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第1話 婚約破棄
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「マキナ・ティアベル! 貴様との婚約を破棄する!」
呆れました。
昼間から呼び出して、婚約破棄とは……。
非常識な王子、ランド・オージス様に、私は問いかけます。
「理由をお聞かせいただけますか?」
「飽きたからだ!」
「あ、飽きた……?」
「そうだ! お前は全然僕に媚びてくれない! 絶世の美女であることを鼻にかけて、ただのうのうと生きているだけじゃないか!」
そんなことはありません……。
伯爵家の令嬢であり、長女である私は、日々学ぶことや仕事も多く、平均睡眠時間は四時間程度という、過酷な生活を送っています。
ただでさえ眠い時間帯に……。バカな話をされると、あくびが出てしまいそうです。
「僕は王子だぞ! もっと媚びろ! なんですまし顔でボーっとしてるだけなんだ!」
「あの……。私を娼婦か何かと勘違いしていらっしゃいますか?」
「……娼婦以下だ! 貴様なんて! 娼婦はもっと優しくしてくれるぞ!」
「めちゃくちゃなことをおっしゃりますね。……ところで、私という婚約者がありながら、娼婦と毎晩のように遊んでいるという事実については、どうお考えでしょうか」
「今はそんな話関係ないだろ!」
あなたが娼婦という言葉を持ち出したのが悪いんでしょうに……。
「もうよい! 話は終わりだ! この女を連れていけ!」
「は? 一体何を――」
私の両脇を、兵たちが抱えます。
そして……。外に連れて行かれ、馬車に詰め込まれました。
抵抗むなしく、馬車は出発。
一緒に乗っている見張りの兵に、剣を突き立てられては、何も身動きが取れません……。
「あの、私はどこに?」
「隣国の公爵令嬢様のメイドになるのだ」
なんですかそれ……。
隣国の公爵令嬢様というと、わがまま令嬢として有名な方です。
一度だけ顔を合わせたことがありますが、五秒でも同じ空間にいたくない人でした。
「喜べ。本来であれば森に捨てられるところを、ランド様のご厚意でメイドにしてもらえるのだ」
「はい……そうですね」
なんだか疲れてしまった私は、ただ肯定することにしました
……こんなことをして、私の親が黙っているとでも思っているのでしょうか。
婚約破棄だけではなく、まさかの国外追放までされてしまうとは……。
絶対に許しません。必ず復讐してみせます。
呆れました。
昼間から呼び出して、婚約破棄とは……。
非常識な王子、ランド・オージス様に、私は問いかけます。
「理由をお聞かせいただけますか?」
「飽きたからだ!」
「あ、飽きた……?」
「そうだ! お前は全然僕に媚びてくれない! 絶世の美女であることを鼻にかけて、ただのうのうと生きているだけじゃないか!」
そんなことはありません……。
伯爵家の令嬢であり、長女である私は、日々学ぶことや仕事も多く、平均睡眠時間は四時間程度という、過酷な生活を送っています。
ただでさえ眠い時間帯に……。バカな話をされると、あくびが出てしまいそうです。
「僕は王子だぞ! もっと媚びろ! なんですまし顔でボーっとしてるだけなんだ!」
「あの……。私を娼婦か何かと勘違いしていらっしゃいますか?」
「……娼婦以下だ! 貴様なんて! 娼婦はもっと優しくしてくれるぞ!」
「めちゃくちゃなことをおっしゃりますね。……ところで、私という婚約者がありながら、娼婦と毎晩のように遊んでいるという事実については、どうお考えでしょうか」
「今はそんな話関係ないだろ!」
あなたが娼婦という言葉を持ち出したのが悪いんでしょうに……。
「もうよい! 話は終わりだ! この女を連れていけ!」
「は? 一体何を――」
私の両脇を、兵たちが抱えます。
そして……。外に連れて行かれ、馬車に詰め込まれました。
抵抗むなしく、馬車は出発。
一緒に乗っている見張りの兵に、剣を突き立てられては、何も身動きが取れません……。
「あの、私はどこに?」
「隣国の公爵令嬢様のメイドになるのだ」
なんですかそれ……。
隣国の公爵令嬢様というと、わがまま令嬢として有名な方です。
一度だけ顔を合わせたことがありますが、五秒でも同じ空間にいたくない人でした。
「喜べ。本来であれば森に捨てられるところを、ランド様のご厚意でメイドにしてもらえるのだ」
「はい……そうですね」
なんだか疲れてしまった私は、ただ肯定することにしました
……こんなことをして、私の親が黙っているとでも思っているのでしょうか。
婚約破棄だけではなく、まさかの国外追放までされてしまうとは……。
絶対に許しません。必ず復讐してみせます。
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