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ちょうど美緒が食べ終わったのを見計らったかの様に葉月は部屋に入ってきた。
「あの・・・、ブローチ返してもらえますか?」
顔を見た瞬間に美緒は眼を睨みながら言う。
「ホントに大切なモノなんです」
葉月はソレを手にしたまま、クルリと踵を返し、流し目状態で横柄に言う。
「着いて来い」
「はぁ!?」
唖然としている美緒を置いてスタスタと歩き始める。
「さ、どうぞ」
運転手は優しげな顔で美緒を促す。廊下に出ると、葉月は待っていた。部屋から出るのを確認し、廊下を進みはじめる。しかし、運転手は着いて来てくれない様だ。すぐに人の気配がない建物に入り、廊下を曲がったりしてある部屋の前に辿り着く。
そして葉月はブローチを分解した。
「ちょっと!?何するんですか!?」
今まで美緒さえ知らなかったパーツが出てきて、ソレと男が持っていたパーツを組み合わせるとカギの形になる。そのカギを壁に差し込みクルリと回すとガチャンと解錠された音がする。
「何?」
葉月は黙って中に入って行った。
美緒はどうするべき?と一瞬迷ったが着いて行く事にした。が。
「俺は初めてココに入る。何があるのか、起こるのかは不明だ。いいか?」
え。
いいかと言われても。
かなり長い間、閉ざされていたと思われる内部は、思っていた程荒れてはいなかった。まるで誰かが定期的に掃除をしているかの様だった。
入り口こそ頑丈な扉とカギで閉ざされていたが、中は普通の日本家屋だ。庭もある。探せば別の入り口があるのかも知れない。
「あの・・・、ここは?」
「有栖川 美緒、お前は自分の出自について何か知っているのか?」
「は?」
出自って何?
美緒はポカンとした顔をする。
「質問を変える。このブローチについては、何を知ってる?」
いつの間にか、美緒の正面に立ち、葉月はじっと眼を見つめてくる。
「あの・・・、ブローチ返してもらえますか?」
顔を見た瞬間に美緒は眼を睨みながら言う。
「ホントに大切なモノなんです」
葉月はソレを手にしたまま、クルリと踵を返し、流し目状態で横柄に言う。
「着いて来い」
「はぁ!?」
唖然としている美緒を置いてスタスタと歩き始める。
「さ、どうぞ」
運転手は優しげな顔で美緒を促す。廊下に出ると、葉月は待っていた。部屋から出るのを確認し、廊下を進みはじめる。しかし、運転手は着いて来てくれない様だ。すぐに人の気配がない建物に入り、廊下を曲がったりしてある部屋の前に辿り着く。
そして葉月はブローチを分解した。
「ちょっと!?何するんですか!?」
今まで美緒さえ知らなかったパーツが出てきて、ソレと男が持っていたパーツを組み合わせるとカギの形になる。そのカギを壁に差し込みクルリと回すとガチャンと解錠された音がする。
「何?」
葉月は黙って中に入って行った。
美緒はどうするべき?と一瞬迷ったが着いて行く事にした。が。
「俺は初めてココに入る。何があるのか、起こるのかは不明だ。いいか?」
え。
いいかと言われても。
かなり長い間、閉ざされていたと思われる内部は、思っていた程荒れてはいなかった。まるで誰かが定期的に掃除をしているかの様だった。
入り口こそ頑丈な扉とカギで閉ざされていたが、中は普通の日本家屋だ。庭もある。探せば別の入り口があるのかも知れない。
「あの・・・、ここは?」
「有栖川 美緒、お前は自分の出自について何か知っているのか?」
「は?」
出自って何?
美緒はポカンとした顔をする。
「質問を変える。このブローチについては、何を知ってる?」
いつの間にか、美緒の正面に立ち、葉月はじっと眼を見つめてくる。
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