人形婚約者がいるんです

冬日

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背後にはモブが居る

手遅れなそれぞれ

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「俺の家系は愛が重過ぎるから生まれたら、魔法をかける習わしなんだ。」

「何それ怖い」

「この魔法は俺が愛する者に出会った時人形に見える。人形に見える人なんて普通は近づかないだろう?でも『好かれるように努力する』決してすぐ攫ったり監禁したりしないように制約が課された魔法なんだ。」

「攫ったり監禁・・・」

かけてくれた魔法使いありがとう。ご先祖様が善人で道徳的な人がいて良かった。

「見つけた瞬間にしそうだったよ」

「ま、魔法掛け直してもらおっかあ」

「第一段階の魔法だけなんだ自分で解けないのは。赤ちゃんには流石に抵抗力がないからね。でも今後は大丈夫、かからないからね。第二、第三次魔法は少し時間はかかるけど解ける」

ひと安心したかったのにぃ、自分で解けるとか言っちゃってるし。ダメだろ、解いちゃ。

「3段階あるの、?」

「愛が強まれば・・・ね」

ゾワってした。
背中から冷たい氷を押し付けられたような不快感。

私の推しにこんな裏設定があったなんて。まさか、でもヒロイン王女がいるのに私が愛する人って何?まだ出会ってないからバグが起こったとか?
運命(愛する人)はヒロイン王女でしょ。

「冷静に聞いて欲しいんだけどシイールー、あなたの愛する人は」

王女だと思うの、と言うつもりだった。

シイールーの人差し指が肩から鎖骨、心臓からお腹に降りてゆく。

「愛するのはウルバだよね?」

(ウルバが愛するのが)『嘘だったら最後までしちゃうからね』
シイールーのさっきの言葉が蘇る。

貞操の危機において、やるべきことはひとつ、だ。

「ソウそれっ!たぶん愛深まっちゃったネー。」

「わかってくれたんだね、ウルバ愛してるよ、好きだ。」

顔がいい。
そして推しである。推しの笑顔尊っ。
これまでの話はともかく(むりやり忘れた)、鼻血出そうな台詞頂きました。

ありがとう!生きてて良かった!監禁されなくて良かった!

ふんわり抱きしめられ、シイールーが正気に戻った。

「ごめん、こんな所で急にこんなの、良くないよね。初夜は素敵な所で優しく忘れられないくらい良いものにしないと。」

丁寧にひとつひとつ前ボタンも留めてくれた。
これでこそ推し!
シイールーはヤンデレ枠ではない。
ダイジョブなはず。
ちょっと愛が重過ぎるだけ。



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