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部屋に戻り、再び『はぁ~』と深い溜息を吐いてしまう。手を繋ぐのもキスをするのも、自然な流れじゃダメなわけ?
確かに、キスはチュッと唇を合わせるだけだと思っていたから、モニターに、映し出されていた舌を絡めるのがキスなんて思わなかったけど・・・。
む~、何でこんな講習会に参加させたのよ。
すると、隣室からノックする音がする。他の人が来るはずはないからグレイだろう。
「何か御用ですか?」
扉は開けずに中から問う。
「飯、一緒に食わないか?」
「遠慮しますわ」
「即答かよ」
「1人でゆっくり頂きたいの」
なるべく感情を出さずに答える。
「第2王子の命令だって言ったらどうする?」
深呼吸をして、扉を開ける。
「私の部屋ではなく、隣室でよろしくて?」
冷たく言い放つ。
「ああ、いいぞ」
「では、部屋から運びますから」
そう言って部屋に戻り、棚に補充されている昼食・ティーセット・お茶菓子などをワゴンに乗せ、隣室に運ぶ。棚の横にワゴンを見た時にはテーブルまでの短い距離では使わないでしょと思ったが、こういう用途も想定内って事なのね。
隣室に運ぶとグレイもワゴンに料理を乗せて持ってきた。量はやはり男性だけあって多めに準備されてあるようだ。しかし、飲み物は既にティーポットに準備されているようで、茶葉は無いようだ。
「ふ~ん、丸々同じって訳じゃ無いんだな」
「それを知りたかったのですか?」
「いや、1人で食べるのもつまらないだろ?どうせ隣にも1人で食べてるヤツがいるなら一緒に食った方がいいだろ?」
「私は全然1人でかまいませんわ」
グレイが食べ始めたのでソフィアもゆっくりと食べ始める。グレイのカラトリー使いはとても綺麗で流石王族、マナーはしっかりとしているが食べるスピードがかなり早い。その間に会話を挟んでくる。
「なあ、お前ファーストキスまだなんだな」
「ええ、それが何か?」
「ホントか?」
「嘘をつく理由がありませんわ」
「そっか・・・、ならいい」
「?」
その後は会話らしい会話も無く、食事が終わり、ソフィアが紅茶を入れ始めると。
「俺にもくれ」
とグレイが言う。視線で『ティーポットに入っているのでは?』と訴える。
「ああ?いつも茶葉でサーブして飲んでる俺が、目の前で美味そうな茶葉で入れてるのを見たら間違いなくソッチが飲みたいに決まってるだろ。飲んでみるか?ティーポットの茶」
「いえ、美味しいお茶があるのにわざわざ美味しくない宣言されたお茶を飲みたいとは思いませんわ。はい、どうぞ」
グレイの前に紅茶を置く。
無言でティーカップを取り、口元に持っていく。
「いい香りだな、懐かしい」
「!?」
この茶葉はソフィアが家からブレンドして持って来たものだ。家族以外は飲んだ事が無いはずだ。どこかで似たようなブレンドティーポットがあるのだろうか。
そして、グレイに顔を盗み見ると、ふんわりと優しく微笑んでいるのだ。
ソフィアの視線に気がつくといつもの表情に戻ってしまったけれど。
何だろ?あの微笑み、何か思い出しそうな気がする。
確かに、キスはチュッと唇を合わせるだけだと思っていたから、モニターに、映し出されていた舌を絡めるのがキスなんて思わなかったけど・・・。
む~、何でこんな講習会に参加させたのよ。
すると、隣室からノックする音がする。他の人が来るはずはないからグレイだろう。
「何か御用ですか?」
扉は開けずに中から問う。
「飯、一緒に食わないか?」
「遠慮しますわ」
「即答かよ」
「1人でゆっくり頂きたいの」
なるべく感情を出さずに答える。
「第2王子の命令だって言ったらどうする?」
深呼吸をして、扉を開ける。
「私の部屋ではなく、隣室でよろしくて?」
冷たく言い放つ。
「ああ、いいぞ」
「では、部屋から運びますから」
そう言って部屋に戻り、棚に補充されている昼食・ティーセット・お茶菓子などをワゴンに乗せ、隣室に運ぶ。棚の横にワゴンを見た時にはテーブルまでの短い距離では使わないでしょと思ったが、こういう用途も想定内って事なのね。
隣室に運ぶとグレイもワゴンに料理を乗せて持ってきた。量はやはり男性だけあって多めに準備されてあるようだ。しかし、飲み物は既にティーポットに準備されているようで、茶葉は無いようだ。
「ふ~ん、丸々同じって訳じゃ無いんだな」
「それを知りたかったのですか?」
「いや、1人で食べるのもつまらないだろ?どうせ隣にも1人で食べてるヤツがいるなら一緒に食った方がいいだろ?」
「私は全然1人でかまいませんわ」
グレイが食べ始めたのでソフィアもゆっくりと食べ始める。グレイのカラトリー使いはとても綺麗で流石王族、マナーはしっかりとしているが食べるスピードがかなり早い。その間に会話を挟んでくる。
「なあ、お前ファーストキスまだなんだな」
「ええ、それが何か?」
「ホントか?」
「嘘をつく理由がありませんわ」
「そっか・・・、ならいい」
「?」
その後は会話らしい会話も無く、食事が終わり、ソフィアが紅茶を入れ始めると。
「俺にもくれ」
とグレイが言う。視線で『ティーポットに入っているのでは?』と訴える。
「ああ?いつも茶葉でサーブして飲んでる俺が、目の前で美味そうな茶葉で入れてるのを見たら間違いなくソッチが飲みたいに決まってるだろ。飲んでみるか?ティーポットの茶」
「いえ、美味しいお茶があるのにわざわざ美味しくない宣言されたお茶を飲みたいとは思いませんわ。はい、どうぞ」
グレイの前に紅茶を置く。
無言でティーカップを取り、口元に持っていく。
「いい香りだな、懐かしい」
「!?」
この茶葉はソフィアが家からブレンドして持って来たものだ。家族以外は飲んだ事が無いはずだ。どこかで似たようなブレンドティーポットがあるのだろうか。
そして、グレイに顔を盗み見ると、ふんわりと優しく微笑んでいるのだ。
ソフィアの視線に気がつくといつもの表情に戻ってしまったけれど。
何だろ?あの微笑み、何か思い出しそうな気がする。
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