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第二章[すれ違う二つの心]創介Side
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「んっ…モモ…どうしたの?」
どれくらいの時間が経ったのだろう…。時の経過を忘れるほど、パソコンの画面に釘付けになって集中していた。
「いい子にして待っててね…。」
モモがデスクの上に飛び乗り、窺うようにこちらを見てきた。その仕草が可愛くて、ついつい作業を中断しそうになる。
「もうちょっと待っててね。」
マウスから手を離し、愛猫を一撫でだけして、再び集中した。
(とにかく、モモとゆっくり過ごす為に、区切りのつくところまで終わらせてしまわないと。)
モモはおとなしく、俺の事をじっと見つめ、その場に座り込んだ。
モモを飼うにあたって、最初は当然お世話が務まるかどうか不安もあった。だけど、モモはおとなしい性格なのか、手をかけられたことがない。とても賢くて飼いやすいと感じている。
いいこすぎて、時々、人の言葉を理解しているんじゃないかと感じさせられるくらい。
ーカチャッー
「あっ…。」
モモがそっとマウスを握る俺の手に触れてきた。その瞬間、予期せずクリックしてしまい、思わず声が漏れた。
「ふふ。モモ…いたずらしちゃダメだろ?」
こんな、ちょっとした瞬間すらも愛おしくて、ついつい笑みがこぼれる。
乱れた画面を整えつつ、モモのふわふわな手を優しく押し退けた。
次の瞬間
ーカタタタタタタタタタタタタ………ー
「わあぁあぁあああっ!!コラッ!モモー!」
俺の扱いが悪かったのか、モモが身体を翻し、キーボードのデリートキーを踏み付けてしまっている。
せっかく綴っていた課題の内容が、みるみる内に消えてゆく………。
慌ててしまい、滅多に出さない大きな声を上げてしまった。
ーガシャガシャカ゚シャン!!ガチャン!!ジャン!!ー
「あーあー…何するんだ!?モモー!!」
今度はキーボードの上を走り回っている。その度に意味をなさない文字の羅列が増え、画面を黒く染めてゆく。
このままでは、せっかく頑張った時間が無駄になってしまう。
「あーもぉー!!」
少し焦りながら、モモの両脇に手を差し込むと、とにかくキーボードの上から身体を持ち上げる。
モモも必死だったのか、爪をたてられ暴れられてしまった。その瞬間、鈍い痛みの感覚が手の甲に走った。
「いつっ!!」
モモに引っ掻かれたことにも動揺したが、何よりも、これほど暴れるモモを見るのが初めてで、驚きを隠せなかった。
(一刻も早く身体を離して自由にしてあげないと…。)
俺は痛みを堪え、モモが怪我をしてしまわない高さになるまで落とすまいと必死に抱え続けた。だけど、モモもまた、そんな俺の腕の中から必死に逃れようと暴れ続けた。
“トスンッ!!"
少し高めの位置から飛び降りた時の音に近い響きが鳴り、モモは着地をしたと同時に、戸棚の隙間へと一目散に駆けて行ってしまった。
どれくらいの時間が経ったのだろう…。時の経過を忘れるほど、パソコンの画面に釘付けになって集中していた。
「いい子にして待っててね…。」
モモがデスクの上に飛び乗り、窺うようにこちらを見てきた。その仕草が可愛くて、ついつい作業を中断しそうになる。
「もうちょっと待っててね。」
マウスから手を離し、愛猫を一撫でだけして、再び集中した。
(とにかく、モモとゆっくり過ごす為に、区切りのつくところまで終わらせてしまわないと。)
モモはおとなしく、俺の事をじっと見つめ、その場に座り込んだ。
モモを飼うにあたって、最初は当然お世話が務まるかどうか不安もあった。だけど、モモはおとなしい性格なのか、手をかけられたことがない。とても賢くて飼いやすいと感じている。
いいこすぎて、時々、人の言葉を理解しているんじゃないかと感じさせられるくらい。
ーカチャッー
「あっ…。」
モモがそっとマウスを握る俺の手に触れてきた。その瞬間、予期せずクリックしてしまい、思わず声が漏れた。
「ふふ。モモ…いたずらしちゃダメだろ?」
こんな、ちょっとした瞬間すらも愛おしくて、ついつい笑みがこぼれる。
乱れた画面を整えつつ、モモのふわふわな手を優しく押し退けた。
次の瞬間
ーカタタタタタタタタタタタタ………ー
「わあぁあぁあああっ!!コラッ!モモー!」
俺の扱いが悪かったのか、モモが身体を翻し、キーボードのデリートキーを踏み付けてしまっている。
せっかく綴っていた課題の内容が、みるみる内に消えてゆく………。
慌ててしまい、滅多に出さない大きな声を上げてしまった。
ーガシャガシャカ゚シャン!!ガチャン!!ジャン!!ー
「あーあー…何するんだ!?モモー!!」
今度はキーボードの上を走り回っている。その度に意味をなさない文字の羅列が増え、画面を黒く染めてゆく。
このままでは、せっかく頑張った時間が無駄になってしまう。
「あーもぉー!!」
少し焦りながら、モモの両脇に手を差し込むと、とにかくキーボードの上から身体を持ち上げる。
モモも必死だったのか、爪をたてられ暴れられてしまった。その瞬間、鈍い痛みの感覚が手の甲に走った。
「いつっ!!」
モモに引っ掻かれたことにも動揺したが、何よりも、これほど暴れるモモを見るのが初めてで、驚きを隠せなかった。
(一刻も早く身体を離して自由にしてあげないと…。)
俺は痛みを堪え、モモが怪我をしてしまわない高さになるまで落とすまいと必死に抱え続けた。だけど、モモもまた、そんな俺の腕の中から必死に逃れようと暴れ続けた。
“トスンッ!!"
少し高めの位置から飛び降りた時の音に近い響きが鳴り、モモは着地をしたと同時に、戸棚の隙間へと一目散に駆けて行ってしまった。
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