転生幼女はお詫びチートで異世界ごーいんぐまいうぇい

高木コン

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15章

ビッグボーナス!?

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 上から順に部屋を調べること三日、稀代の賢者と讃えられていたアルヴィンの子孫は代々収集癖があったことがわかった。

 魔道具が隠された部屋もあったものの、隠し部屋にはもれなく本。これでもかと本、本、本、本。
 どんだけ読書好きなのかと呆れるくらいの量だった。

 アルヴィンが主に使っていたという部屋も発見した。
 そこはアルヴィンしか開けられない仕様になっていて、私が鑑定で見ても開け方はわからなかった。アルヴィンに念話で教えてもらい、中に入ると……世界中の薬草類や、それにまつわる大量の本が壁一面……どころか、床にも大量に山積みされていた。
 これには本人であるアルヴィンが苦笑いするくらいジルが大興奮で落ち着かせるのが大変だった。

 魔法省のトップたる所以ゆえんか……私有地は広く、温室は解体されて中の毒草は焼き払われていたけど、倉庫や使用人用の家など他にも建物がたくさん。
 使えそうな家具や備品はウェヌスを筆頭とした光属性の精霊達によって浄化した後払い下げられた。
 この売り上げ金は受け取りたくなかったので、街の整備に使うことを条件に王家にマルっと引き取ってもらった。


 敷地内に建つありとあらゆる建物の窓やドアなどを全て開放し、準備は万端。
 ガルドさん達やおばあちゃんによって送られてきたジィジ達、ドヴァレーさんやアーロンさんなど錚々そうそうたるメンバーが見守る中、私は敷地内の真ん中で息を整える。
 あらかじめ渡されていた小さなハープを片手に言葉を紡ぐと、フワリとおばあちゃんの気配に包まれた。

「かたじけないの」

 その言葉を受け、私はおばあちゃんに
 憑依したおばあちゃんはハープを奏でながら歌い始めた。
 その曲はまさかの……
(アニソン!? え、おばあちゃん、なんで知ってるの!? っていうか、鎮魂歌レクイエムじゃないの!? パチスロだったら大当たりだよ!?)
 驚く私の体は指が止まることも口を閉じることもなく、なされるがまま歌い続けている。
(マジか……確かに魂の輪廻にまつわる歌だけどさ……)
 気が遠くなりかけても気をやることのない私はこうなった経緯を思い返した。
 


 残すところ建物を壊すだけとなった日、私はパパ達に呼ばれて教会を訪れた。
 激しいスキンシップの挨拶を終え、全員がソファに座った後、何か問題があったのか聞いてみた。

「どうしたの?」
「セナに頼みがあっての」
「頼み?」
「あの土地はセナにはキツい。今回のような調べ物などは大丈夫じゃが、おそらく寝泊まりでもすれば穢れで具合が悪くなる」
「浄化じゃダメなの?」

 私の質問におばあちゃんはチラりとジルとアルヴィンを見てから、言いにくそうに口を開いた。

「業が深すぎるんじゃ…………非業の死を遂げた者のが溜まったあの場所を浄化するのはセナには負荷がかかりすぎる」
「私以外がやったり、ウェヌス達に協力してもらったりしてもダメ?」
「セナ以外じゃ手も足も出せんよ」
「え? じゃあどうすればいいの?」
「浄化すればいい」
「んんん?」

 それがダメなんじゃないかと首をさらに傾げる私に、おばあちゃんは居住まいを正した。

「それにはセナのちから……スキルが必要不可欠なんじゃ。そのために……を貸してくれんかの?」
「……どうやって?」
〈ちょっと待て! セナが消えるということか!?〉
「え? そうなの?」
「断じて違う。そうじゃの……くと言えばわかりやすいかの?」
「あぁ、なるほど。おばあちゃん達なら全然いいよ」
〈セナ!?〉
「浄化する間だけでしょ? それに私の所有地になったから助けてくれるんだよね?」
「ヒャーッヒャッヒャ! まぁ、セナとは関係なければそのままじゃの」
「ほら、ね? 大丈夫だよ。心配してくれてありがとう」

 グレンはムムムと唸った後、しつこいくらいに安全性を確認してようやく納得してくれた。
 いつ憑依するのか、私は何をすればいいかを聞けばすごく簡単で、ほぼほぼ何もしなくていいらしい。
 おばあちゃんだし、丸投げしても悪いようにはしないだろうとマルっとお願いすることにした。

「承諾してもらえて安心しました」
「お礼言わなきゃなのは私の方だよ。ありがとう」
「いえいえ! セナさんの土地が穢れてるのは許せませんからね! ところでセナさん。回収した本の選別も僕達がやっても構いませんか?」
「え? そんなことまでしてくれるの?」
「はい! 任せてください! 量が多いので後で無限収納インベントリから抜いておきますね」
「ありがとう! お願いします」

 笑顔でお礼を言うと、エアリルパパにギュウギュウと抱きしめられた。
 そんなパパから私を奪い取ったイグねぇが会話を引き継ぐ。

「浄化さえ終われば建物はどう壊しても大丈夫じゃ。セナはどんな家にしたいんじゃ?」
「あ……壊すことしか考えてなかったや」

 へへへと見上げた私に「考えておくんじゃぞ」と優しく微笑んでくれた。



 思い返していた私はふと、視界に見慣れないモノが映った気がして意識を戻した。
 それは白い光の玉で、至るところから浮かび上がってはフワフワと漂い始めていた。
 ハープの音色に合わせて嬉しそうにフルフルと揺れ、一つ、また一つと震えてはの中へ。
 大量の光源をひっきりなしに受け入れていても、決して嫌な気分になることはなかった。

 最後の一つを吸収し、曲の終わりのフレーズに自然と願いを込める。
(次は幸せな一生が送れますように……!)
 その刹那――目の前が真っ白に発光。眩しさに目を閉じ、再び開けたときにはが抜けていった後だった。

〈セナ!〉
「セナ様!」

 呆然としていた私にグレンとジルが駆け寄ってきた。

「終わった……みたいだね」
「体調はいかがですか?」
「なんともないよ。ただ、なんだろう……ちょっと気が抜けた感じ?」
〈む……休むぞ。もう充分だろう〉
「はい。急いで宿へ戻りましょう」

 ガルドさん達やジィジ達見物人にはジルが説明してくれるそうで、サッとグレンに抱えられた私は有無を言わさず運ばれることになった。
 宿に着くなり早々にベッドに寝かされた私は大丈夫だといくら言っても信じてもらえず、病人ですか? と聞きたくなるくらいの過保護を発揮され、眠りにつくまでグレンとジルは傍を離れることがなかった。

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