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第二部 10章
馬車に響く絶叫
今回の馬車はマンション付きの馬車の方。理由はアクエスパパに「コテージに案内する前に耐性を付けておいた方がいい」と言われたから。
ガルドさん達は前回と違う小さめな馬車を見て「馬車何台持ってんだよ……」って苦笑いしてたけど、特に追求されることはなかった。
運転をニヴェスに任せて、普段御者席にいるジルも中に入ってもらっている。ダンジョンから離れてちょっと落ち着いた頃を見計らって、ガルドさん達をマンションの玄関に招き入れた。
マンションは私が作ったときよりも広くなっていて、ガルドさん達のことを考えてパパ達がいじってくれたっぽい。
「な、なんだここは……」
「うわぁ~」
「すごいですね……」
「……広い」
四人の驚き具合にクスクスと笑っていると、ガルドさんに上からガシッと頭を捕まれた。バレーボールみたいに……
ちょっとズレたらアイアンクローになっちゃうよ! ジワジワ力込めないで!
「どういうことだ? しっかり説明してくれるんだろうな?」
「んとね、馬車の中が狭いからってパパ達が作ってくれたの」
「んなっ!? ……まぁ、あの神達ならありえるか……」
〝パパ達〟発言でガルドさんは納得してくれたらしい。
ジュードさんは大爆笑、モルトさんは納得、コルトさんはガルドさんに掴まれていた頭を撫でながらヒールをかけてくれた。
三人はマンション内を見てくるとワクワクした様子で中に上がっていった。
「ってことはこの馬車も……」
「うん。ガイ兄とイグ姐が作ってくれたから頑丈だよ! よくわかんないけど、細工してあるって言ってた。あの大きい方の馬車もガイ兄達だし、ニヴェス達のハーネスはアクエスパパとエアリルパパが作ってくれたんだよ」
私が教えてあげるとガルドさんはピクピクと口元を引き攣らせた。
「あぁぁぁぁ! セナっちー!?」
ガルドさんと話していると、ジュードさんの叫び声が聞こえた。
急いで向かうと、ジュードさんがいたのはキッチン。キッチンの充実さに驚いたらしい。
「すごい! すごい! 面白い! セナっち! これは何!?」
「ふふっ。それはピーラーだよ。簡単に野菜の皮を剥く道具」
「コレはー!?」
「それは蒸し器」
「ムシキ?」
「食べ物を水蒸気で蒸す道具だよ」
どうやって使うのかを説明するために蒸しパンを作って見せると、ジュードさんは顔を真っ赤にテンションが急上昇。
「お、おい。少し落ち着け」
「落ち着けるワケないでしょー!? セナっちコレは!? これも便利道具!?」
ジュードさんは瞳をギラつかせて、おろし器を片手に迫ってくる。
正直ちょっと怖い。
ジュードさんの気迫にジリジリと後退するとガルドさんの足に当たってしまった。
じわじわと近付いてくるジュードさんに、ガルドさんが腕を伸ばしてデコピンを三連発。
「いっ!」
「落ち着け! ったく……怖がらせるな」
「はっ! セナっち、ごめーん」
「う、うん。大丈夫……焦らなくてもこれからジュードさんも使えるよ」
私がガルドさんの足に抱きつきながら言うと、ジュードさんは「そっかー。そうだよねー! 毎日楽しみにしてればいいんだねー!」と満面の笑みで頷いていた。
これからご飯作りの度に質問攻めされそうな気がする……
〈セナ。美味しそうな匂いがする〉
「蒸しパン作ったから、みんなで食べよ?」
〈おぉ! レーズン入りか!?〉
「ちゃんと入ってるよ」
ジュードさんの声で後ろに集まっていたみんなをリビングに促し、全員に蒸しパンを配る。
ガルドさん達は普通のパンとの違いに驚いていた。
◇
説明がてらガルドさん達と一緒にマンション内を見て回ると、玄関同様にお風呂場も広くなり、ベッドの数も増えていた。あげくにベッドエリアとの仕切りも置いてあって、マンションというよりもホテルみたいに進化していた。
特に四人共、トイレへの食いつきがヤバかった。
水洗自体が初めて見るモノで「構造は?」「なんでこんなのを知ってる?」「流れた水はどこへ行く?」と矢継ぎ早に説明を求められた。
前世である日本のことをハッキリ言えない私は……「あんまり覚えてないんだけど、私の故郷にあったやつだって。パパ達が作ってくれたから構造とかよくわかんない。水はキレイになるって言ってたよ」と、全部マルっとパパ達のせいにしちゃった。パパ達ごめんね!
パパ達を出したからか、ガルドさん達はそれ以上追求してこなかった。ただ「どんだけ気に入られてんだよ……」って疲れたようなガルドさんの呟きが聞こえた。
うん。それは私も思ってるよ? なんでこんなに優しくしてくれるのかな? って。
◇
マンションの見学が終わった私達はリビングのソファでくつろいでいる。
帰り際におばあちゃんに「ステータスを見てみぃ」と言われたのを思い出し、ガルドさん達にも伝えると、全員でチェックすることになった。
ドキドキしながらステータスを開く。
┏【ステータス】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
【名前】 セナ・エスリル・ルテーナ
【種族】神人(*隠蔽中)
【年齢】5歳
【職業】Cランク冒険者・行商人
【レベル】261(*隠蔽中)
【状態】健康
【ユニークスキル】(*隠蔽中)
看破
無限収納EX
全言語理解
特殊隠蔽
音楽再生
【スキル】(*隠蔽中)
・水魔法500・風魔法500・氷魔法500・雷魔法476・光魔法499・闇魔法353・無魔法386・空間魔法473・火魔法250・土魔法268・草魔法250
・付与490・鍛冶361・木工500・採掘102・解体250・家事498・直感412・察知364・索敵500・探査376・隠密413・結界483・魔力精密制御468・夜目287・薬学394・錬金術473・身体強化459・意思疎通388・使用魔力減少339・メモリー416・念話439・歌唱398・演奏321・武器術367・武闘術286・自然回復333
【耐性】(*隠蔽中)
状態異常耐性500・精神耐性500・物理攻撃耐性500・魔法攻撃耐性500
【従魔】・ヴァインタミア→クラオル
・エキュルスタミア→グレウス
・スピーアスパイダー→ポラル
・古代龍(赤龍)→グレン
・ザラムパルドゥス→ネラース
・グレッチャジャマド→アクラン
・不死鳥→ルフス
・フェーリスウールヴ→ニヴェス
・ミノタウローナ→シュティー
・サテュロナ→カプリコ
【契約精霊・妖精】・元精霊王→エルミス
・元精霊王→プルトン
・精霊帝→ウェヌス
・ブラウニー→キヒター
【称号】(*隠蔽中)
・異世界転生者
・パナーテルの愛を受け取りし者
・神を土下座させた者
・アクエスの愛娘
・エアリルの愛娘
・イグニスの愛し子
・ガイアの愛し子
・創世の女神ヴィエルディーオの孫娘
・ヴァインタミア族の英雄
・カイザーコングの盟友
・神達に愛されし者
・精霊に愛されし者
・癒しのマスコット
・ラブハンド
・天災級魔獣の討伐者
・キアーロ国の救世主
・女神と呼ばれし者
・家族を愛し家族に愛される者
・弱き者の味方
・魔物大量発生ダンジョン踏襲者
・特異ダンジョン踏襲者
・稀代の発明家
・食の伝導者
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
(うわぁ……あんまり戦ってないのにレベルの上がり方がえげつない……文字化けはなくなったけど……これ、順番入れ替わるのか……)
「「「え゛ぇぇぇぇえ!?」」」
ガルドさん達の叫び声にステータスボードから顔を上げると、ガルドさん達は零れ落ちそうなほど目を見開いて、顎が外れそうなくらい口を開いていた。コルトさんだけは驚いているみたいだけど口を真一文字に結んでいる。
「おかしいだろ……」
〈なるほど。あのダンジョンはレベルが上がりやすいんだな……もう少し狩った方がよかったか?〉
ガルドさんは天を仰ぎながら呟き、グレンはニヤリと笑っている。
ジルは……なんかすごく嬉しそうなんだけど……
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