青空の中の彼女

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ハルカ

12.感謝

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「あむ、んむっ…」

 平日の昼休み、中庭のベンチに腰かけて昼食をとる。売店で買ってきたカツサンドを。

「美味しいですか?」

「パンがパサパサ乾燥しててビミョー」

「そうですか」

 1人きりでの食事ではなく隣に話し相手の後輩が存在。彼女は卵焼きやポテトサラダを少量ずつ口に入れていた。

「どうして今日はお弁当じゃないんですか?」

「親父が寝坊して作る時間が無かったんだよ。うちではよくあるんだ」

「へぇ。青井先輩は料理は苦手?」

「う~ん……やってやれなくはないかもだけどやらない。面倒くさがり屋だし」

「あはは、私と一緒ですね」

 2人で安穏とした時間を過ごす。芝生の上でプロレスごっこをしている男子グループの姿を眺めながら。

「奏多ちゃんも料理しないの?」

「はい。母親と2人暮らしでいつもお母さんがお弁当を用意してくれます」

「ふ~ん、母子家庭なんだ」

「親って凄いですよね。どれだけ忙しくても子供の事を考えて動いてくれますから」

「……そだな。自分が同じ事をやれって言われたら無理だわ」

 互いに家庭の内情を打ち明けつつ語り合った。近親者に対する尊敬の念を。

「でも男からしたら料理出来る女の子の方が魅力的だぞ」

「え? それは女性から見た男性も同じだと思いますが」

「むぅ……隣の芝は青く見えるってやつか」

「はい。この場合は岡目八目でも合ってるかもしれませんね」

「難しいこと言われても俺、バカだから分かんねーよ」

 知らない四字熟語の登場に思わずツッこむ。そのせいで口から食べかけのパンを吐き出しそうになった。

「ところで春華先輩の件はどうなりましたか?」

「……そうだなぁ」

 会話の途中、1人のクラスメートの名前が出てくる。互いの接点を作り出した女子生徒の名字が。

「とりあえず乱暴される事は無くなったって。変な写真を撮られたりとかも」

「お父さんが庇ってくれてるんですよね?」

「そう。実の親からの暴力を義理の親が防いでくれてるんだとよ」

「へぇ」

 彼女には大まかな事情は説明してあった。クラスメートの家に乗り込んで行われた騒動の顛末を。

「皮肉な話ですよね。再婚して今の父親と知り合えた訳ですが…」

「そもそも再婚が無かったら母親に敵対視される事も無かったんだもんな。ニワトリが先か卵が先かみたいなもんだよ」

「ですよね。どちらの方が良かったのか私達には判断が出来ません」

「あ~あ、ゲームみたいにやり直しが出来たら確かめられるんだけど」

 まるで自分達の人生のように語り合う。あり得たかもしれないパラレルワールドを勝手に想像して比較した。

「離婚はしないんですか?」

「それは父親の方が反対してる。もし別れたら春華さんが辛くなるだろうからって」

「お父さん、娘思いの優しい方なんですね」

「本当だよ。体罰を加えてた張本人だと疑ってたのが恥ずかしいぐらいだわ」

 最初は悪の権化だと考えていたのに。むしろ誰よりも見習うべき聖人だった。

「青井先輩の誤解も解けて良かったですね」

「いや、そっちの問題は解消してないぞ」

「え?」

「俺がアザを作った奴だって疑ってる奴はまだ何人かいるんだわ」

 暴行犯を突き止めはしたかその真相をクラスメートにバラしたりはしていない。被害者のプライバシーに深く踏み込みすぎているから。なので今でも同級生の間ではアザの真偽は不明。自分はDV男のままだった。

「それは春華先輩を考えての行動なんですよね?」

「だよ。俺が暴力男って思われてるだけで虐待されてた事実を隠せるなら簡単じゃん」

「でも青井先輩は辛くありませんか? 周りから無実の罪で疎まれて」

「余裕余裕。親に叩かれたり憎まれる日常に比べたらね」

「なるほど…」

 格好つけて粋がってみせる。食べかけのカツサンドを片手に。

「まぁ、1つだけ困る事があるとするなら女子にモテなくなった事かな」

「はい?」

「今回の件で学年で一番嫌われた男子になっちゃったし」

「噂って怖いですよね。実際はこんなに優しくて思いやりのある人なのに」

「本当だよ。代わりに奏多ちゃんが彼女になってくれてもいいのよ?」

「え~と、お断りします」

「……マジで何で付きまとってくるんだ」

 どれだけ考えても理解が出来ない。隣にいる後輩の目的が最大の謎だった。

「青井くん」

「ほ?」

 炭酸のペットボトルに口をつけていると背後から名前を呼ばれる。明るくて優しい声に。

「どうしたの?」

「もうお昼食べた?」

「これ。まだ食べてる途中」

「あ、そうなんだ」

 振り向きながら掲げて見せた。半分以上なくなっている惣菜パンを。

 話しかけてきたのは同じクラスの女子生徒。会話の中に何度も登場した張本人だった。

「俺に何か用だった?」

「え~と、時間が空いてるなら少しお話したいなぁと…」

「ん? 何だろ?」

「お、お邪魔だったかな?」

「ほ?」

 彼女が近付いてくるなり恐る恐る窺ってくる。こちらではなく隣にいる後輩の様子を。

「いえ、そんな事はありませんよ」

「え? でも…」

「むしろ邪魔なのは私の方ですね。退散します」

 女性陣2人がやり取りを開始。直後にベンチに座っていた奏多ちゃんが立ち上がった。

「ん? 教室に帰るの?」

「はい。春華先輩も2人きりでお話したいでしょうから」

「んなこと分からないじゃん。ねぇ?」

「え、えっと…」

「青井先輩は鈍感ですね。もう少し人の心が読める大人になった方が良いですよ、アンポンタン」

「……俺が鈍感かどうかはともかく今の発言に悪意があるのは分かったわ」

 彼女を呼び止めるも拒絶されてしまう。辛辣な言葉によって。

「あ、あのっ!」

「へ?」

「アナタ、前に私に青井くんの近付くなって忠告してきた子だよね?」

「そうですけど…」

「やっぱり! 本屋で働いてるっていう」

「それが何か?」

 しかし続けて別の人物が同じ行動を開始。立ち去ろうとしていた後輩を今度は春華さんが引き留めた。

「あのね、アナタにも謝りたかったの」

「え……私にですか?」

「うん。青井くんを巻き込んだ事と、それからお店で商品を盗んじゃった事を…」

「あぁ、なるほど」

「本当にごめんなさい! 迷惑かけて申し訳ありませんでした!」

 深々としたお辞儀が炸裂する。嘘偽りない誠心誠意の謝罪が。

「もう気にしていませんよ。大丈夫です」

「け、けど…」

「ボールペンの件も私以外の店員は誰も気付いていないので平気です。それより代用品を用意してくれた青井先輩にお礼を言ってあげてください」

「青井くんに?」

「では今度こそ失礼します」

「あっ…」

 その行動を後輩は優しく受け止めた。悪態を微塵もつく事なく。最後に小さく頭を下げると駆け足でその場を後にした。

「逃げられちゃった……かな?」

「違うよ。本当に気にしてないんだって、あの子」

「う~ん…」

「むしろずっと心配してくれてたんだ、春華さんの事。今の逃走も俺に配慮しての行動だよ」

「あ……そうなんだ」

 振り向いた同級生と目が合う。不安そうな顔付きを浮かべている女子生徒と。

「それよりお昼はもう食べたの?」

「うん。友達と教室でお弁当を」

「お母さんが作ってくれてるんだっけ?」

「まぁね。罪滅ぼしだとか何だとか言ってた」

「あはは、良かったじゃん」

 彼女は母親との不仲を解消。元通りとまではいかないがいがみ合う関係性だけは修復出来ていた。

「お父さんも前以上に過保護になっちゃったし」

「あむっ、あむっ……良い父親じゃないか」

「そうだね。2人も離婚せずに夫婦として再スタート」

「微笑ましいのう」

「これも全て青井くんのおかげかな」

「へっへっへ」

 誉められた事で上機嫌になる。特にめぼしい功績を挙げている訳でもないのに。

「でもお父さんが言ってた。1つ気になる事があるって」

「ん? 何?」

「青井くんの事」

「はぁ? 俺?」

「そう。私との関係性を詳しく聞きたいから今度家に連れて来いってよ」

「……えっと、事件か事故かキャトルミューティレーションに巻き込まれて行方不明になった事にしておいて」

「そんな物騒な」

 直後に全身から尋常じゃない冷や汗が発生。夏の暑さも相俟った生理現象に襲われた。

「まぁ怒ってる訳じゃないからそこまで怯えなくても平気だよ」

「そんなの分かんないじゃん。表面上は穏やかでも内心はマグマが沸騰してるかもしれないし」

「どちらかといえば感謝してるんだと思う。怒鳴られるのを覚悟でうちに乗り込んできてくれた行為をさ」

「感謝ねぇ…」

 その言葉が真実なら嬉しいが素直に喜べない。本人の口から直接聞いた訳ではないので。

「そして誰より感謝してるのが私自身」

「ほ?」

「ありがとうね。助けてくれて」

「いやぁ、どういたしまして」

 父親からの説教に畏怖していると照れくさくなる表情を向けられた。屈託のない満面の笑みを。

「最初はビックリしたよ。本屋でボールペン万引きするし」

「ご、ごめんなさい…」

「さすがにもうやってないよね?」

「もちろん。ていうかやったのはその時の1回だけ」

「え? そうなの?」

「うん。お小遣いが底を尽きて、それでついやっちゃったって感じかな…」

 過去を振り返った途端に秘密を打ち明けられる。真偽が確かめられない過ぎ去った情報を。

「信じてもらえないかもしれないけど本当なんだよ。公園の池に飛び込んだ時の下着もちゃんと買ったヤツだもん」

「ふ~ん、ならたまたま初犯の時に俺が出くわしちゃったわけか」

「あはは……そうなるね」

「なるほど。だから昼飯を俺にたかってきたのね」

「思い返せば青井くんには悪い事しちゃってた」

「いいよ、事情が事情だもん」

 母親からお小遣いを減らされ、私物を捨てられ。嫌がらせの末に娘がとった行動が犯罪という悲しい悪行だった。

「もう二度とやったらダメだよ」

「はい。やりません」

「しっしっし…」

「あ~あ、叱られちゃった」

「叱ってくれる人がいるのって大切だよね」

「……うん。今は凄くそう思う」

 互いの顔を見て笑い合う。数週間前の過ちを共有するように。

「ち、ちなみにさっきの子とはどういう関係なの?」

「ん? さぁ」

「さぁって…」

「俺もよく分かってない」

 会話が一段落ついた所で話題が変更。春華さんが後輩の去っていった方角を指差した。

「一緒にお昼ご飯食べてたのに?」

「たまに向こうから呼び出されるんだ。こっちから呼ぶ事もあるけど」

「ならどうやって知り合ったの?」

「本屋での事件がキッカケ。一応、連絡先は把握してるけど後の事はサッパリ」

「……よく分かんない」

「でしょ?」

 何度も干渉してきたかと思えば他の女子生徒との問題解決に協力してくれたり。思考の理解が出来なかった。

「あ~、もう少しで夏休みかぁ」

 春華さんが組んだ両手を伸ばす。立体的な雲が浮かんでいる青空へと。

「ねぇ、青井くんは夏休みの予定ってある?」

「そうだなぁ。山に籠って修行」

「あはは、仙人みたい」

「1000人で山籠りしてみたいわ。壮大なキャンプファイヤーとか」

「いや、山火事になっちゃうよ」

 質問に対して他愛ないジョークで返した。数週間前からは考えられないような親密さで。

「つか何でいきなりそんな事を聞いてくるの?」

「え~と、良かったらどこか一緒に遊びに行かないかなぁと思って」

「んん? どこか行きたい場所でもあるの?」

「行きたい場所っていうか行きたい人っていうか…」

「人…」

 頭を捻りながらもパンの最後の一切れを口の中に入れる。無理やり押し込むとジュースで飲み込んだ。

「俺の方は大丈夫だよ。どうせ大した予定ないし」

「本当!? なら連絡先交換しよ!」

「羽目を外して留置場に入れられなければ大抵はどこでも行けると思う」

「……何をやらかすつもりなの」

 これまでに悪さをして処分された経験は無いがこれからも無いとは言い切れない。今回のようなトラブルに巻き込まれれば。

「はい、OK」

「ありがとう。またこうやって声かけて良い?」

「ん~、嫌だと言ったら?」

「えぇ……それは悲しい」

「別にいちいちそんな確認とらなくて良いじゃん。クラスメートなんだし」

「……そっか。そうだよね」

 隣にいる人物のテンションが上がったり下がったりしている。気のせいでなければ微かに緊張しているように思えた。

「では私はそろそろ教室に戻りますかね」

「俺はもう少し残っていくよ。休憩してく」

「うん。分かった」

 未定の予定を決めると会話を終了させる。解散する為に。

「バイバ~イ」

「また会う日まで」

 ずっと立っていた春華さんが小走りで退散。去り際に手を振ったので同じ仕草で返した。

「元気になったなぁ…」

 秘密を抱えていた頃は常に塞ぎ込んでいたのに。意識が自暴自棄になっているレベルで。心配事が払拭されたからか明るい性格になっていた。

「……ま、一緒に遊びに行きたかったのはこっちの方なんだけど」

 1人になった事で冷静に振り返る。憧れの女子生徒に抱いていた特別な感情の存在を。

 ただ今はそれほど彼女に執着もしていない。追いかけようとするストーカー的な気持ちはどこかに消え失せていた。

「にっしっし…」

 頬の筋肉を緩めて笑う。誰かに聞かれたら不審がられそうな声を出しながら。

「夏かぁ…」

 そのまま視線を頭上に移動。思わず見とれてしまう壮大な青空が広がっていた。
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