転生幼女はお詫びチートで異世界ごーいんぐまいうぇい

高木コン

文字の大きさ
299 / 537
11章

模様替え





 グレンはご飯を食べ終わると〈狩りに行って来る!〉とまた飛んで行った。
 私達はシュティー達に影に入ってもらってデタリョ商会に向かう。
 なんとシュティー達は武器がシャベルとバットみたいな木の棒だったんだよね……しかも魔物との戦闘で服も二着ほど破れているのに、ソーイングセットがないから……とそのまま着ていた。
 念話が使えるんだから私に言えばいいのに、遠慮していたらしい。

「セナ様、お久しゅうございます。セナ様のレシピは大好評を頂いております。本日はレシピの件でしょうか?」
「違う、違う。今回もメインはシュティー達の服なんだけど、他にも欲しい物があって……それはメモってきたからお願いできる?」
「かしこまりました。ではご用意致しますので少々お待ち下さい」
「はーい」

 おじいちゃんと執事のお兄さんが部屋から退出したので、シュティー達を呼ぶ。
 執事のお兄さんは二人の紅茶も用意してくれていた。

 シュティーとカプリコは「二回目だけど緊張するわ」なんて手を握り合っていたのに、いざ服を見ると二人共テンションが上がっていた。
 武器と防具選びも何やらこだわりがあるっぽいから「何でも好きな物を選んで」と本人達に任せることにした。
 お兄さんがシュティー達を担当してくれているので、私はおじいちゃんに他の物を見せてもらう。

「セナ様、申し訳ありませんがレース編みの本は取り扱っておりません」
「そっかぁ……」
「と、言うよりも、レース編みのデザインがまとめられている専門書はこの国には存在しないのです」

 レース編みは貴族の女性のたしなみ。
 淑女教育の中で教えられる物で、親から子へ、または専門の講師を雇い、幼いうちから体に覚えさせるそう。それぞれのオリジナルの模様があるため、本にはできないらしい。
 貴族御用達のお店ではレース編みの取り扱いもしている、とのことだった。

「何に使うかにもよりますが、当商会でもいくつかでしたらレース編みを手に入れることも可能でございます」
「シュティー達が可愛い物好きだから、暇なときにでも自分で作れたらいいかなって思ったの。そしたらそれを使って小物作ったり、服のリメイクしたりできると思って」
「なるほど。シュティー様方のためでしたか。……基本の編み方だけでもよろしいのですか?」
「うん。上手くなったらデザインを自分で考えればいいと思うし」

 おじいちゃんは一度部屋から出ていき、一冊の本を持ってきた。この本に基礎の基礎だけ載っているらしい。
 他にもオススメの本や恋愛小説、図鑑に絵本と本だけで結構な量になってしまった。

「……これで書かれていた物は全てになりますが、他には何かご希望の品はございますか?」
「んー……あ! キヒターに何かお土産買わないとだよね。みんなは何かある?」
「差し支えなければ紅茶の葉を」
〔アクセサリー、ミタイデス〕

 ジルの紅茶はわかるけど、ポラルがアクセサリーを見たがるとは……正直意外だわ。
 おじいちゃんは「喋れるのですね……」と内容よりもポラルに驚いていた。
 お土産はどうしようかと思ったんだけど、クラオルのアドバイスで栽培用の支柱と植木鉢とプランターにした。

 おじいちゃんに再び持ってきてもらって商品を見ていく。
 紅茶はすぐに決まったんだけど、ポラルは〔コレニツイテイル、コレ、ホシイデス〕と指輪に付いていたラインストーンみたいなものを指さした。

「それは〝ワロフキー〟という鉱石でございます。色は多種、大きさは最大で三センチほど、最小ですと一ミリないものもあります。宝石よりは安いですが……」
「値段は大丈夫だよ」
「失礼致しました。では大きさや数、色などのご希望をお教え下さい」

 心配そうに私を見上げたポラルを撫でてあげると、意図がわかったのか〔イッパイ!〕と答えた。

「色と大きさはバラバラで大丈夫だから、とりあえず用意してもらえる分だけ買い取ります」
「! ……かしこまりました。すぐにご用意致します」

 困惑していたおじいちゃんに伝えると、一瞬目を見開かれた。私が全部買い取るとは思っていなかったみたい。
 おじいちゃんがラインストーンを準備している間に、シュティー達に決まったか聞いてみると……防具はちょうどいいのがあったけど、武器で悩んでいたらしい。それなら私が作ってあげよう。
 本当は防具も作ってあげたかったんだけど……防具らしい防具は作ったことないから、今回は買いに来たんだよね。そのうちちゃんとした物を作ってあげる予定。

「武器は私がなんとかするから決まった物だけ買っちゃおう」
『お嬢様ありがとう!』
『とっても嬉しいわ!』

 戻ってきたおじいちゃんに精算をお願いして、ここでのお買い物は終わり。

「そういえば、さっき思い出したんだけど、宝石いる? 前にダンジョンで真珠パールいっぱい手に入ったんだよね。あと黒真珠ブラックパールとエメラルド」
「売っていただけるのですか!?」
「あ、ギルド通さなきゃダメなのかな?」
「いえ、そのような規定はございません。ですが、トラブルがあっても自己責任となりますので、ギルドを通す方が多いです」
「なるほど。おじいちゃんだし、私は全然いいよ。ただ、面倒に巻き込まれたくないから、私が売ったことは内緒にして欲しいけど……」
「それはもちろんでございます。死んでも口外致しません! 見せていただいてもよろしいですか?」

 前にシュグタイルハン国の王都で売った残りと、黒真珠ブラックパール、エメラルドをテーブルの上に載せると、おじいちゃんはそれはもう目を輝かせた。
 特にエメラルドは前にプルトンが教えてくれた通り、最高級品と言っても過言ではないくらいで、とてもじゃないけど買い取れないと言われてしまった。

「素晴らしいですね! 真珠パールもそうですが黒真珠ブラックパールも格別。このようなものをたくさんお持ちとは……」

 おじいちゃんに見せたのはほんの一部でまだまだ在庫があるし、もっと質のいいものが残っている。やっぱり金額が付かないものもありそう。
 おじいちゃんの希望分を売ると、大量購入した金額が増えて戻ってきてしまった。真珠パールで稼いでもらいたい……



 教会に戻ってきた私達は買ってきた家具で模様替え。
 三人とも主寝室を使わないで二階の部屋を使っているらしい。主寝室は私の部屋なんだそう。

 まずは、シュティー達の部屋の家具を女性ウケがいいという繊細な彫刻が施されている家具にチェンジ。ベッドも二人が眠れる超大型に替えた。

 次は今回の模様替えの最大要因となった場所。使っていないという、一階の書斎をキヒター達が寛げる場所にしたい。
 以前買ったソファとテーブルをしまって、リクライニングソファとソファに合わせたテーブルに。フワフワのラグとクッションを置き、本棚には買った本を入れていく。窓辺とテーブルの上には花を差した花瓶。ソーイングセットは新しくかった箱に入れた。

「ここにあるのは好きに読んでいいからね。欲しい本があったら私に言ってくれれば買ってくるから」
《わぁー! 図鑑があります!》
『まぁ! 文字の勉強ができるわ!』
『素敵! でもこんなにたくさんいいの? あたい達役に立ちたいのにいっぱいお金使わせちゃってるわ……』

 カプリコは私のお財布を心配してくれたみたいで、申し訳なさそうに眉を下げた。

「ふふっ。心配しなくて大丈夫だよ。お金は使い切れないくらいあるから」
『でも……』
「日頃のお礼のつもりだったんだけど、そうだな……これからもキヒターは薬草を、シュティーとカプリコはミルクをお願いできる?」
『そんなことでいいの?』
「そんなことじゃないよ。私にとっては超重要だからね! 三人のおかげですごい助かってるんだよ?」

 三人は私の発言に大げさに感動していた。
 
感想 1,819

あなたにおすすめの小説

(完結)もふもふと幼女の異世界まったり旅

あかる
ファンタジー
死ぬ予定ではなかったのに、死神さんにうっかり魂を狩られてしまった!しかも証拠隠滅の為に捨てられて…捨てる神あれば拾う神あり? 異世界に飛ばされた魂を拾ってもらい、便利なスキルも貰えました! 完結しました。ところで、何位だったのでしょう?途中覗いた時は150~160位くらいでした。応援、ありがとうございました。そのうち新しい物も出す予定です。その時はよろしくお願いします。

神による異世界転生〜転生した私の異世界ライフ〜

シュガーコクーン
ファンタジー
 女神のうっかりで死んでしまったOLが一人。そのOLは、女神によって幼女に戻って異世界転生させてもらうことに。  その幼女の新たな名前はリティア。リティアの繰り広げる異世界ファンタジーが今始まる!  「こんな話をいれて欲しい!」そんな要望も是非下さい!出来る限り書きたいと思います。  素人のつたない作品ですが、よければリティアの異世界ライフをお楽しみ下さい╰(*´︶`*)╯ 旧題「神による異世界転生〜転生幼女の異世界ライフ〜」  現在、小説家になろうでこの作品のリメイクを連載しています!そちらも是非覗いてみてください。

処刑前夜に逃亡した悪役令嬢、五年後に氷の公爵様に捕まる〜冷徹旦那様が溺愛パパに豹変しましたが私の抱いている赤ちゃん実は人生2周目です〜

放浪人
恋愛
「処刑されるなんて真っ平ごめんです!」 無実の罪で投獄された悪役令嬢レティシア(中身は元社畜のアラサー日本人)は、処刑前夜、お腹の子供と共に脱獄し、辺境の田舎村へ逃亡した。 それから五年。薬師として穏やかに暮らしていた彼女のもとに、かつて自分を冷遇し、処刑を命じた夫――「氷の公爵」アレクセイが現れる。 殺される!と震えるレティシアだったが、再会した彼は地面に頭を擦り付け、まさかの溺愛キャラに豹変していて!? 「愛しているレティシア! 二度と離さない!」 「(顔が怖いです公爵様……!)」 不器用すぎて顔が怖い旦那様の暴走する溺愛。 そして、二人の息子であるシオン(1歳)は、実は前世で魔王を倒した「英雄」の生まれ変わりだった! 「パパとママは僕が守る(物理)」 最強の赤ちゃんが裏で暗躍し、聖女(自称)の陰謀も、帝国の侵略も、古代兵器も、ガラガラ一振りで粉砕していく。

フェンリルに育てられた転生幼女は『創作魔法』で異世界を満喫したい!

荒井竜馬@書籍発売中
ファンタジー
旧題:フェンリルに育てられた転生幼女。その幼女はフェンリル譲りの魔力と力を片手に、『創作魔法』で料理をして異世界を満喫する。  赤ちゃんの頃にフェンリルに拾われたアン。ある日、彼女は冒険者のエルドと出会って自分が人間であることを知る。  アンは自分のことを本気でフェンリルだと思い込んでいたらしく、自分がフェンリルではなかったことに強い衝撃を受けて前世の記憶を思い出した。そして、自分が異世界からの転生者であることに気づく。  その記憶を思い出したと同時に、昔はなかったはずの転生特典のようなスキルを手に入れたアンは人間として生きていくために、エルドと共に人里に降りることを決める。  そして、そこには育ての父であるフェンリルのシキも同伴することになり、アンは育ての父であるフェンリルのシキと従魔契約をすることになる。  街に下りたアンは、そこで異世界の食事がシンプル過ぎることに着眼して、『創作魔法』を使って故郷の調味料を使った料理を作ることに。  しかし、その調味料は魔法を使って作ったこともあり、アンの作った調味料を使った料理は特別な効果をもたらす料理になってしまう。  魔法の調味料を使った料理で一儲け、温かい特別な料理で人助け。  フェンリルに育てられた転生幼女が、気ままに異世界を満喫するそんなお話。  ※ツギクルなどにも掲載しております。

過保護すぎる家族に囲まれて育ったら、外の世界が危険すぎました 〜冷酷公爵の父と最強兄たちに溺愛される日々〜

由香
恋愛
過保護な父と兄たちに囲まれて育った少女。 初めての外は危険だらけ——のはずが、全部“秒で解決”。 溺愛×コメディ×ほんのり成長の、ほっこり家族物語。

『身長185cmの私が異世界転移したら、「ちっちゃくて可愛い」って言われました!? 〜女神ルミエール様の気まぐれ〜』

透子(とおるこ)
恋愛
身長185cmの女子大生・三浦ヨウコ。 「ちっちゃくて可愛い女の子に、私もなってみたい……」 そんな密かな願望を抱えながら、今日もバイト帰りにクタクタになっていた――はずが! 突然現れたテンションMAXの女神ルミエールに「今度はこの子に決〜めた☆」と宣言され、理由もなく異世界に強制転移!? 気づけば、森の中で虫に囲まれ、何もわからずパニック状態! けれど、そこは“3メートル超えの巨人たち”が暮らす世界で―― 「なんて可憐な子なんだ……!」 ……え、私が“ちっちゃくて可愛い”枠!? これは、背が高すぎて自信が持てなかった女子大生が、異世界でまさかのモテ無双(?)!? ちょっと変わった視点で描く、逆転系・異世界ラブコメ、ここに開幕☆

タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。

渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。 しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。 「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」 ※※※ 虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。 ※重複投稿作品※ 表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。