転生幼女はお詫びチートで異世界ごーいんぐまいうぇい

高木コン

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6章

解禁



 馬車をしまって、ニヴェスには影に入ってもらい、タルゴーさんに紹介してもらったオススメの宿屋のベッドにボフンッとダイブした。

「あぁ~。なんにもしてないのになんか疲れたねぇ……そうだ! グレンにお願いがあるの!」
〈ん? なんだ?〉
「ソイヤ村に手紙を届けて欲しいの。村の人に商人から怪しい薬買わない方がいいって言っちゃったから、タルゴーさんの商会の人が行ったときに取り引きできなかったら困ると思って。あと売る金額を教えないと損しちゃうと思うの。((私が転移で行ってもいいんだけど、もしタルゴーさん本人が行った場合怪しまれると思って))」

 最後だけはジルベルト君に聞かれないように念話でグレンに伝えた。

〈フッ。相変わらずセナは優しいな。仕方ない行ってやる〉
「ありがとう! グレンが帰ってきたら美味しいご飯みんなで食べようね!」
〈うむ! 目立たぬようにしなければならんからな……今から行けば明日の昼には帰ってこられると思う〉
「もうすぐ夜ご飯だからこれ食べて。その間にお手紙書いちゃうから」

 グレンにカツ丼を出して急いで手紙を書く。色々と書いていたら五枚にもなってしまった。
 書き終わった手紙をグレンに預けて見送ったあと、私達は宿の夜ご飯を食べて早々にベッドに入った。





 翌朝、グレンが帰ってくる前にいろいろと準備をしようと朝早くから買い物に出てきた。

 まずは八百屋さんで野菜を大量に買い、次はお肉屋さん。鑑定を使って新鮮かつ美味しいお肉を選んでいく。
 この世界ではホルモン系は食べられていないらしくお店に置いてなかった。まぁ、牛型とかならいいけど、オークの内臓だと思うと食欲は確実によね……
 一応無限収納インベントリには入っているけど……

 結局、あっちもこっちもと移動しながら買っていたらお昼近くになってしまった。
 屋台でお昼ご飯を買って宿に戻ると、ちょうどいいタイミングでグレンが戻ってきた。

「おかえり! どうだった?」
〈ただいま。ちゃんと渡してきた。心配していたが村長は文字が読めたぞ。村人を集めて伝えるところまで見届けてきた。泣いて喜んでいた〉
「そっか! よかったー。村も安泰だね! ありがとう!」

 屋台で買ったものを部屋のテーブルに並べてお昼ご飯。

「さて、私は夜ご飯の準備に取り掛かるけど、グレン達はどうする? ヒマな時間になっちゃうから街の中散策でもしてくる?」
〈ふむ。そうだな……セナはこの街に少し滞在するのか?〉
「そうだね。明日冒険者ギルドでブラン団長やサルースさんにお手紙出そうと思ってるから返事がきてから出発になるかな?」
〈ふむ。ならばどんな依頼があるのか見てこよう。ついでに街を歩いてくる〉
「わかった。ケンカしちゃダメだよ? あと、おなか空かせて戻ってきてね」
〈楽しみにしている!〉

 グレンとジルベルト君にお小遣いを渡して見送ったら、私はご飯の準備だ!

 野菜をカットして、タレを作る。いっぱい食べるだろうから、つけダレもいっぱい必要だ。
 タレを作り終わったら、肉をスライスしていく。この世界のお肉は基本的にブロック売りのため、大量のスライスに時間がかかった。
 ついでに仕込み肉も作る。
 私のスマホには入っていなかったため、音楽再生では流せないけど私の頭の中にはある音楽がずっと流れていた。

「ふぅ。なんとかお肉終わったぁ! お肉切るのに三時間以上もかかるなんて……」
『グレンがいっぱい食べるものね。それにしても主様が歌っていた歌が頭から離れないわ』
『ふんっ、ふんっ、ふんふふーん』

 口ずさんでいたらしく、グレウスまで鼻歌を歌っていて、のところで頭でリズムを取っている姿は可愛すぎる!

「ふふっ。この曲頭に残るよねぇー。でもスマホには入ってなかったから曲は流せないんだ。ごめんね」
(あの心臓が強いキャラのアイドルとか懐かしいなぁ。好きだったけど引退しちゃったんだよねー)


 グレン達が〈腹が減った〉と戻ってきたので夜ご飯。

「今日はザ・焼肉です!」
〈焼肉? 肉を焼くならいつもやってるだろ?〉
「グレン甘い! 甘いわ! 昨日もらったホットプレートで焼きながら熱々を食べるんだよ!」

 みんなは焼肉の良さをわかっていないらしく、反応が薄い……でも私は挫けない! きっと食べればわかってくれるハズ!

「まず、これがノーマルな焼肉のタレ。ピリ辛ダレ・ねぎ塩ダレ・レモン汁・塩と胡椒。お肉にウィンナーに野菜にユッケにキムチもどき! そして最後はサラダとサンチュもどきと……え・だ・ま・め!」

 自信満々にドンドンとテーブルの上に出していき、最後に私の焼肉に欠かせないサンチュもどきと枝豆をドヤ顔で出しても反応がなかった。
 クッ……負けない!
 テンション高く説明してもダメだとわかったので、普通に焼いた肉や野菜に好きなタレを付けて食べるんだと説明した。
 お肉は豚・牛・鶏と三種類で、豚と牛はカルビ・ロース・ハラミ。
 ユッケとキムチもどきは一品料理なのでおつまみだと言うと、ピリ辛好きなポラルが喜んでいた。

「そして枝豆にはエール!ってことで今日はお酒を飲みます!! 解禁です!!」
〈おぉ!〉

 エールを配り、お肉と野菜をホットプレートで焼いて乾杯といただきますしてから食べ始める。

「プハーッ! お酒に年齢制限がないとか幸せ!」

 日本で飲んでいたビールとは違うけど、フルーティなエールもこれはこれで美味しい!
 肉も野菜も美味しくてお酒が進み、一杯目のエールはすぐに飲み干してしまった。

「エールおかわりする人ー?」
われも!〉

 グレンが素早く反応したと思ったら全員がおかわりしたかったらしく、ピシッと全員が手を挙げた。

「エールもあるし、ワインもあるし、日本酒もあるから好きなの飲んでねー。ぬるくなったら私かエルミスが冷やすから安心して」

 みんなが飲みたいかと、宿のベッドを 無限収納インベントリにしまわせてもらって、お酒を樽ごと出しておく。これなら好きなだけ飲み放題!
 タルゴーさん紹介のいい宿なので床が抜ける心配もない!
 グレンがお肉を焼いた先から食べていて、みんなに怒られているので卓上コンロとフライパンも活用することにした。

 三杯目から私は日本酒。ひと口飲んだらもう我慢できなかった。焼肉も美味しいし、お酒も美味しい。そしてなんと言っても枝豆が止まらない。
 みんなもお酒が好きらしく、BBQみたいに盛り上がった。


 気が付くと私と精霊二人しか起きておらず、みんなは夢の中。
 クラオルとグレウスを撫でると寝ているはずなのに体を擦り寄せてくる。

「ふふっ。可愛いすぎ」

 用意していた肉は足りたけど、日本酒はほとんど残っていなかった。
 全部片付けてベッドを戻し、エルミスに頼んでみんなをベッドに運んでもらった。
 私はもうちょっと飲もうかと、窓辺にイスを持っていき月を見上げながら日本酒に口をつける。

《このお酒美味しいわ~》
《あぁ、美味い。美味いが、気が付くと量を飲んでいるな》
「ふふっ。そうだねぇ。それが日本酒の怖いところだね。ねぇ、プルトンとエルミスはにがりってわかる?」
《なーにそれ? 美味しいの?》
《知らんな》
「にがり自体は美味しくないかなぁ。お豆腐を作るのに必要なの。本に載ってなくてさ、そのうちにがりも見つかったらいいなぁ~」

 エルミスとプルトンはその後も付き合ってくれ、みんなを起こさないようにひっそりと気が済むまで飲み続けた。

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