転生幼女はお詫びチートで異世界ごーいんぐまいうぇい

高木コン

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9章

過保護者と再会

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 ブラン団長は王都からすぐの場所を移動してるっぽい。
 たぶん王都からカリダの街に向かって出発したてなんだと思う。

 ズレないようにブラン団長目指して飛ぶと、浮遊感に襲われた……と思ったらトンっとおしりに軽く衝撃がきた。

「うひっ!」

 驚いて手元にあった何かを掴むと、ふわふわしたものだった。
 目線が高く、上下に揺れている。

「うおっ! 子供?」

 すぐ後ろから警戒したブラン団長の声が聞こえて振り返ると、ブラン団長は目がこぼれるんじゃないかというくらい見開いて「……セナ?」と呟いた。

「ブラン団長!」
「……セナ? 本当にセナか?」
「うん! 久しぶり!」

 私が挨拶するとブラン団長は乗っていた馬を止めた。
 馬に乗っているブラン団長の目の前の馬上に転移したらしい。私が掴んだのはお馬さんのたてがみだった。

 ブラン団長が止まると後ろから、馬に乗ったフレディ副隊長とパブロさんが現れた。

「急に止まっていかが……」
「どうし……セナさん!?」
「久しぶり!」

 急に目の前に現れた私に、ブラン団長達は考えがまとまらないらしく、何かを言いかけてはくちを閉じていた。

「あのね、あの老害に聞きたいことがあるの」
「……何かあったのか?」
「うん……」
「……戻ろう」

 みんなを連れて転移しようかと思ったんだけど、後ろから遅れて馬車が到着してしまったため、クラオルに止められた。
 馬車の御者さんに「急遽戻ることになった。ゆっくりで構わないから王都に戻ってくれ」とブラン団長が言い、馬車もUターンが決まった。
 ここからなら、馬でも数時間で済む。あんまり王都から離れていなくて助かった。

 そのままブラン団長のお馬さんにお願いして、王都に向かって急いでもらう。
 お馬さん達にはちゃんとヒールをかけてあげたから、疲れも大丈夫だと思う。

「まだカリダの街に戻ってなかったんだね」
「……一度戻ったが、王都はいまだ混乱していて警備上滞在していた」
「なるほど。ごめんね」
「……いや、セナのせいじゃない。グレン殿が見えないが影か? ジルベルトはどうした?」
「ううん……ジルには待ってもらってるの」
「……それが原因か……後でフレディ達と一緒に聞いても構わないか?」
「うん」

 ブラン団長はその場では深く追求したりせず、私の頭を撫でてくれた。懐かしい感覚にちょっと泣きそうになってしまった。



 王都には三時間ほどで着き、そのままお城のブラン団長の部屋に通された。
 部屋に入ると、パブロさんとフレディ副隊長に「会いたかった」ともみくちゃにされた。
 パブロさんが紅茶を用意してくれて、みんなでソファに座る。私は念の為に結界を張らしてもらった。

「……落ち着いたか? セナ。話してくれるか?」
「はい」
「うん。あのね……」

 まずシュグタイルハンの王都で、ドナルドさんからガルドさん達の情報を聞いたところから話し始めた。
 村の現状、病気の疑い、グレンのこと、村に伝わる伝承、ジルの記憶……ひと通り話してから紅茶で喉を潤した。
 三人は黙ったまま耳を傾けてくれていた。

「……そんなことあるのか?」
「私も聞いたことがありません」
「でも、本当なんでしょ?」
「うん」

 ブラン団長達も聞いたことがないらしく、信じにくいみたい。

「……セナは大丈夫なのか?」
「私は何ともないよ。伝染うつったりはしないと思うから安心して」
「……いや、それは疑っていない。だが、アレに会うとすれば許可がいる。セナだから許可は下りるだろうが、説明が必要だ」
「わかった」

 やっぱり、こっそりってワケにはいかないのね。お城に侵入しちゃった方が良かったかな?
 フレディ副隊長にどうやってあの場所に来たのかと聞かれたので、転移で移動したことを説明すると、苦笑いされた。
 ちゃんとクラオルから話していいって許可もらったよ!

「……まさかと思ってたが、本当にそう言われるとはな……」
「えぇ……驚きです」
「やっぱりセナさんはすごいんだねぇー」

 三人とも予想はしていたらしい。
 失われた伝説の魔法は総じて消費魔力が激しいと言われているらしく、体は大丈夫なのかとパブロさんに聞かれた。ポーションがあるから大丈夫だと説明して、納得してもらうのに骨が折れた。
 
 ブラン団長が緊急だと王様に連絡してくれると、すぐに会えることになった。
 前にも来たことのある執務室に向かうと、疲れた様子の王様と王太子が揃っていた。
 まだ国内が安定していないため、王様は引退していないらしい。
 私が再び説明をすると、王太子がアーロンさんと連絡を取り、早々に許可が下りた。

「アーロンからの伝言で、言ってくれれば転移門ゲートを使わせてやったのに……だそうです」
「マジか! 頼めば良かった! でもブラン団長達に会いたかったからな……」
「……セナ」

 ブラン団長は隣りに座った私の頭を撫でてくれた。

「本日の午前中までシュグタイルハンの王城にいたそうですね。どうやって移動したのか聞いてもよろしいでしょうか?」
「うーん。ちょっといろいろとね。聞いてどうするの?」
「…………いえ、気になったものですから」
「知らない方がいいこともありますよ。知ってどうこうできると? 好奇心は身を滅ぼすこともありますので、気を付けた方がいいですよ」

 まぁ、怪しまれるとは思ってたけど、信用できない王太子に話すとでも思ってたのかな?
 おそらく予想はついてるんだろうけど、確証が欲しい……もしくは、やり方を教えて欲しいってところかな?
 それにしても……いつもより丁寧なパブロさんの発言がトゲしかないんだけど、そんなこと言っちゃって大丈夫なの!?

「……許可も下りたし、早速向かうか?」
「うん!」

 ブラン団長がナイスアシストをしてくれて、私は元気よく返事をした。
 ブラン団長にお子様抱っこしてもらい、長い足で急ぎめに廊下を進む。
(早い。足の長さって大事ね)
 老害が隔離されている塔は、敷地内にはあるけど王城から少し離れた場所にあるらしい。塔と呼ばれてはいるけど、地上よりも地下に伸びているんだそう。周りには結界が張られているらしい。



 着いた場所は塔は塔でも羽根のない風車みたいな外観だった。
 警備員は一人もおらず、不思議に思って聞いてみると「人がいた方がバレる可能性が上がる。それにここは目くらましの結界に守られているし、牢はさらに頑丈だ」と教えてくれた。
 まぁ、確かにパパ達の魔力も感じるから、ある意味守られているのかもしれない。

 老害は地下五階の牢屋に座った状態で両手を壁に鎖で繋がれ、足には大きな玉の足枷が付けられていた。

「……あまり近付くな」
「うん」

 私が鉄格子に近付くと、老害が顔を上げた。老害は少しやつれていて、うつろな目をしていた。
 パパ達の罰に心がすり減らされているのかもしれない。
 クラオルとグレウスが肩の上で警戒していて、ウェヌスがみんなにバレないように大きなサイズになった。

「久しぶりだね」
「ぎさま……」
「わお。声が枯れてるね。余計なことは聞きたくないから、嘘付かずに質問に答えてね」
「ぐっ……わかった……」

 隷属の首輪が作用したのか、顔をしかめてから了承した。
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