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第6話 恥さらし
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「さて。準備完了ですね」
あとは……。あの大馬鹿王子を待つだけです。
街の中心にある広場に、大勢の人々を呼び寄せました。
皆、目が血走っています。
話を聞くと、どうやら少し、戦闘も起こってしまったようです。
「は、離せぇ! 貴様ぁ!」
おや。主役の登場ですね。
馬車から引きずり出されるようにして……。
我が国の王子、ランド・オージス様が姿を現しました。
「マ、マキナ!? どうしてここにいる!」
私を見て、目を見開きました。
その様子がおかしくて、思わず笑ってしまいます。
「どうしてと申されましても……」
「隣の男は誰だ!」
「僕は隣国の王子、カシオ・マーズスターです」
「隣国の……? 何をしに来たのだ! さっさと帰れ!」
「ランド様……。一国の王子が、そのような態度を取るのは適切ではないと思いますが」
「根性を叩き直してあげないとね」
カシオ様が、木刀を手に取りました。
そして、ランド様にも同じものが手渡されます。
「僕と戦おうっていうのか……?」
「その通り。王子である以上、人並みに剣を振るうことくらいはできないとね」
「……」
「どうしたんだい? まさか、剣を握ったことすらないとか?」
「馬鹿にするなぁ!!!」
ランド様が、木刀を思いっきりカシオ様に振り下ろしましたが……。
あっさりと躱され、体制を崩します。
そして、腹に蹴りを入れられ、その場に倒れてしまいました。
「ふっ、ふごぉ……」
「弱いですね……。恥ずかしくありませんか?」
カシオ様の活躍に、歓声が上がります。
どちらがこの国の王子か、わかりませんね……。
「きっ……さっまぁ……! ここは我が国であるぞ! こんなことをして、タダで済むと思っているのか!」
「国王様に許可は取りました。腐った根性を、徹底的にたたき直してやれと」
「なんだと……!?」
「さぁ立ち上がってください。構えて」
ふらつきながら、なんとか木刀を構えるランド様ですが、全く様になっていません。
「う、うおおお!!!」
またしても、無策なまま斬りかかりますが、同じように躱され、今度は腹を木刀で突かれてしまいました、
「がはっ……!」
まるで、大人と子供です。
二人とも、年齢は同じはずなのですが……。
「も、もう降参だぁ! やめてくれぇ!」
「では、マキナに。……そして、国民に謝るのです」
「なにぃ……?」
「そうすれば、許してあげましょう」
「誰が謝るか! 僕は王子だ!」
なんてことですか。
ここまで恥をさらしても、まだ諦めないとは……。
仕方ありません。
肉体的な攻撃がダメならば、精神的に追い詰めるしかないでしょう。
あとは……。あの大馬鹿王子を待つだけです。
街の中心にある広場に、大勢の人々を呼び寄せました。
皆、目が血走っています。
話を聞くと、どうやら少し、戦闘も起こってしまったようです。
「は、離せぇ! 貴様ぁ!」
おや。主役の登場ですね。
馬車から引きずり出されるようにして……。
我が国の王子、ランド・オージス様が姿を現しました。
「マ、マキナ!? どうしてここにいる!」
私を見て、目を見開きました。
その様子がおかしくて、思わず笑ってしまいます。
「どうしてと申されましても……」
「隣の男は誰だ!」
「僕は隣国の王子、カシオ・マーズスターです」
「隣国の……? 何をしに来たのだ! さっさと帰れ!」
「ランド様……。一国の王子が、そのような態度を取るのは適切ではないと思いますが」
「根性を叩き直してあげないとね」
カシオ様が、木刀を手に取りました。
そして、ランド様にも同じものが手渡されます。
「僕と戦おうっていうのか……?」
「その通り。王子である以上、人並みに剣を振るうことくらいはできないとね」
「……」
「どうしたんだい? まさか、剣を握ったことすらないとか?」
「馬鹿にするなぁ!!!」
ランド様が、木刀を思いっきりカシオ様に振り下ろしましたが……。
あっさりと躱され、体制を崩します。
そして、腹に蹴りを入れられ、その場に倒れてしまいました。
「ふっ、ふごぉ……」
「弱いですね……。恥ずかしくありませんか?」
カシオ様の活躍に、歓声が上がります。
どちらがこの国の王子か、わかりませんね……。
「きっ……さっまぁ……! ここは我が国であるぞ! こんなことをして、タダで済むと思っているのか!」
「国王様に許可は取りました。腐った根性を、徹底的にたたき直してやれと」
「なんだと……!?」
「さぁ立ち上がってください。構えて」
ふらつきながら、なんとか木刀を構えるランド様ですが、全く様になっていません。
「う、うおおお!!!」
またしても、無策なまま斬りかかりますが、同じように躱され、今度は腹を木刀で突かれてしまいました、
「がはっ……!」
まるで、大人と子供です。
二人とも、年齢は同じはずなのですが……。
「も、もう降参だぁ! やめてくれぇ!」
「では、マキナに。……そして、国民に謝るのです」
「なにぃ……?」
「そうすれば、許してあげましょう」
「誰が謝るか! 僕は王子だ!」
なんてことですか。
ここまで恥をさらしても、まだ諦めないとは……。
仕方ありません。
肉体的な攻撃がダメならば、精神的に追い詰めるしかないでしょう。
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