転生幼女はお詫びチートで異世界ごーいんぐまいうぇい

高木コン

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11章

過去の栄光

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 朝ご飯を食べた後、ツィンク君達をガルドさん達に任せ、私はコテージで実験。
 エルミスは昨日と同じくガルドさん達に付いていて、プルトンはそのまま情報収集。昨夜プルトンがちょっとだけ戻ってきて、闇の子を呼んだ。村の老人達だけじゃなく、坑道内の様子も探るらしい。

 キッチンが煙りで充満するのは昨日で懲りたため、海岸にコンロを出した。
 クラオルとグレウスは前にダンジョンで作ったマスク着用。マスクでも全ての匂いは遮断できない。インスタントコーヒーの粒を一粒ずつ握り、時々鼻をリセットしている。コーヒー、手に入れててよかった!

 何回も何回もチャレンジして、なんとか午前中に食べられるくらいのスモークチーズが完成した。



 お昼ご飯をツィンク君達と食べたら、私達は街に向かう。
 街へはガルドさんも一緒。ツィンク君兄弟が懐いてくれないため、気まずいらしい。
 ジュードさん、モルトさん、コルトさんは村に残ってもらう。連絡のため、エルミスも居残り組。同じく、情報収集のためにプルトンにも残ってもらう。

 街までは通常ならば馬車で二日。歩くと五日くらいかかる。

 ツィンク君の両親の話では、村人は十日に一度、村長所有の馬車で匂い鉱石を街に卸しに行き、買い取ってもらったお金で食料を買って戻ってくるらしい。
 行くメンバーは固定で、村長と他二人。残りの村人は街どころか、村の外へ出たこともない人が多いそう。
 食材は村人全てに平等に振り分けられる。調味料も服も……何もかもが支給品。

 村では幼いころから「村のために働け」と周囲に言われ続け、十二歳になったら坑道デビュー。そこからは熱が出ようが、身内が死のうが、毎日朝から夕方まで匂い鉱石の発掘作業。日本のブラック企業より酷いかもしれない。夜眠れるという点だけはマシかもしれないけど。


 馬車はジュードさん達が泊まるため、村に置いていく。
 村に残るメンバーに手を振って、私達はネラース達に跨った。

 ネラース、ニヴェス、アクランに飛ばしてもらい、道中の魔物はグレンとルフスが瞬殺。
 次の日のお昼前には街に着いた。
 アーロンさんから連絡が来ていたらしく、門番の兵士さんに笑顔で迎えられた。

「王都だけじゃねぇのか……」
「そうですね。シュグタイルハン国内は、アーロン陛下から通達されているはずです」
「なるほどな……それでこの待遇か」

 私達のギルドカードをチェックした兵士さんのニコニコ対応に、ガルドさんは驚いたみたい。

「サフロムの街へようこそ! 陛下から知らせはありましたが、まさかこの街に来られるとは思っていませんでした」
「ねぇ、お兄さん。この街の特産品とか教えてくれる?」
「あー……この街は、シュグタイルハン国の中でも小さい街なんです。他の街と違ってダンジョンが近くにありません。なので、訪れる冒険者も少ないんですよ。そうですね……強いて言えば、街の名前にもなっているサフロームという花でしょうか? おもに、染料に使われてます」
「なるほど。ありがとう!」
「いえいえ! ちょうどギルドに到着です」

 案内してくれた兵士さんに再びお礼を言うと、兵士さんは元気に走って門に戻って行った。
 兵士さんが街が小さいと言っていた通り、今まで寄った街よりも冒険者ギルドが小さめ。

 中に入ると、冒険者は一人もおらず、職員からの注目を集めた。
 真っ直ぐカウンターへ向かうと、「いらっしゃいませ!」と受け付けのお姉さんは元気よく声をかけてきた。

「悪ぃが、ギルマスを頼む」
「どういったご要件でしょうか?」

 不思議そうに首を傾げたお姉さんに、私達がギルドカードを見せると「まあ! 噂のセナ様でしたか!」と大声で言われてしまった。お姉さんの声に、カウンター裏にいるギルド職員がザワザワとし始め、男性が一人走って二階に上がって行った。
 人がいないからいいけど……冒険者に絡まれたくない私は苦笑い。後でギルマスに注意してもらおう。
 バタバタと二階から降りてきたのは、少し緑がかった肌の、私よりも少し身長が高い女の子だった。ただ、顔の作りは大人っぽい。

「あたしがこの冒険者ギルドのギルマス、クエバだよ。ドワーフだから小さいけど、何十年も前に成人してる。見た目で判断しないでもらいたい。とりあえず応接室に行こうか」

 何も言っていないのに……
 容姿のことでよく年齢を聞かれるのかもしれないなと思いつつ、商業ギルドのギルマスも呼んで欲しいと頼んだ。
 応接室はギルマスの身長に合わせているのか、置いてある家具が全体的に低い。私は座りやすいけど、背の高いグレンとガルドさんは座りにくそうだった。

「まさかこの街に来るとはね。素材でも売りに来たのかい? 先に言っておくけど、他の街みたいに大量には買い取れないよ」

 手の平をヒラヒラとさせながら一人で喋り始めたクエバさんに、私達は顔を見合わせた。

「フィメィ村について聞きたい」

 ガルドさんが訊ねると、クエバさんは「フィメィむらぁ?」と声を上げた。

「あの頑固ジジイ達の村がどうかしたのかい?」
「頑固ジジイ?」
「そうだよ。大昔、って言っても百年は経っていないか……あそこの村で採れた鉱石がバカ売れしてたんだよ。それはもう、ものすごくね。だけど問題になって、今じゃほとんど使われちゃいない。その栄光にしがみついているジジイの村だろ? いらない鉱石なんかより、薬草でも持ってきてくれた方がありがたいんだけどねー。あのジジイ共はこっちの話なんか聞く耳持たないのさ」

 クエバさんは呆れたように笑っている。

「しかもあのジジイ共は、村の住民以外は〝よそもん〟とか言って毛嫌いしてるんだよ。なんでも、昔、冒険者が村の採掘現場に勝手に入って鉱石を持って行ったらしくてね。それも定かじゃないからあたしは狂言だと思ってる。過去の栄光にしがみついて独り占めしたいのさ。今じゃ頼まれたって盗みなんかしないのにね。まあ、詳しい話は商業ギルドに聞いた方がいいよ。あのジジイは冒険者ギルドにはてんで寄り付かないから」

 クエバさんが話す内容から、聞きたい情報はほとんど聞けてしまった。

「なるほど……どうしようかな……」
「まさか鉱石が欲しいなんて言わないだろ? あれはグリーン玉以外、気休めのお守りにしか使われていないよ」
「あぁ……えっと……商業ギルドのギルマスが来たら話します」
「そうかい。今、お茶用意するからちょっと待ってな」

 そう言って、クエバさんは応接室を出て行った。

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