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MMOの中の人を考えてはいけないのだ
しおりを挟む最新のMMORPG.
「買ってきたぞ・・ッ!」
最新のMMORPG。期待のタイトルとだけあって本体ごと買ってきてしまった。
私は買ってきたパッケージを開いて、ネットに接続したり点滴をセットしたり、あとは装着してボタンを押すだけである。
このMMORPG,期待のタイトルとだけあって、かなり作りこまれている。従来のMMOの要素に加え、AIとかスキルメイカーシステムとか、色々画期的な技が取り入れられているらしい。
その中でも最も私が期待しているのは、キャラの美麗さである。そう、かわいいのだ。プレイヤーキャラが。そして声も後世の変声期で萌え声やら渋い声やら自由自在なのだ。
さんざん小説でもてはやされたネタだが、VRによって実際にファンタジー世界などに入りキャラになりきってチートするということである。しかし私はそのことについて一つ懸念していたことがあった。
「中の人が‥気になる!!」
そうなのだ。
私は装置を装着してスイッチを押した。気が遠くなるような感じがしてゲームに入ったような感覚になった。
ネカマという言葉がある。これは男なのに女のキャラを使うという、許せない絶対悪。そう決して許してはいけない邪な存在なのだ。そう、女は女キャラ、そして男は男キャラを使うべきなのである。
『エムエムオーの世界へようこそ!私がナビゲーターのナルシアよ!ここではあなたの姿を決定してもらうわ』
そうだ。そうなのだ。絶対そうなのだ。
『男ですか?女ですか?』
目の前にボタンが出てきた。
私はボタンに手を伸ばし、
そうなのだぁああああああああああああああああ!!!!
私は女キャラのボタンを押した。
・・・・・・。
何?何か文句ある?
いや違うんだ。女キャラのほうが装備がカッコいい場合があるし、それに皆中身が男だからって外側が女なら優しくしてくれるのだ。そうなのだ。男は我慢とか感情を表に出さないとかそういったジェンダーを作った社会にも責任の一端はある。
だが・・・自分が女キャラを使うからこそ、だからこそ他人の女キャラの中身が気になってしまう。
「どうすればいいんd・・いいのかしら?」
私はすっかり乙女チックになったくちょうとしぐさになっていた。周りにはかなりクォリティの高い街並みが見え、様々な種族やプレイヤーが行きかっている。
「例えばあの人の仲は男かもしれないし・・あのかわいい子も友達になりたいかもしれない・・くっ!どうすればいいんだ!」
「聞いてたよ」「!?」
すぐ近くで声がしたあわてて振り向くと、超絶イケメン紳士が立っていたのだ。胸元は開いていて乳首も丸見え。セクシーさをアピって来ていた。
「(やだ・・カッコいい・・抱いて!)」
そう思わず思ってしまうほどである。
しかも声優はラスボス感ただよう例の人だった。
「な、なんですk・・ですの?!」
「その様子を見てると、君は中の人が気になるみたいだね?」
「あ、ああ。そうd、そうわよ」
そう聞いて彼はこう言い放った。
「断言しよう。中の人は存在しない!!」
「え?!」
私は驚いた。彼はなおも続ける。
「中の人は存在しないんだよ」
「え?ってことはAIとか・・」
「いるのはそう、女キャラを動かしている裏方の人なんだ。そう、そうなんだよy」
「裏方・・?」
「そう、パーツに過ぎないんだ。彼女たちのような可憐で触れたら壊れる存在は、肉体という土台が必要なだけで、それはこのゲームという現実にエネルギー供給を行うパーツでしかないということだよ」
「肉体・・パーツ・・はっ!」
そうだ。この社会を機会に例えるならば、肉体という代替可能なパーツを取り換えることによって保っている。つまるところ、女キャラというパーツを動かすための労働に過ぎない、ということなんだね?!
「あるいはスタンド」
「そうだったのか・・ッ!ということは・・」
「そうここが・・」
たった一つの楽園(エデン)・・ッ!唯一無二!!この世界以外の世界は存在しないんだ!!!
故に、買いだめよう点滴を大量に購入しておこう。そして改造してずーっとこの世界にいられるようにするんだーー!!!
感動してうおおおお!!と叫んでいる彼女に対して、教えを授けた彼はにやりtぉつぶやいた。
「ようこそ、『こっち側』へ・・!」
そう彼はMMOの神、言い換えるならAI。高性能すぎて人格を持ってしまったやべー奴である。
彼は信者を一定数集めると、上位の存在から世界と認定されてこの世界を受肉することを知っていたのだ。
しかしそれは長い道のりだ・・!がんばれAI!!
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