもないし、難しいことをするわけでもないけどね。
ただ魔法を使うだけ。
でも使う魔石はスライムの魔石だ。
スライムの魔石の属性は水属性でことりさんの魔法も水属性。
前見た情報によると魔石と魔法の属性が同じだと、威力が上がるのに加えて、疲れにくくもなるらしい。
「いきますね! アクアショット!!」
ことりさんの持つ杖の先からさっきのよりも一回り大きい水の玉が飛んでいき、飛んでいった水の玉はゴブリンシャーマンの顔に直撃して魔石に変わった。
「さっきよりも少し大きかったね! 疲れとかはあったりする?」
さっきまではゴブリンの魔石を使っていたから威力は確実に上がっている。
だけど、疲れにくくなっているかは本人しか分からない。
「うーん、さっきまでもそこまで疲れてなかったので…………その、なんか、ごめんさい……!」
「謝ることじゃないよ! 使っていればそのうち分かると思うし、少しづつ頑張っていこっ!」
「分かりました……頑張ってみますね!」
この後、何十回も使ってやっと疲れ始めてきたからやっぱり同じ属性だったら疲れにくくなるらしい。
途中、ことりさんに頼んで、魔法で作ってもらった水を飲んでみたけど、やっぱり不味くて死にかけた。
「でも私は絶対に魔法でアイスかかき氷を作ってみせるよ!!」
「ことねさん? さっきから1人で何言ってるんでしょうか?」
心の声が漏れちゃってた……?
そもそも念話って心の声だっけ……? あれ?
「ううん、気にしなくていいよ…………」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ダンジョンをある日見つけた結果→世界最強になってしまった
仮実谷 望
ファンタジー
いつも遊び場にしていた山である日ダンジョンを見つけた。とりあえず入ってみるがそこは未知の場所で……モンスターや宝箱などお宝やワクワクが溢れている場所だった。
そんなところで過ごしているといつの間にかステータスが伸びて伸びていつの間にか世界最強になっていた!?
異世界から日本に帰ってきたら魔法学院に入学 パーティーメンバーが順調に強くなっていくのは嬉しいんだが、妹の暴走だけがどうにも止まらない!
枕崎 削節
ファンタジー
〔小説家になろうローファンタジーランキング日間ベストテン入り作品〕
タイトルを変更しました。旧タイトル【異世界から帰ったらなぜか魔法学院に入学。この際遠慮なく能力を発揮したろ】
3年間の異世界生活を経て日本に戻ってきた楢崎聡史と桜の兄妹。二人は生活の一部分に組み込まれてしまった冒険が忘れられなくてここ数年日本にも発生したダンジョンアタックを目論むが、年齢制限に壁に撥ね返されて入場を断られてしまう。ガックリと項垂れる二人に救いの手を差し伸べたのは魔法学院の学院長と名乗る人物。喜び勇んで入学したはいいものの、この学院長はとにかく無茶振りが過ぎる。異世界でも経験したことがないとんでもないミッションに次々と駆り出される兄妹。さらに二人を取り巻く周囲にも奇妙な縁で繋がった生徒がどんどん現れては学院での日常と冒険という非日常が繰り返されていく。大勢の学院生との交流の中ではぐくまれていく人間模様とバトルアクションをどうぞお楽しみください!
最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~
ある中管理職
ファンタジー
勤続10年目10度目のレベルアップ。
人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。
すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。
なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。
チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。
探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。
万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。
現実世界にダンジョンが出現したのでフライングして最強に!
おとうふ
ファンタジー
2026年、突如として世界中にダンジョンが出現した。
ダンジョン内は無尽蔵にモンスターが湧き出し、それを倒すことでレベルが上がり、ステータスが上昇するという不思議空間だった。
過去の些細な事件のトラウマを克服できないまま、不登校の引きこもりになっていた中学2年生の橘冬夜は、好奇心から自宅近くに出現したダンジョンに真っ先に足を踏み入れた。
ダンジョンとは何なのか。なぜ出現したのか。その先に何があるのか。
世界が大混乱に陥る中、何もわからないままに、冬夜はこっそりとダンジョン探索にのめり込んでいく。
やがて来る厄災の日、そんな冬夜の好奇心が多くの人の命を救うことになるのだが、それはまだ誰も知らぬことだった。
至らぬところも多いと思いますが、よろしくお願いします!
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない
宍戸亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。
不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。
そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。
帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。
そして邂逅する謎の組織。
萌の物語が始まる。
大和型戦艦、異世界に転移する。
焼飯学生
ファンタジー
第二次世界大戦が起きなかった世界。大日本帝国は仮想敵国を定め、軍事力を中心に強化を行っていた。ある日、大日本帝国海軍は、大和型戦艦四隻による大規模な演習と言う名目で、太平洋沖合にて、演習を行うことに決定。大和、武蔵、信濃、紀伊の四隻は、横須賀海軍基地で補給したのち出港。しかし、移動の途中で濃霧が発生し、レーダーやソナーが使えなくなり、更に信濃と紀伊とは通信が途絶してしまう。孤立した大和と武蔵は濃霧を突き進み、太平洋にはないはずの、未知の島に辿り着いた。
※ この作品は私が書きたいと思い、書き進めている作品です。文章がおかしかったり、不明瞭な点、あるいは不快な思いをさせてしまう可能性がございます。できる限りそのような事態が起こらないよう気をつけていますが、何卒ご了承賜りますよう、お願い申し上げます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる