転生幼女はお詫びチートで異世界ごーいんぐまいうぇい

高木コン

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11章

火力が足りない



 翌日、私達はサフロームの花も収穫させてもらった。
 鑑定したら紅花だったんだよね。こっちでは染料にのみ使われているらしいけど、私は紅花油にするつもり。毒もないし、食べられるって鑑定に書かれていたから大丈夫!
 ただ、油にする方法がわからないから、精霊の子達に協力してもらうつもり。

 収穫を終えた私達は二日ほど買い物に費やした。
 ギルドで飲んだバニラフレーバーの紅茶葉も大量に購入。これはジルの希望。
 ジルもだけど、みんなは全然物を欲しがらない。いっぱいお金はあるから好きな物を買えばいいのに、なぜか基準が私 が使うかどうか。
 私が一緒じゃないときのためにグレンにもジルにもお金を渡しているのに、使っている気配がない。ジルの冒険者カードにもお金が振り込まれてるハズなんだけど……これは気付いているのかすら謎。



 買い物を終えた私達は、サフロムの街を出発して、再び北を目指している。
 馬車からコテージの作業部屋に行こうとしていた矢先、ウェヌスに呼ばれて指輪を使って精霊の国に来たところ。
 ガルドさん達は馬車とコテージで好きにすごしてもらっている。

《お呼びだてして申し訳ありません》
「大丈夫だよ。〝赤〟と魔道具の子が困ってるんでしょ?」
《はい。それが……セナ様が求めていた燻製器で揉めておりまして……》
「マジか!」

 揉めているという窯のところに着くと、どうも魔道具の子達と〝赤〟だけじゃないみたい。
 私に気が付いた魔道具の子から話を聞く。
 揉めている原因は、魔道具の子達に頼んだ物と〝赤〟にお願いしていた物、どっちを先に窯で焼くかで揉めていたらしい……
 それを聞いたウェヌスが「そんなことでセナ様を呼ぶなんて……」と、怒り始めてしまった。

《セナ様に聞いてみるっす! セナ様! 土鍋の方が大事っすよね!?》
「私にとっては両方大事だよ。一緒には焼けないの?」
《それは無理なんす。火の温度が違うし、今回オレ達の土鍋焼いたらしばらく窯使えないんす。あっちの焼いてもしばらく窯使えなくなるんす》

 どういうことかと聞いてみると、大きさが問題だった。二グループ共、私が頼んだサイズよりはるかに大きい。
 〝赤〟の方はファミリーサイズの土鍋のはずが、直径四メートルサイズ。
 魔道具の子達の方は一メートル四方の燻製器のはずが、巨大な部品。多分焼いた後に組み立てるんだと思うけど……一番大きな部品が三メートルはありそう。
 二種共、巨大すぎて魔力的に連続では焼けないらしい。しかも片方焼くのもギリギリだそう。
 ちなみに、土鍋自体は土の子達が作製。さらに焼くのにあたって、巨大な窯も新しく作らなきゃいけないみたい。
 確かに「大きいの」とは言ったけど、これくらいってちゃんと説明したのに……ギネスもビックリだよ……

「せっかく作ってくれたけど〝赤〟も火の子達も倒れちゃうかもしれないのはちょっと……それに窯も新しく作らなきゃなんて、土の子達も大変でしょ?」
《セナ様優しいっす……でも黄が張り切って作ったから焼いてあげたいんす……》
「キ?」
《ハイ! ハイ! ウチのことです!》

 しょげながら〝赤〟が言うがわからなくて首を傾げると、元気よく手を挙げて精霊が一人、前に出てきた。
 その子は黄土色の髪の毛をツインテールにしていて、毛先がクルンと巻いている。〝赤〟より若く、歳は十五歳くらいに見える。イタズラ好きそうな顔付きで〝元気いっぱいの女の子〟って感じ。
 は黄色のだったらしい。
 ウェヌスいわく、この子も元精霊王で〝赤〟の妹分。仲良しなんだそう。

あるじが契約すれば魔力は大丈夫じゃないのか?》
「へ?」
《それはいいですね。花と緑もセナ様と契約を希望しておりました》
「え?」
《花は植物、緑は風の元精霊王です》
「マジか……」

 〝花〟と呼ばれる方は私のために草魔法で食材を育ててくれていて、〝緑〟と呼ばれる方は言わずもがな調べ物のときに頑張ってくれていたらしい。
 頼んでいた手前、私に拒否という選択肢はない。契約しても仕事内容は変わらず、もちろん私に呼ばれたら駆け付けてくれるそう。
 クラオル達はチンチラのことは嫌がっていたのに、精霊との契約は『主様の役に立つわ』なんて乗り気だった。

 ウェヌスに〝花〟と〝緑〟を呼んでもらい、契約する意思を確認。
 〝花〟はと呼ばれるだけあって、頭に花かんむりを乗せ、長いふわふわの髪の毛に小さな花がちょこちょこ付いている。二十代後半くらいのおっとりした女性。俗にいうたぬき顔で、タレ目が可愛い。着ているマキシ丈ワンピースも花柄だった。
 〝緑〟はなぜかリーゼント。しかもなぜか上半身裸でおなかにサラシみたいなのを巻いている。しかもズボンはニッカポッカ。そこはボンタンじゃないのか……って思ったけど、これを履き始めたのは最近らしい。キアーロ国で冒険者が履いているのを見かけて、わざわざ博士に作らせたんだって……顔も凛々しく〝兄貴〟って感じ。鍛えられた肉体美を持つ、二十代半ばくらいの男性。

「四人とも私と契約して後悔しない? 大丈夫?」

 私が最後にもう一度問いかけると、揃って頷かれた。

「それなら…………〝赤〟はアレス、〝黄〟はクロノス、〝花〟はユピテル、〝緑〟はコメータ」

 私が名前を呼ぶと、それぞれ契約の際の光りを放つ。四人一気に契約したため、目を閉じていても眩しかった。
 発光が収まったのを見計らって目を開けると、〝赤〟と〝黄〟が手を取り合って《やったー!》と小躍りしていたんだけど……
 〝花〟と〝緑〟の喜びようがすごかった。〝花〟はどうやって出したのかわからないけど花びらを撒き散らし、〝風〟はジェットコースターのようにピュンピュンクルクルと高速で飛び回っている。
 前々からウェヌスに伝えていたっていうのは本当みたい。
 私との契約をそこまで喜んでくれるとは……
 名前の持つイメージがちょっと違う子が一人いるけど、そこは内緒にしておこう。

 私と契約したことで魔力の底上げがされて、ケンカの原因になった火力問題は解決したみたい。
 やる気を上げた四人は早速仕事をしてくると飛んで行った。
 コメータには何も頼んでなかったんだけど、彼ら風の子達は精霊の国の見回りをしているらしい。ミスリルカイーコを発見したのも、が開いたのを見つけたのも、彼ら風の子っていうから驚き。

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