18 / 52
15 死闘、再び
しおりを挟む
前にもこんなことあったな、と思いながら、僕はコトネに引きずられるようにして本殿の外に出た。
西の空に月を見つけ、空を見上げたが、雷を落とすような雲は一つも見当たらない。それどころか眩いばかりの星がきらめいている。じゃあ、さっきからなっているあの雷は……。
「この神社はね、昔から雷を使う神の遣いに守られているんだ」芹那のお父さんは後ろからそう説明した。
そうか、ハクビシンか……。
それにしてもあれだけの雷を、ちゃんとコントロールして放つってことは、何匹もの大人のハクビシンがいるってことだろうか。それってもしかして、あの時コトネと助けたハクビシンの子孫たちなんだろうか。そう考えると、僕はなんだか胸に温かいものを感じた。
そんなことを考えている間も、雷は何かに向けて何発、何十発も落とされていった。
ん? と僕は思った。まだ遠くて、暗くてよく見えないけれど、ハクビシンたちはいったい何に向けて雷を落としているんだ?
嫌な予感がした。
「ズドンッ! ズドーーーン! ズドーーーン!!!」と何発も何発も雷が落ちる音がする。しかもそれはどんどんこちらに近づいてくる。あれだけの攻撃を受け、逃げることもせずこちらに向かってくるなんて……。
「なんだか様子が変だね……」芹那のお父さんも気づいたのか、そう言った。
「何が変なの?」芹那が聞いた。
「こんなに雷が続くの、初めてじゃないか?」
「そう言われればそうね……」と、芹那の口を塞ぐように、化け物がその姿を現した。
「ヒューーー、ヒューーー」と、か細く、どこか悲し気な泣き声が闇の中から聞こえてきた。
「ま、まさか……」
「ヒューーー、ヒューーー……」
香奈子は鵺は一匹じゃないと言っていた。けれどまさか、またこんなに早く出会うことになるとは……。
「ヒューーー、ヒューーー」
まず巨大な鉤爪、そして虎のような模様の足が目に飛び込んだ。
そして猿のように赤い顔……。
「鵺だ!!!」僕は思わず叫んだ。途端に体が光の粒子を発し、金色の靄に包まれた。「二人とも逃げて!」僕はそう叫んだものの、この鵺から逃げられる場所なんかあるのだろうかと思った。
「和也、どうする気!?」
「戦うよ!」
「その体で? 一緒に逃げて!」
「駄目だ! 僕まで一緒に逃げちゃ、三人ともやられちゃう! 僕が残って戦えば、せめて二人は助けられるんだ!」
「なに馬鹿なこと言ってんのよ!」
「コトネ、頼む! お兄ちゃんは鬼退治をするから、その二人を連れて行って!」
「鬼退治! 鬼退治!」そう言いながらコトネは芹那と芹那のお父さんの腕をつかむと、家の方に引きずるようにして戻って行った。
ありがとう、コトネ。
そうつぶやいて僕は、神璽剣を構え、鵺が神社の中に入ってくるのを待った。
みしみしと嫌な音を立て、巨大な木の鳥居が鵺の手で倒された。
今度こそ、今度こそ……。
僕はふと、スサノオの顔を思い出した。
僕はいつもスサノオに助けられたな……。
僕はいつも何もできなかった。それどころか、何一つ自分で決断すらできなかった。いつもスサノオに決めてもらい、スサノオに助けてもらい、スサノオの後について行った。でも今、僕の隣にスサノオはいない。いや、僕が、僕がスサノオなんだ。僕は、もう自分で何もかも決めなくちゃいけないんだ。自分で決めて、自分で戦い、人を救わなければいけないんだ。それがきっと、あの時スサノオが言っていた、自分を信じるってことなんだ。きっとスサノオは、自分がスサノオであると信じるだけのことを言っていたんじゃない。スサノオであると言うことがどういうことなのか、考えて生きていくことができるようになれって言ってたんだ。
鵺は赤い顔に二つの丸い目をさまよわせ、僕を見つけるとだらしなく口を開けながらよだれを流した。
「ヒューーー、ヒューーー」と喉の奥からか細い鳴き声を上げ、鵺は飛び上がったかと思うと、僕の真上から鉤爪を突き立て、突き刺すように落ちてきた。
僕は足を踏ん張ると、剣を構え、鉤爪の衝撃に備えた。
ギィイイイイン!!! と言って神璽剣は鵺の鉤爪ごと右腕を真っ二つに引き裂いた。
「ヒャアアアアア!!!」と鵺が悲鳴を上げて飛びのいた。
やった。鵺を切った。竹刀じゃ傷一つ付けるのがやっとだったが、やはり本物の剣は違う。鵺を倒せるぞ。それを確信した途端、僕は肩の力を抜くことができた。けれどここで気を緩めることはしない。それはコトネの爺様や弓矢の亡霊から教わった。たとえ勝ちを確信しても、敵の息の根を止めるまで、決して気を緩めるな! わかってるよ、そんなこと。僕はあらためて剣を構え、鵺の次の攻撃に備えた。
鵺は身をかがめ、威嚇するように口を大きく開き、「シャアアアア!!!」と猫のように喉を鳴らした。
と、今度は上には飛ばず、後ろ足で地面を蹴りつけ、僕に向かって直線的に飛び掛かってきた。
同じ失敗はしないってかい。頭がいいね。でも!
僕も極限まで身をかがめ、飛び掛かる鵺の下に潜り込むと、その腹にめがけて神璽剣を突き立てた。腹に剣が刺さっても勢いを殺すことのできなかった鵺の体は、一直線に腹を切り開かれ、黒くどろどろとした臓物のようなものを地面にぶちまけた。
鵺はまた「ヒャアアアア……」と悲鳴を上げたが、その声にさっきほどの力はない。
まだまだ……。油断しちゃいけない。僕は自分にそう言い聞かせ、こちらを睨みつける鵺の懐に飛び込み、下から弧を描くように神璽剣を振り抜き、鵺の首を落とした。
「やった……」
「鬼退治! 鬼退治!」いつのまにやらコトネが僕の周りを駆けまわっていた。
そんなに手こずらずに鵺を倒せたものの、やはりまだ体力の戻り切っていない体にはきつかった。
僕は息を切らしながらその場にへなへなと座り込んでしまった。
「和也! けがはない?」芹那が家から駆け出てきて、僕の体を抱きしめた。
「うん、大丈夫だよ。神璽剣のおかげで」
「よかった……。ねえ、それより大変なのよ。動ける?」
「大変って、なにが?」そう尋ねる僕の耳に、遠く風に運ばれるようにして、街の方から地響きのような巨大な音が聞こえてきた。「あの音……」
「とにかく戻って。街がね、街がね……、大変なの」
西の空に月を見つけ、空を見上げたが、雷を落とすような雲は一つも見当たらない。それどころか眩いばかりの星がきらめいている。じゃあ、さっきからなっているあの雷は……。
「この神社はね、昔から雷を使う神の遣いに守られているんだ」芹那のお父さんは後ろからそう説明した。
そうか、ハクビシンか……。
それにしてもあれだけの雷を、ちゃんとコントロールして放つってことは、何匹もの大人のハクビシンがいるってことだろうか。それってもしかして、あの時コトネと助けたハクビシンの子孫たちなんだろうか。そう考えると、僕はなんだか胸に温かいものを感じた。
そんなことを考えている間も、雷は何かに向けて何発、何十発も落とされていった。
ん? と僕は思った。まだ遠くて、暗くてよく見えないけれど、ハクビシンたちはいったい何に向けて雷を落としているんだ?
嫌な予感がした。
「ズドンッ! ズドーーーン! ズドーーーン!!!」と何発も何発も雷が落ちる音がする。しかもそれはどんどんこちらに近づいてくる。あれだけの攻撃を受け、逃げることもせずこちらに向かってくるなんて……。
「なんだか様子が変だね……」芹那のお父さんも気づいたのか、そう言った。
「何が変なの?」芹那が聞いた。
「こんなに雷が続くの、初めてじゃないか?」
「そう言われればそうね……」と、芹那の口を塞ぐように、化け物がその姿を現した。
「ヒューーー、ヒューーー」と、か細く、どこか悲し気な泣き声が闇の中から聞こえてきた。
「ま、まさか……」
「ヒューーー、ヒューーー……」
香奈子は鵺は一匹じゃないと言っていた。けれどまさか、またこんなに早く出会うことになるとは……。
「ヒューーー、ヒューーー」
まず巨大な鉤爪、そして虎のような模様の足が目に飛び込んだ。
そして猿のように赤い顔……。
「鵺だ!!!」僕は思わず叫んだ。途端に体が光の粒子を発し、金色の靄に包まれた。「二人とも逃げて!」僕はそう叫んだものの、この鵺から逃げられる場所なんかあるのだろうかと思った。
「和也、どうする気!?」
「戦うよ!」
「その体で? 一緒に逃げて!」
「駄目だ! 僕まで一緒に逃げちゃ、三人ともやられちゃう! 僕が残って戦えば、せめて二人は助けられるんだ!」
「なに馬鹿なこと言ってんのよ!」
「コトネ、頼む! お兄ちゃんは鬼退治をするから、その二人を連れて行って!」
「鬼退治! 鬼退治!」そう言いながらコトネは芹那と芹那のお父さんの腕をつかむと、家の方に引きずるようにして戻って行った。
ありがとう、コトネ。
そうつぶやいて僕は、神璽剣を構え、鵺が神社の中に入ってくるのを待った。
みしみしと嫌な音を立て、巨大な木の鳥居が鵺の手で倒された。
今度こそ、今度こそ……。
僕はふと、スサノオの顔を思い出した。
僕はいつもスサノオに助けられたな……。
僕はいつも何もできなかった。それどころか、何一つ自分で決断すらできなかった。いつもスサノオに決めてもらい、スサノオに助けてもらい、スサノオの後について行った。でも今、僕の隣にスサノオはいない。いや、僕が、僕がスサノオなんだ。僕は、もう自分で何もかも決めなくちゃいけないんだ。自分で決めて、自分で戦い、人を救わなければいけないんだ。それがきっと、あの時スサノオが言っていた、自分を信じるってことなんだ。きっとスサノオは、自分がスサノオであると信じるだけのことを言っていたんじゃない。スサノオであると言うことがどういうことなのか、考えて生きていくことができるようになれって言ってたんだ。
鵺は赤い顔に二つの丸い目をさまよわせ、僕を見つけるとだらしなく口を開けながらよだれを流した。
「ヒューーー、ヒューーー」と喉の奥からか細い鳴き声を上げ、鵺は飛び上がったかと思うと、僕の真上から鉤爪を突き立て、突き刺すように落ちてきた。
僕は足を踏ん張ると、剣を構え、鉤爪の衝撃に備えた。
ギィイイイイン!!! と言って神璽剣は鵺の鉤爪ごと右腕を真っ二つに引き裂いた。
「ヒャアアアアア!!!」と鵺が悲鳴を上げて飛びのいた。
やった。鵺を切った。竹刀じゃ傷一つ付けるのがやっとだったが、やはり本物の剣は違う。鵺を倒せるぞ。それを確信した途端、僕は肩の力を抜くことができた。けれどここで気を緩めることはしない。それはコトネの爺様や弓矢の亡霊から教わった。たとえ勝ちを確信しても、敵の息の根を止めるまで、決して気を緩めるな! わかってるよ、そんなこと。僕はあらためて剣を構え、鵺の次の攻撃に備えた。
鵺は身をかがめ、威嚇するように口を大きく開き、「シャアアアア!!!」と猫のように喉を鳴らした。
と、今度は上には飛ばず、後ろ足で地面を蹴りつけ、僕に向かって直線的に飛び掛かってきた。
同じ失敗はしないってかい。頭がいいね。でも!
僕も極限まで身をかがめ、飛び掛かる鵺の下に潜り込むと、その腹にめがけて神璽剣を突き立てた。腹に剣が刺さっても勢いを殺すことのできなかった鵺の体は、一直線に腹を切り開かれ、黒くどろどろとした臓物のようなものを地面にぶちまけた。
鵺はまた「ヒャアアアア……」と悲鳴を上げたが、その声にさっきほどの力はない。
まだまだ……。油断しちゃいけない。僕は自分にそう言い聞かせ、こちらを睨みつける鵺の懐に飛び込み、下から弧を描くように神璽剣を振り抜き、鵺の首を落とした。
「やった……」
「鬼退治! 鬼退治!」いつのまにやらコトネが僕の周りを駆けまわっていた。
そんなに手こずらずに鵺を倒せたものの、やはりまだ体力の戻り切っていない体にはきつかった。
僕は息を切らしながらその場にへなへなと座り込んでしまった。
「和也! けがはない?」芹那が家から駆け出てきて、僕の体を抱きしめた。
「うん、大丈夫だよ。神璽剣のおかげで」
「よかった……。ねえ、それより大変なのよ。動ける?」
「大変って、なにが?」そう尋ねる僕の耳に、遠く風に運ばれるようにして、街の方から地響きのような巨大な音が聞こえてきた。「あの音……」
「とにかく戻って。街がね、街がね……、大変なの」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました!
【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】
皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました!
本当に、本当にありがとうございます!
皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。
市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です!
【作品紹介】
欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。
だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。
彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。
【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc.
その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。
欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。
気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる!
【書誌情報】
タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』
著者: よっしぃ
イラスト: 市丸きすけ 先生
出版社: アルファポリス
ご購入はこちらから:
Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/
楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/
【作者より、感謝を込めて】
この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。
そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。
本当に、ありがとうございます。
【これまでの主な実績】
アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得
小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得
アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞
第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過
復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞
ファミ通文庫大賞 一次選考通過
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
家ごと異世界転移〜異世界来ちゃったけど快適に暮らします〜
奥野細道
ファンタジー
都内の2LDKマンションで暮らす30代独身の会社員、田中健太はある夜突然家ごと広大な森と異世界の空が広がるファンタジー世界へと転移してしまう。
パニックに陥りながらも、彼は自身の平凡なマンションが異世界においてとんでもないチート能力を発揮することを発見する。冷蔵庫は地球上のあらゆる食材を無限に生成し、最高の鮮度を保つ「無限の食料庫」となり、リビングのテレビは異世界の情報をリアルタイムで受信・翻訳する「異世界情報端末」として機能。さらに、お風呂の湯はどんな傷も癒す「万能治癒の湯」となり、ベランダは瞬時に植物を成長させる「魔力活性化菜園」に。
健太はこれらの能力を駆使して、食料や情報を確保し、異世界の人たちを助けながら安全な拠点を築いていく。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる