転生幼女はお詫びチートで異世界ごーいんぐまいうぇい

高木コン

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11章

女神のイタズラ心



「あ! そうだ。ねぇ、おばあちゃん。ほうじ茶売ってもらえない? みんな気に入ったみたいで、また飲みたいって」
「ヒャーヒャッヒャ。あれはあやつに頼めば手に入る」
「あやつってインプ?」
「ヒャッヒャッヒャ。いかにも」

 旅館で頼めるなら、ガルドさん達も好きなだけ買える。多少高くても、私がガルドさん達にプレゼントすればいい。お金はいっぱいあるからね!

「二日酔い用のお茶も欲しいの。なくなっちゃったから。あと、腐呪ふじゅの森にマヨネーズがあったんだけど、もしかしてケチャップもそのまま存在してる?」
「んん? 腐呪ふじゅの森にいなかったかの?」
「中心の木にマヨネーズがぶら下がってて、その下にヨーグルトの泉があったよ」

 おばあちゃんは片眉を上げて、私の額に人差し指を伸ばしてきた。
 ポワァと温かい熱が生まれると、おばあちゃんは「ふむ」と何やら納得した様子。

「ペコラプチャケに会わんかったんじゃな……」
「ペコチャ?」
「ペコラプチャケじゃ。ふむ……そうじゃのぅ……」

 おばあちゃんは考え込んでしまい、私は首を捻るばかり。
 五分ほどでおばあちゃんは何か思い付いたのか、楽しそうに笑い出した。

「ヒャーヒャッヒャ! 少し準備が必要じゃ。それまで使う分は渡しておこう。ちょっと待っちょれ」

 おばあちゃんは私に告げると、笑いながら部屋から出て行った。

『何かしら? 変なことじゃないといいんだけど……』
「おばあちゃんだし、大丈夫じゃないかな?」

 クラオルの呟きに私が反応すると、『主様……』と呆れた声で呼ばれた。
 そんな呆れられる要素なんてどこにもなかったと思うんだけど……

『(全く、人を疑うことを知らなさすぎるわ……)』
「ん? なーに?」
『何でもないわ。ガルド達へのお土産はどうするの?』
「それが問題だよね。戻ってきたら聞かないと」

 よく聞き取れなくてクラオルに聞き返すと、話題を変えられてしまった。

 戻ってきたおばあちゃんの手には、五百ミリのペットボトルサイズのケチャップの瓶詰めが三本握られていた。とりあえずの分らしい。

「ありがとうー! めっちゃ嬉しい!」
「ヒャーヒャッヒャ。セナの料理が一番喜ぶと思うが、コレもやろうかの」

 おばあちゃんに渡されたものを見てみると、真っ白い葉っぱが四枚。

「これはなーに?」
「彼らの故郷で好まれているものじゃ」
「おぉ! それはいいね! 私のせいで国を出ちゃったから、喜ぶと思う!」
〈ガルド達のこともいいが、この街の周辺には何か面白いことはないのか?〉

 飽きてきたのか、グレンが紅茶のポットからお茶を注ぎ足しながら、聞いてきた。

「ヒャッヒャッヒャ。そうじゃの……一週間後にこの街の貴族エリアで、とある催しがある」
「催し?」
「ヒャーヒャッヒャ。そうじゃ。と思うぞい。気になるなら行ってみるとよい」

 一週間後ならガルドさん達も復活していることだろう。そしたら、みんなで一緒に行ける!

「催しかぁ~。何だろ?」
「ヒャーヒャッヒャ。お楽しみじゃ」

 おばあちゃんは教えてくれる気はないらしい。
 まぁ、行ってみればいいね!



 おばあちゃんのお店から宿に帰る途中、冒険者ギルドに寄って手紙を送ってもらった。
 この国に入ってから、あまり送れていなかったブラン団長達やタルゴーさんへの手紙。
 ついでに依頼書のチェックもしておく。一週間滞在するなら、グレン達のストレスを発散しないとね!

 宿に戻るとガルドさん達は、まだ復活していなかった。体がだる重いみたい。普通に話したり、部屋をうろつくことはできるらしい。

 ガルドさん達におばあちゃんからのプレゼントを渡すと「懐かしい!」と大喜びだった。
 何の葉っぱかわからなくて鑑定をかけてみると、〝食べられないけど噛む葉っぱ〟らしい。理解しきれなくてジュードさんに聞くと「噛んだ後、飲み込まずに吐き出すんだよー」と教えてくれた。

「試してみる?」
「いいの??」
「いいよー! セナっちは初めてだからこれくらいかな? ちょっと独特だからダメだったらペッ! てしてねー」

 ジュードさんが千切ってくれた葉っぱの欠片をくちに入れて噛んだ瞬間……途端に広がる辛味と甘味のコラボレーション。

「ヴッ!!」
「あ! ダメだった? ほら、これにペッしてペッ!」

 ジュードさんに背中をさすられて吐き出し、ジルが淹れてくれた紅茶をガブ飲み。

「す、すごい味だね……」

 日本にはなかった味。無理矢理例えるなら、日本のシュガーレスの清涼菓子の辛さを十倍に濃くしたのと、氷砂糖の甘さが一緒に襲ってくる感じ。
 これはおそらく、この世界オリジナルのモノ。地球上にあったらビックリどころじゃない。

 ガルドさんとジュードさんは「コレがクセになるんだ」と笑顔で噛んでいる。モルトさんとコルトさんは懐かしいし、食べられるけど、可もなく不可もなくって感じみたい。

 私はいいお土産が買えなかったため、夜ご飯のときにポークケチャップを作ってみんなに配った。
 ちょうどインプが用意してくれた夕食が、肉が少なかったからか、早々にお皿がカラになった。


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