転生幼女はお詫びチートで異世界ごーいんぐまいうぇい

高木コン

文字の大きさ
517 / 533
16章

遊び尽くしたその後は……2

しおりを挟む


 お先に宣伝をば。
 コミカライズ版の電子書籍が昨日から配信されています。
 紙媒体の方はもうお店に並んでいるところもあるみたいですが、30日~のところが多いようです。
 紙媒体を待ってくれている読者様、もう少々お待ちくださいませ……!

 コミカライズ版の電子書籍版と紙媒体書籍版、先月に第四巻の発売となりました小説版の電子書籍と紙媒体書籍、共によろしくお願いいたします!


 では、本編の続きをどうぞ。


─────切り取り線─────


 何を言われるのかと構えていたら、ガイにぃから発せられたのは予想外のセリフだった。

「うん。セナさんがみんなに会いたいように、私達もセナさんに会いたいからね。今よりもっと会いに来てくれると嬉しいな」
「え……」
「そうだぞ!」
「!」

 内容に虚をつかれた瞬間――耳元で声を上げられて、肩が跳ねる。
 ビックリした……アクエスパパ、いつの間に復活してたの?

「前も会いにくると言っていたが、あまり増えていないだろ? 料理はロッカーに入れてくれているが、俺たちはセナに会いたいんだ」
「あぁー……えっと、ごめん」
「よいよい、謝らんでよい。そこでわらわ達は考え、セナの家に祈りの間を作ったんじゃが……」

 ヒラヒラと手を振ったイグねぇが口ごもる。
 全然活用していませんね……あの祈りの間がそういう理由で作られたなんて知らんかったわ……てっきり教会代わりかと思ってたよ。せっかく造ってくれたのにごめんなさい。

「セナさんは旅をするので、そもそも家にいないことに最近気が付いたんです」

 気付いたのは最近なんかーい! 申し訳ないけど気付くの遅くない??
 エアリルパパのセリフに内心ツッコむ。

「それで、旅先でもわざわざ教会に行かなくてもいいように、セナの空間内に専用部屋を作ってもいいか聞きたかったんだ」
「全然いいよ。王都の家みたいに別の建物建てる?」
「あぁ、あれは地上に神気が漏れたら大変じゃからああしたんじゃが、セナの空間内なら影響は出ん」
「そうなんだ」
「なので作業部屋の隣あたりはどうですか?」
「いいよ、いいよ~。私も新しい街だとマップで調べてたからありがたいくら……あ!」
「どうした?」

 アクエスパパの発言と同時にパパ達全員が不思議そうに首を傾げた。

「んと……」
「もしかして嫌でしたか!?」
「へ? あ、違う違う。ついでって言い方だと失礼だと思うんだけど、地球の神様用の祭壇っていうか神棚みたいなのを置ける部屋も作ってもらえたら嬉しいな~って」
「地球の、ですか?」
「うん。カラオケとかデニムとか、私じゃ製造方法わからないモノ、パパ達に教えてくれてるでしょ? 私が楽しく快適にこの世界で生活出来てるのはパパ達ありきだけど、御礼が言える場所があったらいいな……って思って」

 日ごろ感謝はしているとはいえ、パパ達を祀ってる教会で地球の神様に御礼を言うのも違う気がしてたんだよね。たとえあちらに届かないとしても、私の気持ち的にさ。まぁ、自己満の類いだろうから無理なら自分で作ろうかな? ちょうどいい機会だし。

「ふふっ」
「セナさん……」
「「はぁぁ……」」

 ガイにぃは笑顔なものの、エアリルパパは涙目だし、アクエスパパとイグねぇには思いっきり溜め息をつかれてしまい、そんなにマズいお願いだったのかと不安が頭をもたげる。

「セナさぁん……」
「相も変わらずセナは優しいのぅ」
「本当にな」
「え……」

 優しい眼差しを向けられ、少々困惑。
 あ、大丈夫そう?

「ふふふっ、私達の神の間とは別がいいのかな?」
「あ、えっと、うん。地球の神様はパパ達みたいな関係性じゃないから、出来るなら別がいいな」
「「「「!」」」」

 いや。だってさ、仮にたとしたら、地球の神様の前でパパ達にさっきみたいなお願い(おねだり)出来なくない? 自分でもイタいなって思うのに、神様に「クソワガママじゃねぇか。ヤベーな、テメェの年齢考えろよ」なんて思われたくない。
 それに、パパ達の威厳的にもその方がいいと思うんだよね。お知り合いがさ、デレデレしてるの目撃しちゃうの気まずくない? 私は気まずい。
 昔、直属ではない会社の上司が「いい子でちゅね~」って電話で話してるところに遭遇して、お互いとても気まずかった。そして、顔を見かける度にあのセリフとデレ顔が頭の中をチラついてしょうがなかった。

 ガイにぃからの質問にえへへ、と笑ってみせたら、何故かアクエスパパの腕の力がギュンッと強まった。
 パパ達が「あちらの神とは違う→自分達は→セナ(さん)にとって自分達は特別!」という思考回路に至った……なんて知らない私は、圧迫を弱めてくれとアクエスパパの手をペシペシ叩いてアピール。弱まった腕にホッと息をはいた。

「セナさんの気持ちはから、任せてもらって大丈夫だよ」
「ホント? ありがとう!」

 ガイにぃが調べて、ちゃんと日本方式にしてくれるって。
 神棚タイプか神社のお社タイプかはわからないけど、ガイにぃなら安心だよね。
 転移門ゲートも神の間も神様部屋も早めに作ってくれるとのこと。特に神の間に関しては何故か私の希望とかも聞かれたから、一番最初に完成しそうな気がする。

「そうそう、セナさんはこれから夏の大陸の方に向かうんだよね?」
「うん、そのつもりだよ」
「そんなセナさんにプレゼントがあるんだ。イグニス」
「おぉ、アレの出番じゃな?」
「プレゼント?」

 パパ達二人も知らなかったようで、二人は顔を見合わせてからフルフルと首を振った。

「フフフフフ、これじゃ!」

 イグねぇが得意気にパチンと指を鳴らすと同時に現れたのはマネキン。私が以前商業ギルドに登録したやつにソックリ。ただ、そのマネキンが着ている服よ!

「おおおおお! 可愛い!!」
「私からはコレだよ」

 思わずマネキンに駆け寄った私にイグねぇがニカッと笑う。
 続いてガイにぃの指パッチンで現れたのも服を着させられているマネキンだった。

「こっちも可愛い!!!!」

 イグねぇの方はスチームパンク調で、ガイにぃの方は意外や意外……サイバーパンク調の服である。
 スチームパンクは半袖で、ダボッとしたズボンをブーツインするタイプ。サイバーパンクは多分七分袖で短パン、ニーハイブーツだった。
 両方ともフルセットで好みドストライクです!

「セナはこういったデザインが好きなんじゃろ?」
「超好き! マジで可愛い!」
「喜ぶセナが可愛いのぅ」
「セナさんがやっていたゲームを参考にして正解だったようだね」

 なるほど。私がやってたMMORPGのドレスアップを見たのか。とても納得。

「オマケとして、デザインに合わせたマジックバッグやヘアアクセサリーなんかも作っておいたからの」
「ヘアアクセサリーはそれぞれのマジックバッグに入れてあるから、後で無限収納インベントリに移すといいよ」
「おい、聞いていないぞ!」
「そうです! セナさんにプレゼントなんてズルいです!」
「フンッ、アクエスとエアリルはもうセナに作っておるじゃろ」
「服くらい私達が作ってあげたところで問題はないでしょう?」

 あら……ケンカが始まっちゃった。

『主様なら両方似合いそうね』

 クラオルからの一言で私ははたと冷静になった。
――そうだ……これ、着るのは私か!
 私が悩みに悩み抜いたゲームのキャラデザはスタイル抜群な自分好みの美人お姉さん。ゲームだから着させていたんであって、自分が着るとなると別では? 日本人だったあのころよりは格段にマシだろうけど、今の、私の、この幼女ボディで着こなせる? 無理じゃない? 服に着られるというか、チンチクリン度が増す気がする……

「……私に似合うかな?」
『似合うわよ』
「当たり前じゃ!」
「!」

 クラオルとイグねぇのセリフはほぼ同時だった。
 ビックリした……ケンカしてたんじゃなかったの?

わらわ達がセナのために作ったのじゃぞ? 似合わないワケなかろう」
「そうかな?」
「セナさんはなんでも似合いますよ!」

 ちょっと大丈夫かなって思ったのに、エアリルパパのセリフを聞いて、やっぱ不安になってきた。
 パパ達私に激甘だからな……似合わなくても欲目で脳内変換されてそう……でも私のために作ってくれたんだもんね。デザインはめちゃくちゃ可愛いし。お礼はちゃんと言わなければ。

「イグねぇ、ガイにぃありがとう! とっても嬉しい」
「うむうむ。着て見せてくれてもよいぞ」

 イグねぇのリクエストでお着替え。元々予定していたのか、案内された部屋には全身が映る姿見が用意されていた。
 着替えた姿は……髪色や瞳の色がファンタジーだからか、思っていたよりも違和感がなかった。今朝、プルトンが髪型をアップにしてくれたおかげもあるかも。意外と……イケる?

「クラオルさん、グレウスさん、どうでしょう?」
『あら、想像以上ね』
『はい。あるじ、とっても似合ってます!』

 こういうときはクラオルとグレウスの方が言葉に信憑性がある気がするのは気のせいだろうか?
 パパ達のいるリビングに戻ると、待っていたのは全員からのべた褒め。
 ガイにぃ作のサイバーパンクの方も、これでもかと褒められるという羞恥時間となった。
 まぁ、これだけ褒められたなら大丈夫そうだな……なんて思っちゃう私は単純だ。

 いつまでも褒め続けられるので頑張って話題を変え、その後はお喋り。パパ達はご飯で大盛り上がりだった。
 パパ達的に気になっていたことだと、いろいろと注意事項なんかも言い渡され、そろそろ私のお帰りタイム。

「イグねぇ、ガイにぃ、服本当にありがとう」
「うむうむ、これから活躍するに違いないからの」
「エアリルやアクエスの服と同じように着てくれると嬉しいよ」
「うん。パパ達もありがとう。会えて嬉しかった。お仕事の邪魔しちゃってごめんね」
「セナに会えるならなんてことはない」
「これからは十分でも二十分でも会えますからね! とても楽しみにしてますね!」

 最後のエアリルパパの言葉に反応する前に私は自分の空間に送られていた。
 え……マジで? 十分でも二十分でもって正気? 忙しいんじゃないの? そんな頻繁に会いに来いってこと? 神様の呼び出しってそんな友人と世間話の電話するような感覚でやっていいものじゃなくない??? いくら私に甘くてもそれはマズくない??

「……クラオルさん、十分でも二十分でも……って私の聞き間違いかな?」
『間違いじゃないわ。ワタシもハッキリ聞いたもの』
「ですよね……なるべくお仕事の邪魔したくないんだけどな」

 おばあちゃんいわく、未だパナーテル様の件が尾を引いてるって話だったし。私なんかを可愛がってくれてるのは本当にありがたいけど、私に構うあまりお仕事を疎かにするのはアウトでしょ。お手伝いしてくれている眷属泣いちゃうよ。

「私のせいでおサボり常習犯になったらどうしよう……尊敬出来なくなるし、好きじゃなくなるかもしれない……」
『んふふっ、それを聞いたらきっとショックを受けるわね。ガイア様に伝えておくわ』
「お願いします。パナーテル様とは違うんだ、ってずっと尊敬出来るパパ達でいて欲しいな」

 まぁ、そんな簡単に嫌いなんてなれないんだけど。悪い意味で名前を出したパナーテル様には申し訳ないが、私に甘いパパだ、こう言っておけばおサボりの可能性は下がるハズ……!
 私の狙いがわかったんだろうクラオルはクスクス笑っている。
 きっと次に会ったときに宥めたり、甘えたり、フォローしたり……ってしなきゃだろうけど、この世界の均衡が崩れることの方が一大事である。

 空間に戻ってきた私はクラオルとグレウスをモフモフさせてもらい、癒やされながら部屋へと戻った。


しおりを挟む
感想 1,816

あなたにおすすめの小説

没落した貴族家に拾われたので恩返しで復興させます

六山葵
ファンタジー
生まれて間も無く、山の中に捨てられていた赤子レオン・ハートフィリア。 彼を拾ったのは没落して平民になった貴族達だった。 優しい両親に育てられ、可愛い弟と共にすくすくと成長したレオンは不思議な夢を見るようになる。 それは過去の記憶なのか、あるいは前世の記憶か。 その夢のおかげで魔法を学んだレオンは愛する両親を再び貴族にするために魔法学院で魔法を学ぶことを決意した。 しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。 ※2025/12/31に書籍五巻以降の話を非公開に変更する予定です。 詳細は近況ボードをご覧ください。

転生したら幼女でした!? 神様~、聞いてないよ~!

饕餮
ファンタジー
  書籍化決定!   2024/08/中旬ごろの出荷となります!   Web版と書籍版では一部の設定を追加しました! 今井 優希(いまい ゆき)、享年三十五歳。暴走車から母子をかばって轢かれ、あえなく死亡。 救った母親は数年後に人類にとってとても役立つ発明をし、その子がさらにそれを発展させる、人類にとって宝になる人物たちだった。彼らを助けた功績で生き返らせるか異世界に転生させてくれるという女神。 一旦このまま成仏したいと願うものの女神から誘いを受け、その女神が管理する異世界へ転生することに。 そして女神からその世界で生き残るための魔法をもらい、その世界に降り立つ。 だが。 「ようじらなんて、きいてにゃいでしゅよーーー!」 森の中に虚しく響く優希の声に、誰も答える者はいない。 ステラと名前を変え、女神から遣わされた魔物であるティーガー(虎)に気に入られて護られ、冒険者に気に入られ、辿り着いた村の人々に見守られながらもいろいろとやらかす話である。 ★主人公は口が悪いです。 ★不定期更新です。 ★ツギクル、カクヨムでも投稿を始めました。

(完結)もふもふと幼女の異世界まったり旅

あかる
ファンタジー
死ぬ予定ではなかったのに、死神さんにうっかり魂を狩られてしまった!しかも証拠隠滅の為に捨てられて…捨てる神あれば拾う神あり? 異世界に飛ばされた魂を拾ってもらい、便利なスキルも貰えました! 完結しました。ところで、何位だったのでしょう?途中覗いた時は150~160位くらいでした。応援、ありがとうございました。そのうち新しい物も出す予定です。その時はよろしくお願いします。

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

神による異世界転生〜転生した私の異世界ライフ〜

シュガーコクーン
ファンタジー
 女神のうっかりで死んでしまったOLが一人。そのOLは、女神によって幼女に戻って異世界転生させてもらうことに。  その幼女の新たな名前はリティア。リティアの繰り広げる異世界ファンタジーが今始まる!  「こんな話をいれて欲しい!」そんな要望も是非下さい!出来る限り書きたいと思います。  素人のつたない作品ですが、よければリティアの異世界ライフをお楽しみ下さい╰(*´︶`*)╯ 旧題「神による異世界転生〜転生幼女の異世界ライフ〜」  現在、小説家になろうでこの作品のリメイクを連載しています!そちらも是非覗いてみてください。

転生幼女はお願いしたい~100万年に1人と言われた力で自由気ままな異世界ライフ~

土偶の友
ファンタジー
 サクヤは目が覚めると森の中にいた。  しかも隣にはもふもふで真っ白な小さい虎。  虎……? と思ってなでていると、懐かれて一緒に行動をすることに。  歩いていると、新しいもふもふのフェンリルが現れ、フェンリルも助けることになった。  それからは困っている人を助けたり、もふもふしたりのんびりと生きる。 9/28~10/6 までHOTランキング1位! 5/22に2巻が発売します! それに伴い、24章まで取り下げになるので、よろしく願いします。

転生皇女は冷酷皇帝陛下に溺愛されるが夢は冒険者です!

akechi
ファンタジー
アウラード大帝国の第四皇女として生まれたアレクシア。だが、母親である側妃からは愛されず、父親である皇帝ルシアードには会った事もなかった…が、アレクシアは蔑ろにされているのを良いことに自由を満喫していた。 そう、アレクシアは前世の記憶を持って生まれたのだ。前世は大賢者として伝説になっているアリアナという女性だ。アレクシアは昔の知恵を使い、様々な事件を解決していく内に昔の仲間と再会したりと皆に愛されていくお話。 ※コメディ寄りです。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。