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眼が覚める直前、何故か人がいる気配がする。しかし
「彩音、そろそろ起きなさい」
ああ、母さん。起きなきゃ・・・と思い瞼を開けるとそこは・・・?
「何ここっ!!」
眼を開けると高い天井から眩しいライトに照らされ彩音は床に寝かされていた。彩音が大好きな『snow style』の音楽がかかり、しかもカシャカシャとシャッター音まで聞こえる。写真を撮られているのだ。目が慣れてくると高い位置から彩音の母親・美緒子が撮影している。
起き上がろうとする彩音に
「動かないで!」
美緒子の声がかかるが無理である。ムクリと彩音が起き上がると、フワリと羽根が付いてきて落ちる。
「で、状況説明してよね母さん」
睨みながら説明を求める。
「まぁ、いい画撮れたからいいわよ。はい、撤収して~」
今彩音がいる場所は多分、某芸能事務所の事務所ビル内で、先程まで使っていた撮影スタジオの数フロア上にある母専用の作業部屋兼打ち合わせルーム。何度かこの部屋には来たことがある。母は物心ついた時にはプロの写真家として雑誌やCDのジャケットを手掛けていた。
彩音は所謂母子家庭で子供の頃、母は外に仕事に出る事もなく、家でたまにパソコンを見ながら仕事?をしていた。果たして本当に仕事なのか分からないが、本人が『今はお仕事中なのよ』と言っていたから嘘ではないのだろう。
そんな母にも趣味があり、彩音が小さな頃から写真を撮っていた。ソレが彩音が中学生位になるとカメラマンとして仕事を受ける様になり、気がついたらソコソコ名前が売れる様になっていた。
「私、ライブ帰りが最後の記憶なんだけど?何でこんなところで写真撮られてるの?」
記憶に間違いが無ければ拓哉にキスたされてと思うんだけど・・・。夢?
「だって~、彩音ちゃんにはこないだちゃんと『1ヶ月は学校以外の予定は入れないで』て言ってあったのに~、今日学校から帰って来ないから多分ライブか練習かなぁと思って。で、マネさん達(スタッフ)に迎えに行ってもらったら彩音ちゃん意識ないし。時間押してたから着替えとメイクして撮影しちゃったの」
えへっと笑いながら話す母親の話が理解出来ない。
「そもそも、何で撮影される訳」
理由聞いてない。
「何人か面接したけど、曲のイメージの子がいなかったから?かな」
「本人の承諾なしに?」
「彩音はママに似て可愛いから問題ないよ」
「・・・」
「何だったら歌も彩音ちゃんが歌っちゃえば?最終のボーカル決まってないみたいだし」
「はぁ?」
「仮のデモテープさっき聞いたでしょ?あれだから彩音ちゃんも歌っちゃいなよ、何となく覚えたでしょ?」
確かに彩音は周りでかかっている音楽を覚えるのは得意だけど、さっき撮影スタジオでかかっていた音楽は『snow style 』の、あれ?曲名解らない。何で?アルバム持ってるし、ここ最近のライブは近場のモノは大体行ってるはず。なのに知らないって事は?
「まさか、snow style の新曲?!」
嘘、嘘っ!
snow styleは彩音の最愛のバンドでボーカル・アヤトを筆頭に超絶人気のバンドである。
「う~ん、近いんだけどなぁ。snow style じゃなくて、アヤトの新曲。あ、アヤトには彩音ちゃんのバンドのCDは渡してあるから」
にゃは~っ?
新曲?!
アヤトの?!
ソロ?!
悶々としていると母親のスマホが鳴る。
「ああ、アヤト?うんうん、今は彩音ちゃんと一緒。綺麗な画は撮れたよ~、歌?多分断らないと思うよ~。うん、じゃあスタジオ行かせるね~」
話終わると普段の会話と変わらない口調で爆弾発言を投げつけてくる。
「彩音ちゃん、アヤトが下のスタジオで待ってるから歌ってきて」
はいっ!?
言ってる意味がわかりませんっ!!
「彩音、そろそろ起きなさい」
ああ、母さん。起きなきゃ・・・と思い瞼を開けるとそこは・・・?
「何ここっ!!」
眼を開けると高い天井から眩しいライトに照らされ彩音は床に寝かされていた。彩音が大好きな『snow style』の音楽がかかり、しかもカシャカシャとシャッター音まで聞こえる。写真を撮られているのだ。目が慣れてくると高い位置から彩音の母親・美緒子が撮影している。
起き上がろうとする彩音に
「動かないで!」
美緒子の声がかかるが無理である。ムクリと彩音が起き上がると、フワリと羽根が付いてきて落ちる。
「で、状況説明してよね母さん」
睨みながら説明を求める。
「まぁ、いい画撮れたからいいわよ。はい、撤収して~」
今彩音がいる場所は多分、某芸能事務所の事務所ビル内で、先程まで使っていた撮影スタジオの数フロア上にある母専用の作業部屋兼打ち合わせルーム。何度かこの部屋には来たことがある。母は物心ついた時にはプロの写真家として雑誌やCDのジャケットを手掛けていた。
彩音は所謂母子家庭で子供の頃、母は外に仕事に出る事もなく、家でたまにパソコンを見ながら仕事?をしていた。果たして本当に仕事なのか分からないが、本人が『今はお仕事中なのよ』と言っていたから嘘ではないのだろう。
そんな母にも趣味があり、彩音が小さな頃から写真を撮っていた。ソレが彩音が中学生位になるとカメラマンとして仕事を受ける様になり、気がついたらソコソコ名前が売れる様になっていた。
「私、ライブ帰りが最後の記憶なんだけど?何でこんなところで写真撮られてるの?」
記憶に間違いが無ければ拓哉にキスたされてと思うんだけど・・・。夢?
「だって~、彩音ちゃんにはこないだちゃんと『1ヶ月は学校以外の予定は入れないで』て言ってあったのに~、今日学校から帰って来ないから多分ライブか練習かなぁと思って。で、マネさん達(スタッフ)に迎えに行ってもらったら彩音ちゃん意識ないし。時間押してたから着替えとメイクして撮影しちゃったの」
えへっと笑いながら話す母親の話が理解出来ない。
「そもそも、何で撮影される訳」
理由聞いてない。
「何人か面接したけど、曲のイメージの子がいなかったから?かな」
「本人の承諾なしに?」
「彩音はママに似て可愛いから問題ないよ」
「・・・」
「何だったら歌も彩音ちゃんが歌っちゃえば?最終のボーカル決まってないみたいだし」
「はぁ?」
「仮のデモテープさっき聞いたでしょ?あれだから彩音ちゃんも歌っちゃいなよ、何となく覚えたでしょ?」
確かに彩音は周りでかかっている音楽を覚えるのは得意だけど、さっき撮影スタジオでかかっていた音楽は『snow style 』の、あれ?曲名解らない。何で?アルバム持ってるし、ここ最近のライブは近場のモノは大体行ってるはず。なのに知らないって事は?
「まさか、snow style の新曲?!」
嘘、嘘っ!
snow styleは彩音の最愛のバンドでボーカル・アヤトを筆頭に超絶人気のバンドである。
「う~ん、近いんだけどなぁ。snow style じゃなくて、アヤトの新曲。あ、アヤトには彩音ちゃんのバンドのCDは渡してあるから」
にゃは~っ?
新曲?!
アヤトの?!
ソロ?!
悶々としていると母親のスマホが鳴る。
「ああ、アヤト?うんうん、今は彩音ちゃんと一緒。綺麗な画は撮れたよ~、歌?多分断らないと思うよ~。うん、じゃあスタジオ行かせるね~」
話終わると普段の会話と変わらない口調で爆弾発言を投げつけてくる。
「彩音ちゃん、アヤトが下のスタジオで待ってるから歌ってきて」
はいっ!?
言ってる意味がわかりませんっ!!
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