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フレッドはさすが王太子だけあって、日々の業務が多岐に渡り忙しいようだ。王に付いて学ぶ事もあれば、国内の問題を解決したり、提案したり。
そんな忙しいなかであっても、必ずミーシャと朝食・夕食は共にしたいようだ。しかし、業務で夕食に間に合わない時は、フレッドが食事をする際に、横でお茶を飲まないかと誘われる。
たまに昼間に時間が出来ると、ミーシャを散歩に誘ってくれたり、ローズガーデンでお茶をしたりする。このお茶の時、ミーシャは最初戸惑った。フレッドは自分の足の上にミーシャを座らせ、お菓子を食べさせたり・お茶を飲ませたりと甲斐甲斐しくお世話をするのだ。番では当然の行動らしい。冗談だと思い、後日ライムさんにたずねたら、
「ええ、ソレが普通のようです。王妃様もそうですよ?」
と答えが返って来た。ああ、確かに初対面の時にフレッドの上から降りようとしたのを、別にかまわないと言われたような覚えが。
それに隙あらばキスをするので、あちらこちらに薔薇を撒き散らしてしまい、侍女の人には申し訳ない思いだ。しかしソレも、
「侍女の人に謝ったら、部屋に沢山の薔薇がタダで飾れるから逆に嬉しい。侍女達で分け合っていると言われた」
とライムさんは笑っていた。
それで許されてしまうのか・・・。
確かにたまにライムさんと薔薇の交換をしたりしている。ピンクだけもいいが、真紅の薔薇が混じると華やかになるのだ。
ミーシャが王宮の客室で生活するようになって、2週間程経った頃、突然来客があった。
「ミーシャ様、ライオネル伯爵令嬢がいらっしゃいました。お通ししてもーーーあっ!」
「ふ~ん?あなたがフレデリック様の番なんて嘘を言ってる子?借金男爵なんでしょ?お金目当てな訳?居座ってないで早く帰りなさいよっ!私がフレデリック様と結婚するって決まってるのよ!!」
思いっきり突き飛ばされ、転んでしまう。
騒ぎを聞きつけた護衛が、部屋に入って来ようとするが、
「わたしを誰だと思っているの?私に歯向かえばクビにするわよ!?」
との声を聞き、ミーシャはこの女性が医務室にいた香水女だと、やっと気がついた。
ああ、フレッドが言ってた迷惑女だ。
そしてこの迷惑女は、倒れたミーシャの指から指輪を抜き取り、自分の指に嵌めた。
「ほら、アンタよりも私の方が似合うじゃないのっ!うふふっ!」
護衛達は何も出来ずにマゴマゴしている。うわっ、こないだの女医の人の方が格好良かったな!!って、そんな、場合じゃなかった。
「指輪、返して下さい。それは私のモノです」
手を伸ばすが、
「泥棒猫の癖にっ!」
バッチーンと頬を叩かれる。
そんな忙しいなかであっても、必ずミーシャと朝食・夕食は共にしたいようだ。しかし、業務で夕食に間に合わない時は、フレッドが食事をする際に、横でお茶を飲まないかと誘われる。
たまに昼間に時間が出来ると、ミーシャを散歩に誘ってくれたり、ローズガーデンでお茶をしたりする。このお茶の時、ミーシャは最初戸惑った。フレッドは自分の足の上にミーシャを座らせ、お菓子を食べさせたり・お茶を飲ませたりと甲斐甲斐しくお世話をするのだ。番では当然の行動らしい。冗談だと思い、後日ライムさんにたずねたら、
「ええ、ソレが普通のようです。王妃様もそうですよ?」
と答えが返って来た。ああ、確かに初対面の時にフレッドの上から降りようとしたのを、別にかまわないと言われたような覚えが。
それに隙あらばキスをするので、あちらこちらに薔薇を撒き散らしてしまい、侍女の人には申し訳ない思いだ。しかしソレも、
「侍女の人に謝ったら、部屋に沢山の薔薇がタダで飾れるから逆に嬉しい。侍女達で分け合っていると言われた」
とライムさんは笑っていた。
それで許されてしまうのか・・・。
確かにたまにライムさんと薔薇の交換をしたりしている。ピンクだけもいいが、真紅の薔薇が混じると華やかになるのだ。
ミーシャが王宮の客室で生活するようになって、2週間程経った頃、突然来客があった。
「ミーシャ様、ライオネル伯爵令嬢がいらっしゃいました。お通ししてもーーーあっ!」
「ふ~ん?あなたがフレデリック様の番なんて嘘を言ってる子?借金男爵なんでしょ?お金目当てな訳?居座ってないで早く帰りなさいよっ!私がフレデリック様と結婚するって決まってるのよ!!」
思いっきり突き飛ばされ、転んでしまう。
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「わたしを誰だと思っているの?私に歯向かえばクビにするわよ!?」
との声を聞き、ミーシャはこの女性が医務室にいた香水女だと、やっと気がついた。
ああ、フレッドが言ってた迷惑女だ。
そしてこの迷惑女は、倒れたミーシャの指から指輪を抜き取り、自分の指に嵌めた。
「ほら、アンタよりも私の方が似合うじゃないのっ!うふふっ!」
護衛達は何も出来ずにマゴマゴしている。うわっ、こないだの女医の人の方が格好良かったな!!って、そんな、場合じゃなかった。
「指輪、返して下さい。それは私のモノです」
手を伸ばすが、
「泥棒猫の癖にっ!」
バッチーンと頬を叩かれる。
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