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第三部 12章
過保護の加速
ガルドさん達やジィジ達と別れ、私達はそのままおばあちゃんの空間でお泊まり。
最後にガルドさん達とジィジはがっちりと握手をしてたよ。
おばあちゃんとパパ達の〝異変がないかチェック〟でヘロヘロになってしまった。
前に入った神界のスーパー銭湯でさっぱりとして、用意してもらったベッドでゴロゴロ。
「そうじゃ。セナ、これを」
おばあちゃんに呼ばれて体を起こすと、小さなオニキスみたいな石を渡された。
「これは?」
「これはお前さんのお守りのピアスみたいなものじゃ。希望の場所に埋め込める。今回、パナーテルに指輪を壊されてしまったからの」
「埋め込むの!?」
「ヒャーヒャッヒャ。ピアスの宝石だけ見えるようなものじゃ。痛くもないし、害などもないから安心せい。ちなみに、好きな色に変えられるからの、気分で変えるのもありじゃ」
その機能はすごいけど……怖くない!? 怖いよ!
『主様、付けなきゃダメよ?』
「う……」
『また何かあったらどうするの!』
「えぇ……全部パナーテル様のせいだったし、もう何もないと思うんだけど……」
『あーるーじーさーまー?』
「わかった! わかったから耳引っ張らないで~!」
クラオルから救出した耳をさすりながら、どこにしようかと考える。
耳、軟骨、へそ、鼻、舌……眉間ってか、おデコは大仏になっちゃうから……
「あ、トラガスにしよう。この世界だとイヤホンとかもないし。おばあちゃん、この耳の軟骨のところがいい」
「ヒャーヒャッヒャ。不思議な場所を選んだの」
「え? そうなの?」
おばあちゃんいわく、なんとトラガスもヘリックスも一般的ではないそう。その代わり……個性的な冒険者などに多いのが鼻や口、舌なんだそう。
普通のワンポイントタイプの鼻ピアスはわかるけど、鼻輪とかも普通にいるなんて……激しいね。っていうか、こういうところは地球と似たような感覚なんだよね。何でご飯は発展しなかったのかマジで謎だわ。
おばあちゃんに頼むと、言っていた通り特に痛いとかもなくて、付ける前と何も変わらなかった。
「ありがとう。あ! 壊されたで思い出したんだけど、ウェヌス達にもらった指輪もなくなってて……唯一残ったのは石みたいになっちゃってるんだけど……これどうすればいい?」
誰からもらったやつが残ってるのかわからなかったけど、どうやらウェヌスの指輪だったらしい。
おばあちゃんいわく、同じ魔法属性だったからじゃないかとのことだった。
でもこの指輪も機能は封印されていて使えないそうで、新しいのを作ってくれることになった。
「僕達も用意しました!」
「へ? 何を?」
「これです!」
エアリルパパを筆頭にパパ達四人はそれぞれ指を鳴らして、小さなテーブルを出した。
テーブルの上には……ネックレス、ブレスレット、ピアス、イヤリング……と、それぞれの色のアクセサリーがところ狭しと並べてあった。
「何でいきなりアクセサリー?」
「セナさんを護るお守りです。今回のように記憶を失うようなことは滅多にないと思いますが、何があるかわからないので!」
「加護もらってるよ?」
「念のためです! 魔道具とは違い、身に付けているだけで大丈夫です。セナさんが好きだと思うデザインにしたので、毎日付けられますよ!」
エアリルパパが鼻息荒く言いきった。
受け取るのは強制なのね……確かに好きなデザインではあるんだけど……この量、過保護が増してない!?
「可愛いと思うんだけど、私面倒臭がりだから、毎日付け替えるとかしないと思う……昔も基本的にピアスなんかは付けっぱなしだったし……」
「やっぱりな。そう言うと思って、みんなでこれを作っておいた」
アクエスパパが笑いながら渡してくれたのは一円玉サイズのコイン型ネックレストップだった。白金っぽい素材で、表にはパパ達のマーク、裏にはEDTとローマ字が繊細に掘られている。
「それには私達全員の力が込められているからね。それだけ付けていれば大丈夫だよ」
「わぁ~! ありがとう!」
「うむうむ。セナの笑顔は癒されるの。こっちは好きな気分で付ければよい。他にも欲しいデザインがあれば妾が作ってやるからの!」
あ……やっぱり受け取るのは強制なんですね。
「セナは他のやつには守りのネックレスを作っていたが、自分のは作らないからな」
「あぁ……考えたことなかったや」
「だと思った。付けてやる」
アクエスパパは元々指輪を通していた方のネックレスにコインを通してくれた。
ウェヌス達精霊の指輪をもらったら、このコインの両側に通せばそこまで変にもならなさそう。
あんまりジャラジャラしたものは邪魔になるから、小さいサイズでありがたい。
「うむうむ! これなら大丈夫じゃな! 今日は妾と一緒に眠るかの?」
「え? 僕ですよね?」
「何言ってるんだ。俺だろ?」
「私もいるんだけどね?」
パパ達は誰が私と眠るかで揉め始めてしまった。
既に眠い私はネラース達とグレンとジルを手招きで呼んで、ベッドに横になる。
私のサイドにはグレンとジル、グレンの隣りにはキヒター、胸元にはクラオル達、枕元に小さなネラース達、左右のベッドにはシュティ達。
グレンが頭を撫でてくれ、私の睡魔は急速に膨らんでいく。
あぁ……この感覚、めっちゃホッとする……
「あれ? セナさん?」
「もう寝てるな……」
「ふふっ。幸せそうな顔をしてるから、今日はグレン達に譲ってあげようか」
「ふむ……残念じゃの……おかえり、セナ。次は妾と眠ろうの」
そんなパパ達の会話も知らず、私は安心する温もりに爆睡していた。
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