【milk*crown】甘えんぼう仔猫が伝えたかった言葉🐾恋する気持ちや想い愛情が引き起こす大きな魔法の小さな奇跡🍀童話のような恋物語

くろねこ

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第一章[モモと創介]モモSide

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朝ーー。

真っ暗なカーテンに掴まっていたお星様たちのお喋りが、ゆっくりと囁くように静まり、お月様の揺らめきも溶けてゆく。だんだんと世界が眩しいお日様に照らされてゆく。

鳥の声よりも先に、あなたの寝息の深さの変化で目覚める。

“まだ…もう少し”と、意識は完全にはハッキリとしなくて。

一緒に包まれている毛布の感触と、あなたの柔らかな薫り、体温に、甘く微睡まどろむ。

そのうち“ピピピピ”と甲高かんだかい音が響く。

あなたはむくっと迷惑そうに体を持ち上げ、のっそりとした動きで手を伸ばし、その音を止める。

そして、眠たげな目をこすりながら「おはよう」と柔らかく微笑み、おでこに優しくキスを落としてくれる。

私はそれに応えるように、あなたの頬へ、鼻先からの“おはようの挨拶”のキスを返す。

こうして“新しい今日”が始まる。

これが、私たちにとって、毎日の“一日の開始”の合図になる。


毎日、繰り返され続く“同じこと”がある一方で、“違うこと”もある。

「それじゃあモモ行ってくるね。」
そう言って、私の名を呼び、頭をひと撫でなですると、創介は一人、扉の向こう側へと姿を消してしまう。

優しい瞳を向けられて、優しく触れられ、優しい声をかけられる。それ自体は大好きだけど…。その後に、ポツンと一人、置き去りにされてしまう事は大嫌い。

大抵は自由気ままに過ごせるけれど…創介と一緒にいられない時間の方が長い日は、寂しさや悲しさが募ってしまうから。

そんな感情が増えすぎてしまうと、その気持ちをどう扱っていいのかわからなくなってしまう。

愛しさが溢れてしまい、いつも以上に甘えたくなって、いつも以上に彼の側を離れられない私に変えられ、困ってしまう。

創介は「どうしたの?」とか「甘えん坊さんだね」なんて、私の表情をうかがいながら頭を撫でてからかうけれど…。

そうさせているのは、彼自身なのだという自覚が伴っていなくて、もどかしくなる。

私は一時も離れたくない。この想いが通常なのに。

創介はそうじゃないの?
私と一緒の気持ちにはならないの?

問いかけてみるけど。

甘い瞳でじっと見つめられ「かわいいね」とはぐらかされるばかり。

私はこの“一緒に過ごせる日”と、“そうでない日”の、“そうでない日”が、こんなにも得意じゃないのに。



“今日”は嬉しいことに“一緒に過ごせる日”みたい。

“一日の開始の合図”の後の、創介の行動が慌ただしくないから。

不思議の国のアリスに登場してくる白ウサギのように、時間に急かされていないのは、余裕のある証拠。

朝ご飯の準備から、身支度の流れ。足音までもが、出かける日とはまったく違う。

本来の創介らしい、心が落ち着く優しい音。


「モモ。朝ご飯、用意してあるからね。ゆっくりお食べ。」

私は創介の、この落ち着きがあって穏やかな声が大好き。

広がりがあって静かに響き、心ごと包みこんでくれるような。そんな、安心感を覚える喋り方。

その印象は、初めて声をかけてもらった、その時から変わらない。

きっと、この先もずっと…私はこの声に、名前を呼ばれ続けたいと願うのだと想う。
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