転生幼女はお詫びチートで異世界ごーいんぐまいうぇい

高木コン

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11章

武器試しで狩られる魔物



 短剣が完成したことでコツを掴んだ私は、そのままジルの片手剣を作り始めた。
 その日の夜ご飯のときに短剣を配ると、ガルドさんに「俺の片手剣も頼めるか?」と依頼された。王都で買ったけど、ここ数日ジルに稽古を付けていたらしく、もう欠けてしまったそう。
 ガルドさんは「次の街まで持てば充分だから適当でいい」って言ってだけど、どうせ作るなら、ちゃんとしたのを作ってあげたい。
 ガルドさんだけじゃなく、他のメンバーの武器も新調しちゃおう!


 案の定、夜にジルが短剣を抱きしめて眠ろうとしていたから、注意することになったよ……
 ものすごく残念そうに肩を落とされて、その日はグレンとジルに挟まれてベッドに入った。



 ガルドさんの片手剣はジルより大きめ。ジュードさんの短剣二つも少し大きめなもの。
 この二人のは今までと同じデザイン。
 モルトさんのレイピアは、日本で見た中世の映画をイメージして、通常のレイピアより少し太くした。ちゃんとようにしたから簡単には折れない。
 コルトさんの槍は、呪淵じゅえんの森の木を使おうと思ったんだけど、グレンに止められ……以前ダンジョンで手に入れた【トレント木材】を使った。

 私が集中して作業できるように、途中の村や街はスルーしてくれている。

 その人に合わせて調整していたから時間がかかってしまった。
 結局、全員の武器を作り終えたころには、十日以上が経過していた。



 微調整を繰り返して完成した武器をみんなにお披露目しようと、馬車を引いてくれているニヴェスに近くの森へ向かうようにお願い。
 森へ着いたのはそろそろ日が暮れてくる時間だった。

『久しぶりね!』
「ごめんね。みんなストレス溜まってるよね。遊んできて大丈夫だよ。夜ご飯には戻ってきてね」

 私が声をかけると、ネラース達は元気よく返事をしながら森へ駆けていった。道中あまり魔物が現れず、ウズウズしていたみたい。それでも、肉の在庫は順調に増えてるんだけどね。

 それぞれの武器を渡して、狩りに行くみんなを見送る。グレンはジルに付いて行った。

『主様はどうするの?』
「野営の準備してるから、クラオルとグレウスとポラルも遊んできて大丈夫だよ」
『でも……』
わしらがいる》

 遊びに行きたいけど、私を心配するクラオルにエルミスが背中を押した。それでもクラオルは悩んでいる。

「ねぇねぇ、クラオル。グレンとかネラース達とか……みんなお肉しか頭にないから、何か野菜とかナッツ系とか食べられるもの探して欲しいんだけど、お願いできる?」
『食べ物?』
「そう。王都から離れて荒野地帯じゃなくなったでしょ? だから今まで見たことないのがあったら嬉しいなって。クラオルなら私が気になるもの予想できるでしょ? 私も行きたいけど、グレン辺りがおなか空かせて帰ってくると思うんだよね……」
『そうねぇ……わかったわ! 探してきてあげる!』
「ありがとう! さすがクラオル! グレウスもポラルもお願いね」

 クラオル達は私にスリスリした後、森の木に登っていった。
 これで私を気にしないで森を満喫してくれるでしょう。ただ、食材探ししなきゃいけないけど。

《うふふ。セナちゃんったら、あんな言い方するなんて》
「ん~? なんのこと?」
《ククッ。あるじの優しさだな》

 精霊二人にはバレバレだったけど、嘘は付いていない。食材はあったら嬉しい。ただ、クラオル達が私を気にして楽しめないのが嫌だったんだもん。だから〝お願い〟した。

「よし、夜ご飯の準備だよ!」

 エルミスとプルトンに声をかけて、伸びている草を刈った。
 ウェヌスは今精霊の国でお仕事中。あのマッチョだらけの迷宮に付き合ってくれていたせいで、お仕事が溜まっちゃったみたい。たまにご飯の時間に現れて、ご飯で英気を養って戻っていく。

 人数が増えた今、私のコンロだけだと足りないため、簡易竈やたき火も作る。
 王都を出発してからジュードさんに任せきりだったから、張り切らないと! まぁ、ジュードさんがコテージのキッチンを占領してたせいもあるんだけどね。

 今日は久しぶりにミネストローネ。理由は、暴れて帰ってきたみんなにはさっぱりしたスープがいいんじゃないかと思って。っていうのは建前で、私が食べたかったから。

 大きな寸胴鍋二つにミネストローネを作り、たき火でオークとバガンタールの串焼きを焼いていく。

 一番最初にグレンとジルが戻ってきた。狩ってきたのは大きなボアが三匹。
 ジルは「さすがセナ様です! とても扱いやすく、手に馴染みます! そして斬れ味が素晴らしいです!」と興奮気味に褒めてくれた。

 次に戻ってきたのはクラオル達。
 クラオルのつるを器用に籠のように編み込んだものの中に、ナッツ系がいっぱい入っていた。ネギとニラが束になっているのはポラルが集めてくれたらしい。

 三番目はネラース達。彼らもがっつりお肉を狩ってきた。その数、十五匹。ウサギの巣穴を見つけたんだって。

 最後に戻ってきたのはガルドさん達。ただ、なぜか雰囲気が怒っていらっしゃる。
 「おかえり!」と笑顔で迎えると、ガルドさんにため息を吐かれた。

「ハァ……一気に気が抜けちまった。お前さん、なんつーもん作ったんだよ……」
「え? ダメだった?」
「違ぇ……斬れ味がよすぎなんだよ! 軽いわ、チカラ入れなくても斬れるわ……ホント何なんだよ……」
「それ、ダメなの?」
〈ククッ。当たり前だ。セナが作ったモノだぞ? そんじょそこらのモノと比べるな。嫌なら使わなければいい〉

 ちょっとお疲れ気味のガルドさんに、グレンが言うと、ガルドさんはまた盛大にため息をついた。
 ダメなら作り直さなきゃと思ったけど、ガルドさんは「ありがとうよ」と私の頭を撫でてくる。
 大丈夫なのか聞いてみると「慣れてなくて驚いただけ」らしい。だから作り直さなくていいと言われた。

「大丈夫ならいいんだけど、直した方がよかったら言ってね?」
「わかった。(なまくらにしてくれなんて言えるかよ……)」
「ごめん。途中から聞こえなかった。やっぱり直す?」

 ガルドさんの返事の途中からよく聞こえなくて聞き返したのに、「違ぇ! なんでもねぇ!」と頭をグシャグシャにされた。
(むぅ……せっかくプルトンが毎日セットしてくれてるのに……)
 私がくちを尖らせると、コルトさんが槍のお礼を言いながら、手ぐしで直してくれた。

「ガルドさん達は何狩ったの??」
「よく聞いてくれたねー! セナっちが作ってくれた武器のおかげでいっぱい倒せたんだよー!」

 ジュードさんがテンション高くマジックバッグから獲物を出していく。
 ウサギ、ボア、猿、鳥……総数二十匹以上。
 怒っていたのに一番狩ってきていた。

「すごいよー! スパスパ切れるんだもん。楽しくなっちゃってさー!」
「気に入ったのならよかった!」
〈セナ! もう食べられるのか?〉
「お肉が焼けたら食べられるよ」

 グレンはもう武器のことより、ご飯が食べたいみたい。ジュードさんが話している間にもお鍋を覗き込んでいる。

 ラグを出し、お肉が焼けたらみんなで夜ご飯。
 グレンとジルは久しぶりに私が作ったご飯だからか、おかわりしまくって二人でほぼ一つの鍋をカラにしていた。

 デザートはかき氷。
 これは精霊の子達が魔道具として、かき氷器を作ってくれたんだよね。
 削られた氷はフワッフワでくちに入れた瞬間に溶けてなくなる。
 このかき氷もみんなは気に入ったみたいで、エルミスに氷をねだっていた。


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