花笑みの庭で

ゆきりん(安室 雪)

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「さて、彩音。事故以前の記憶がないのは知ってたけど、DVD見て思い出さなかったんだね。彩音は小さい頃、俺の事『あーと』と呼んでたよ。ホント可愛くて天使がいる様だった」

 ふふっ、と懐かしみながら微笑む。

「えっ、じゃああの女の子は、私!?」

「しかいないね~。16歳での結婚は止められてて20歳て事になってるけど、彩音どうする!?」

「どうするって・・・、えっ!?」

 どうするって、どうする!?

「とりあえず帰ります?」

 椅子から立ち上がるが、アヤトに腕を引っ張られベッドに倒れこむ。しかし、アヤトの上に倒れちゃいけないと思い咄嗟に両手をつくが、アヤトの枕の両端に腕をついた姿勢だ。

「ふふっ、彩音に襲われてるみたいだな」

 きゃ~っ!

 すぐに退かなきゃ、と思ってるのにアヤトの手が後頭部に回り前に押される。『チュッ』リップ音が病室に響き渡る。

 優しいキスを何度も繰り返すのだった。



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