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正人の話 其の壱肆
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関ヶ原を出発し、噴火は治まったものの未だ煙をあげる伊吹山を横目に米原に向かった。
そこからさらに南下していく途中で、「少し体を洗いたいわ」と月読尊が言うので、琵琶湖の方に向かった。
俺も月読尊も俺のせいで血まみれだった。香奈子にしても、服はボロボロで見るに堪えない。伊吹山の近辺は噴火のせいで住民が避難していたので人目に触れることはなかったが、ここから先はそうもいかないだろう。
「服も替えた方がいいんじゃないか?」俺の提案に月読尊は「そうね」とひと言返し、途中にあった衣料品店に寄ると、適当な服を見繕って袋に入れた。律儀にも月読尊は誰もいないレジにお金を置いていた。「まるで賽銭みたいだな」と俺は冗談を言ったが二人とも笑わなかった。
十一月の水は冷たいだろうに、月読尊も香奈子も裸になって琵琶湖の水で体を洗った。
「ちょっとあっち行っててよ!」と香奈子が言うので、「興味ねえよ」と言って俺はその場を離れた。
俺も琵琶湖で体を洗うと、こびりついた血が湖の水を赤く濁らせた。
辺りが暗くなり、京都へと続く近江大橋に近づいた辺りで月読尊は少し休もうと言ったが、香奈子はまだ歩くと言ってきかなかった。
「化け物が出るわ」
「どこにいたって出るもんは出るさ。委員長が歩きたいって言うんだから、歩かせてやりゃあいいじゃねーか。それに今さら化け物を怖がるような面子かよ」
「その呼び方やめなさいよ!」香奈子は言った。
「いやっ!?」と言って月読尊が小さな悲鳴をあげるので何事かと立ち止まって見ると、手に持った勾玉が八岐大蛇へと姿を変えていた。
「前より少しでかくなったんじゃねーか?」俺は八岐大蛇を見上げながら言った。
「前って、昨日よりってこと?」
「ちげーよ。二千年前の話だよ」
八岐大蛇は相変わらず俺を敵とするか味方とするか考えあぐねた様子で睨みつけていた。
「それより今日一日、誰とも会わなかったわね」
「ああ。おかしいな」
「伊吹山の噴火も、ここまでは影響ないでしょうし」
「あれが原因じゃねーか?」近江大橋を渡ろうとしたところで、俺は空からの気配にそう言った。
「あれって?」そう言って月読尊が俺の視線の先に目を向けるやいなや、目で追えぬほどの速さで空から何者かが降りてくると、噛みつこうとした八岐大蛇の牙をかわして再び空中に舞い上がった。
「この先には行かぬが良いぞ?」俺たちの行く手を塞ぐように舞い降りたそいつはそう言った。山伏(やまぶし)の姿をし、右手に錫杖(しゃくじょう)を持ち、赤らめた顔に巨大な鼻の目立つ顔をしていた。
「天狗が何でこんなとこにいる? お前ら京都の北の山奥に住む化け物だろうが」
「無礼な! 我は京の山々を守る神であるぞ!」
「その神がなんでこんなとこにいるんだよ」
「平安京の顛倒結界が壊された」
「平安京? 京都のか? あそこはただの顛倒結界とはわけが違うだろ」
「さよう。四神(しじん)によって四方を強固に封じ込めた何者にも壊せぬものだ」
「それがどうしちまったんだい」
「荒ぶる神が現れ、四神もろとも平安京を破壊した。生き残った化け物は四方に散り、我は瀬田の唐橋に住む龍神とともに、近江の国を守ることとした」
「荒ぶる神ね。心当たりがある。じゃあ何かい、この橋の先には化け物が溢れてるってことかい」
「そう言うことだ」と言ってる先から、天狗の立つ橋の下から鋭く巨大な黒い爪のようなものが気配を殺して天狗に近づいた。
「危ない!」と香奈子が叫び声をあげた。
「あんなのにやられるほどあいつは弱くねーよ。見てな」
橋の下から現れたのは土蜘蛛だった。顔を出した途端、口から糸を吐き出し天狗を捕らえようとした。が、天狗は手に持った錫杖でその糸を吹き飛ばすと、そのまま開いた口に突き刺した。錫杖を口に突っ込まれた土蜘蛛は悲鳴を上げることもできずゴボゴボと黒い液体を吐きだすと、再び橋の下に逃げようとしたが、天狗はその首根っこを素手で捕まえ橋の上に引きずり上げた。そして土蜘蛛の頭を錫杖で叩きつけて潰すと、さらに宙に舞って錫杖をまるで槍のようにして土蜘蛛の腹に突き刺した。土蜘蛛はしばらく橋の上でひっくり返ってもがいていたが、すぐに動かなくなった。
「すごい……、和也でさえあんなに手こずっていたのに」
「その和也は、今ではあの天狗でさえ手も付けられねえほど暴れまわっているみたいだがな」
「さっき言ってた四神ってなんなの?」月読尊が聞いた。
「京都の顛倒結界を東西南北と守る霊獣だ。日本の神や化け物とはちょいと違って特別なんだ。東を青龍、北を玄武、西を白虎、南を朱雀が守ってる。京都があれだけ巨大な顛倒結界を持ちながら、その隣で人間が平気で暮らしていられたのも、そいつらのおかげだ」
「強いの?」
「さあ、知らねえ。戦ったやつなんていねーんじゃねえか?」
「どうして?」
「知らねえよ。あいつらの存在は、そう言うのとはまた違うんだ。特に何かをするわけじゃねえ。人の味方でもなければ、化け物の敵と言うわけでもねえ。鉄の壁みたいなもんだ。鉄の壁と戦って、強いも弱いもねえだろう」
「まあ、そうね」
「化け物で最強と言われる酒呑童子が出られねえほどの顛倒結界なんて、日本中探しても四神の守る京都だけだぜ。まあ、八岐大蛇と俺が一つになりゃあ、こっちが最強だがな」
「その酒呑童子って言う化け物、正人より強いって言うの?」香奈子が聞いた。
「ああ。今の俺よりは強いだろうよ」
「あの、伊吹山の神様よりも?」
「さあ、どっこいどっこいじゃねえか?」
「いま、その酒呑童子はどうなったの?」
「荒ぶる神に倒された! もはや四神も顛倒結界も存在しておらぬ!」天狗が言った。
「そんなことってあるのか……」俺は歯を食いしばった。
「それって、和也がやったってこと?」香奈子が聞いた。
「そうみたいだな」
「行くのか!」
「その荒ぶる神ってえのに用があるんでな」
「塵となるぞ!」
「俺らが何とかしねえと、日本が全部塵になっちまう」
その言葉に、天狗は何も言わなかった。
「行くぜ」俺はそう言って歩き出した。
「今宵は月の美しい夜じゃ」天狗が言った。
「しばらく満月が続くぜ」俺はそう言って天狗の横を通り過ぎた。
「其方のためか」天狗はすれ違いざま、月読尊に聞いた。
「そのようね」
「この月がいつまでも美しきよう、祈っておる」
そこからさらに南下していく途中で、「少し体を洗いたいわ」と月読尊が言うので、琵琶湖の方に向かった。
俺も月読尊も俺のせいで血まみれだった。香奈子にしても、服はボロボロで見るに堪えない。伊吹山の近辺は噴火のせいで住民が避難していたので人目に触れることはなかったが、ここから先はそうもいかないだろう。
「服も替えた方がいいんじゃないか?」俺の提案に月読尊は「そうね」とひと言返し、途中にあった衣料品店に寄ると、適当な服を見繕って袋に入れた。律儀にも月読尊は誰もいないレジにお金を置いていた。「まるで賽銭みたいだな」と俺は冗談を言ったが二人とも笑わなかった。
十一月の水は冷たいだろうに、月読尊も香奈子も裸になって琵琶湖の水で体を洗った。
「ちょっとあっち行っててよ!」と香奈子が言うので、「興味ねえよ」と言って俺はその場を離れた。
俺も琵琶湖で体を洗うと、こびりついた血が湖の水を赤く濁らせた。
辺りが暗くなり、京都へと続く近江大橋に近づいた辺りで月読尊は少し休もうと言ったが、香奈子はまだ歩くと言ってきかなかった。
「化け物が出るわ」
「どこにいたって出るもんは出るさ。委員長が歩きたいって言うんだから、歩かせてやりゃあいいじゃねーか。それに今さら化け物を怖がるような面子かよ」
「その呼び方やめなさいよ!」香奈子は言った。
「いやっ!?」と言って月読尊が小さな悲鳴をあげるので何事かと立ち止まって見ると、手に持った勾玉が八岐大蛇へと姿を変えていた。
「前より少しでかくなったんじゃねーか?」俺は八岐大蛇を見上げながら言った。
「前って、昨日よりってこと?」
「ちげーよ。二千年前の話だよ」
八岐大蛇は相変わらず俺を敵とするか味方とするか考えあぐねた様子で睨みつけていた。
「それより今日一日、誰とも会わなかったわね」
「ああ。おかしいな」
「伊吹山の噴火も、ここまでは影響ないでしょうし」
「あれが原因じゃねーか?」近江大橋を渡ろうとしたところで、俺は空からの気配にそう言った。
「あれって?」そう言って月読尊が俺の視線の先に目を向けるやいなや、目で追えぬほどの速さで空から何者かが降りてくると、噛みつこうとした八岐大蛇の牙をかわして再び空中に舞い上がった。
「この先には行かぬが良いぞ?」俺たちの行く手を塞ぐように舞い降りたそいつはそう言った。山伏(やまぶし)の姿をし、右手に錫杖(しゃくじょう)を持ち、赤らめた顔に巨大な鼻の目立つ顔をしていた。
「天狗が何でこんなとこにいる? お前ら京都の北の山奥に住む化け物だろうが」
「無礼な! 我は京の山々を守る神であるぞ!」
「その神がなんでこんなとこにいるんだよ」
「平安京の顛倒結界が壊された」
「平安京? 京都のか? あそこはただの顛倒結界とはわけが違うだろ」
「さよう。四神(しじん)によって四方を強固に封じ込めた何者にも壊せぬものだ」
「それがどうしちまったんだい」
「荒ぶる神が現れ、四神もろとも平安京を破壊した。生き残った化け物は四方に散り、我は瀬田の唐橋に住む龍神とともに、近江の国を守ることとした」
「荒ぶる神ね。心当たりがある。じゃあ何かい、この橋の先には化け物が溢れてるってことかい」
「そう言うことだ」と言ってる先から、天狗の立つ橋の下から鋭く巨大な黒い爪のようなものが気配を殺して天狗に近づいた。
「危ない!」と香奈子が叫び声をあげた。
「あんなのにやられるほどあいつは弱くねーよ。見てな」
橋の下から現れたのは土蜘蛛だった。顔を出した途端、口から糸を吐き出し天狗を捕らえようとした。が、天狗は手に持った錫杖でその糸を吹き飛ばすと、そのまま開いた口に突き刺した。錫杖を口に突っ込まれた土蜘蛛は悲鳴を上げることもできずゴボゴボと黒い液体を吐きだすと、再び橋の下に逃げようとしたが、天狗はその首根っこを素手で捕まえ橋の上に引きずり上げた。そして土蜘蛛の頭を錫杖で叩きつけて潰すと、さらに宙に舞って錫杖をまるで槍のようにして土蜘蛛の腹に突き刺した。土蜘蛛はしばらく橋の上でひっくり返ってもがいていたが、すぐに動かなくなった。
「すごい……、和也でさえあんなに手こずっていたのに」
「その和也は、今ではあの天狗でさえ手も付けられねえほど暴れまわっているみたいだがな」
「さっき言ってた四神ってなんなの?」月読尊が聞いた。
「京都の顛倒結界を東西南北と守る霊獣だ。日本の神や化け物とはちょいと違って特別なんだ。東を青龍、北を玄武、西を白虎、南を朱雀が守ってる。京都があれだけ巨大な顛倒結界を持ちながら、その隣で人間が平気で暮らしていられたのも、そいつらのおかげだ」
「強いの?」
「さあ、知らねえ。戦ったやつなんていねーんじゃねえか?」
「どうして?」
「知らねえよ。あいつらの存在は、そう言うのとはまた違うんだ。特に何かをするわけじゃねえ。人の味方でもなければ、化け物の敵と言うわけでもねえ。鉄の壁みたいなもんだ。鉄の壁と戦って、強いも弱いもねえだろう」
「まあ、そうね」
「化け物で最強と言われる酒呑童子が出られねえほどの顛倒結界なんて、日本中探しても四神の守る京都だけだぜ。まあ、八岐大蛇と俺が一つになりゃあ、こっちが最強だがな」
「その酒呑童子って言う化け物、正人より強いって言うの?」香奈子が聞いた。
「ああ。今の俺よりは強いだろうよ」
「あの、伊吹山の神様よりも?」
「さあ、どっこいどっこいじゃねえか?」
「いま、その酒呑童子はどうなったの?」
「荒ぶる神に倒された! もはや四神も顛倒結界も存在しておらぬ!」天狗が言った。
「そんなことってあるのか……」俺は歯を食いしばった。
「それって、和也がやったってこと?」香奈子が聞いた。
「そうみたいだな」
「行くのか!」
「その荒ぶる神ってえのに用があるんでな」
「塵となるぞ!」
「俺らが何とかしねえと、日本が全部塵になっちまう」
その言葉に、天狗は何も言わなかった。
「行くぜ」俺はそう言って歩き出した。
「今宵は月の美しい夜じゃ」天狗が言った。
「しばらく満月が続くぜ」俺はそう言って天狗の横を通り過ぎた。
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【作者より、感謝を込めて】
この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。
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