2 / 80
2
しおりを挟む
メンバーがライブハウスの出口から去ったあとは、ファンの子達も帰路に着き、通りはガランとなり、やっと彩音もメンバーとの待ち合わせ場所に向かった。
はぐれた時用の公園には既に『リミテッド』のメンバーである
ギター1 拓哉 サラサラの黒髪に切れ長の目。歌詞も音楽も作れる。
ギター2 カイト 黒髪のおぼっちゃま風。だけど口数少ない。拓哉のギターの幅を広げる曲作りメイン。
ベース リョウ カイトよりも寡黙。黙々とベースを弾き、よく影がなくなる。
ドラムス ミキちゃん いつも明るく気遣い上手。
が揃っていて、イケメン4人組に彩音は急ぎ足を更に早めてメンバーに合流する。
「ごめんねっ、いつもながら出れなかった」
えへへ~っと笑う彩音にカイトは
「待つのは慣れてる」
と呟く。
「それより拓哉から話し聞いたけど、リミテッド少し休むって何かあった?」
心配そうなミキちゃんの声。
5人とも同じ高校の同級生、と言ってもマンモス学校で幼稚園から大学院まで揃っている。一応、私立の学校ではあるけれどスポーツ、勉強、芸能で活躍していたり、将来有望と思われる場合には特待生制度もある。だからいわゆるおぼっちゃま・お嬢様学校ではあるけど、幅広いタイプが揃っている。
大学にはそのままエスカレーター式で上がれるので、特に大学試験なんてものも無かった。なので、彩音が高3の2月のこの時期に1ヶ月程バンド活動を休みたい理由が分からない。
「家庭の事情?です」
と、とりあえず濁し、また連絡する約束をして帰路につく事になった。
カイトとリョウ、ミキちゃんは公園の脇にいつもバイクを停めいるのでソレで帰り、彩音と拓哉は駅に向かい歩きはじめた。
「で、家庭の事情って何?」
「う~ん、よくわからないんだけど母さんから『とりあえず、学校の予定以外は1ヶ月空けてくれる?』て言われて、正直よくわからないんだよね」
「彩音のお袋さん、相変わらずだな」
まだ数年しかの仲間付き合いでしかないが、彩音母の珍妙な行動を何度か聞いている拓哉は、苦笑しながらも何か考えついた様で
「て事は次に彩音に会えるのは1ヶ月後って事か?」
「多分、そうなんだよね。新しい曲もみんなで合わせたいのにねっ!残念だけど」
春に向けて新しくはじまる未来へのスタートの歌詞とか桜をイメージした歌詞とか色々作ってるから、拓哉には早く会いたいんだけどね、とブツブツ呟く彩音に
「俺に会いたいのは、曲の為だけかよ」
とギターケースを持ってない手で彩音を引き寄せる。突然の事にバランスを崩した彩音は背中から拓哉の胸に倒れ込む。後ろから片腕でハグされている格好になる。
「ご、ごめん拓哉っ」
すぐに離れようとしても、ぎゅっと抱きしめ力が込められ、くるりと体を反転させられ斜め上から拓哉が熱く見つめてくる。
「どうしたの?たく・・・っ」
拓哉とは最後まで言えなかった。彩音のふっくらとした唇が拓哉のソレにすっぽりと覆い被せられ、驚いたまま薄っすら開いていた唇内に舌がぬるりと入り込んできたのだ。
我にかえった彩音は必死に拓哉から逃れようとするが、頭がぼうっとして抵抗する力が弱くなる。
「やめ・・・て」
何とか声を出すが、拓哉の唇は声までも飲み込もうとする。
意識が朦朧とする中で何やら人が怒鳴る声と抱きかかえられるフワフワとした感覚がし、意識を手放した。
はぐれた時用の公園には既に『リミテッド』のメンバーである
ギター1 拓哉 サラサラの黒髪に切れ長の目。歌詞も音楽も作れる。
ギター2 カイト 黒髪のおぼっちゃま風。だけど口数少ない。拓哉のギターの幅を広げる曲作りメイン。
ベース リョウ カイトよりも寡黙。黙々とベースを弾き、よく影がなくなる。
ドラムス ミキちゃん いつも明るく気遣い上手。
が揃っていて、イケメン4人組に彩音は急ぎ足を更に早めてメンバーに合流する。
「ごめんねっ、いつもながら出れなかった」
えへへ~っと笑う彩音にカイトは
「待つのは慣れてる」
と呟く。
「それより拓哉から話し聞いたけど、リミテッド少し休むって何かあった?」
心配そうなミキちゃんの声。
5人とも同じ高校の同級生、と言ってもマンモス学校で幼稚園から大学院まで揃っている。一応、私立の学校ではあるけれどスポーツ、勉強、芸能で活躍していたり、将来有望と思われる場合には特待生制度もある。だからいわゆるおぼっちゃま・お嬢様学校ではあるけど、幅広いタイプが揃っている。
大学にはそのままエスカレーター式で上がれるので、特に大学試験なんてものも無かった。なので、彩音が高3の2月のこの時期に1ヶ月程バンド活動を休みたい理由が分からない。
「家庭の事情?です」
と、とりあえず濁し、また連絡する約束をして帰路につく事になった。
カイトとリョウ、ミキちゃんは公園の脇にいつもバイクを停めいるのでソレで帰り、彩音と拓哉は駅に向かい歩きはじめた。
「で、家庭の事情って何?」
「う~ん、よくわからないんだけど母さんから『とりあえず、学校の予定以外は1ヶ月空けてくれる?』て言われて、正直よくわからないんだよね」
「彩音のお袋さん、相変わらずだな」
まだ数年しかの仲間付き合いでしかないが、彩音母の珍妙な行動を何度か聞いている拓哉は、苦笑しながらも何か考えついた様で
「て事は次に彩音に会えるのは1ヶ月後って事か?」
「多分、そうなんだよね。新しい曲もみんなで合わせたいのにねっ!残念だけど」
春に向けて新しくはじまる未来へのスタートの歌詞とか桜をイメージした歌詞とか色々作ってるから、拓哉には早く会いたいんだけどね、とブツブツ呟く彩音に
「俺に会いたいのは、曲の為だけかよ」
とギターケースを持ってない手で彩音を引き寄せる。突然の事にバランスを崩した彩音は背中から拓哉の胸に倒れ込む。後ろから片腕でハグされている格好になる。
「ご、ごめん拓哉っ」
すぐに離れようとしても、ぎゅっと抱きしめ力が込められ、くるりと体を反転させられ斜め上から拓哉が熱く見つめてくる。
「どうしたの?たく・・・っ」
拓哉とは最後まで言えなかった。彩音のふっくらとした唇が拓哉のソレにすっぽりと覆い被せられ、驚いたまま薄っすら開いていた唇内に舌がぬるりと入り込んできたのだ。
我にかえった彩音は必死に拓哉から逃れようとするが、頭がぼうっとして抵抗する力が弱くなる。
「やめ・・・て」
何とか声を出すが、拓哉の唇は声までも飲み込もうとする。
意識が朦朧とする中で何やら人が怒鳴る声と抱きかかえられるフワフワとした感覚がし、意識を手放した。
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
17歳男子高生と32歳主婦の境界線
MisakiNonagase
恋愛
32歳主婦のカレンはインスタグラムで20歳大学生の晴人と知り合う。親密な関係となった3度目のデートのときに、晴人が実は17歳の高校2年生だと知る。
カレンと晴人はその後、どうなる?
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語
jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ
★作品はマリーの語り、一人称で進行します。
義姉妹百合恋愛
沢谷 暖日
青春
姫川瑞樹はある日、母親を交通事故でなくした。
「再婚するから」
そう言った父親が1ヶ月後連れてきたのは、新しい母親と、美人で可愛らしい義理の妹、楓だった。
次の日から、唐突に楓が急に積極的になる。
それもそのはず、楓にとっての瑞樹は幼稚園の頃の初恋相手だったのだ。
※他サイトにも掲載しております
せんせいとおばさん
悠生ゆう
恋愛
創作百合
樹梨は小学校の教師をしている。今年になりはじめてクラス担任を持つことになった。毎日張り詰めている中、クラスの児童の流里が怪我をした。母親に連絡をしたところ、引き取りに現れたのは流里の叔母のすみ枝だった。樹梨は、飄々としたすみ枝に惹かれていく。
※学校の先生のお仕事の実情は知りませんので、間違っている部分がっあたらすみません。
放課後の約束と秘密 ~温もり重ねる二人の時間~
楠富 つかさ
恋愛
中学二年生の佑奈は、母子家庭で家事をこなしながら日々を過ごしていた。友達はいるが、特別に誰かと深く関わることはなく、学校と家を行き来するだけの平凡な毎日。そんな佑奈に、同じクラスの大波多佳子が積極的に距離を縮めてくる。
佳子は華やかで、成績も良く、家は裕福。けれど両親は海外赴任中で、一人暮らしをしている。人懐っこい笑顔の裏で、彼女が抱えているのは、誰にも言えない「寂しさ」だった。
「ねぇ、明日から私の部屋で勉強しない?」
放課後、二人は図書室ではなく、佳子の部屋で過ごすようになる。最初は勉強のためだったはずが、いつの間にか、それはただ一緒にいる時間になり、互いにとってかけがえのないものになっていく。
――けれど、佑奈は思う。
「私なんかが、佳子ちゃんの隣にいていいの?」
特別になりたい。でも、特別になるのが怖い。
放課後、少しずつ距離を縮める二人の、静かであたたかな日々の物語。
4/6以降、8/31の完結まで毎週日曜日更新です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる