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強引な追放
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「ライロット・メンゼム。貴様は今日で、この王都から出て行ってもらう」
ライロットは、耳を疑った。
どうして自分が……。一体、何をしたというのだろう。
色々と、考えを巡らせてみるが、全く思い当たる点がなかった。
「レイドル様……。理由をお聞かせください」
玉座に座り、自分を睨みつけている国王――レイドル・カージリストに、ライロットは尋ねた。
レイドルは、少しだけ口角を上げ、答える。
「まさか、この場で白を切るとはな……。勇気のある娘と言えよう」
白を切るも何も、ライロットには、本当に心当たりがなかった。
辺境の小さな村から、王都に連れて来られ、今年で十年……。
自分は、平和に、平凡に、生活をしてきたはずである。
国に咎められるようなことをした覚えは、全く無い。
「よろしい。であれば、証言者を呼ぶことにする」
レイドルが、横に立っていた執事に耳打ちをした。
執事はすぐに、王の間を出て行く。
やがて……。一人の女性を連れて、戻ってきた。
真っ赤な髪と、碧い目が特徴的な美少女。
キリマール侯爵家の令嬢、ユレイナだった。
今年で十七歳になるはずの彼女は……。童顔であり、背も低いせいか、どことなく子供っぽい印象を受ける。
ユレイナは、レイドルの横に立ち、ライロットを睨みつけた。
「ユレイナ。説明しなさい。……この女が、犯した罪を」
「はい。……ライロット・メンゼム。あなたは、私の婚約者である、ヘイサル王子を、淫らな態度で誘惑し、私から奪い去ろうとした。そうよね?」
「は……?」
淫らな誘惑……? 私が……?
ライロットは混乱した。自分がまさか、そんなことをするはずがない。
しかし、ユレイナの表情は、自信に満ち溢れている。ライロットを完全な敵とみなし、堂々とした目で、睨みつけているのだった。
「ライロット。何か、反論はあるか?」
「反論も何も……。覚えがありません。どうして私が、ヘイサル王子を……。誘惑せねばならないのですか?」
「あなたは、街の花屋で働いているでしょう? やけに田舎臭い娘がいるなぁって、ずっと思っていたのよ。店の前を通る度、うんざりしていたわ。……狙っていたのよね。ヘイサル王子が、店に来るタイミングを」
「全く何をおっしゃっているのか……」
「とぼけないでちょうだい!」
いきなり大きな声を出したユレイナ。
彼女は、よく癇癪を起こすとのことで、町でも有名だった。
ライロットは……。極めて冷静に、反論をすることにした。
「……確かに、ヘイサル王子は、私の働いている店で、よく花を買ってくださいます。しかし、話す内容と言えば、どのような花が、ユレイナ様に似合うだろう。とか……。そう言った話題が多かったですよ?」
声を少し、抑えめにして、決して相手を刺激しないよう努めたライロット。
しかし、そのライロットの冷静さと、ゆとりある態度が、逆にユレイナを怒らせてしまった。
「ヘイサル王子は、いつもあなたの話をするのよ! おかしいでしょう!? 私は婚約者なのに! 私の方が美人なのに! どうしてあなたみたいな、平凡で何の取り柄もない、ヘラヘラした村娘に、婚約者を奪われなければいけないの!? もううんざりよ!! 早く国から出て行って!」
ユレイナは、ついに泣き出してしまった。
執事が、ユレイナにハンカチを手渡す。
「……そういうわけだ。是非、王都から出て行ってくれ」
レイドルが、半笑いでそう言った。
「待ってください……。明らかに、ユレイナ様の被害妄想です。こんなことで、追放などしてしまえば、国王の評判にも、きっと悪影響を及ぼすはずですよ?」
「逆らうのか? 私に反抗するものは、死罪すら適応されるが……」
「くっ……」
どうやら、レイドルは本気らしい。
自分の息子の婚約者だからと言って、甘すぎやしないだろうか。
十年間住んできた街だ。愛着もある。
……辺境の村から、中ば強制的に、労働者として連れて来られた自分へ、工場に連れて行かれる前に声をかけてくれた、花屋の主人と、その仲間たち。
そして、毎日花を買いに来てくれる、街の人々。
彼らと離れることは、考えたくなかった。
……しかし、逆らってしまえば、おそらく花屋に、迷惑がかかるだろう。
それだけは、避けなければいけない。
ライロットは……。渋々、首を縦に振った。
「……わかりました。出て行きます」
「それでよい」
「……ふんっ」
さっきまで泣いていたはずのユレイナは、もうとっくに、平気な顔をしていた。
……どうやら、嘘泣きだったらしい。
「ねぇねぇ。レイドル様」
馴れ馴れしい態度で、レイドルに語り掛けるユレイナ。
そんなユレイナに、ニヤニヤしながら、レイドルは応じる。
「どうした? 可愛い可愛いユレイナよ」
「ライロットは、サンバスタに行くべきだと思いますの」
「それはなぜだ?」
「磯臭い空気が、きっとお似合いですもの。それに、街を出て行くと言っても、彼女の資産では、どうせ大した移動もできません。……また、顔を合わせることになったら、最悪ですわ。それならいっそ、島送りにしてしまった方が良いでしょう?」
「なるほど。それは名案だ。……聞いたか? ライロットよ」
「……はい」
サンバスタは、ここエージャリオンの領土にあたる島である。
ライロットは、馴染みがなかったが……。どうせ、戻ってくることが叶わないのであれば、いっそ遠く離れた方がマシだと思っていた。
「今晩確か……。大きな船が出るだろう。それに乗れるように、手配しておいてやる。良いか? 今晩だ。決して乗り遅れるなよ……?」
「わかりました……」
「よろしい。では、さっさと行け」
「……失礼します」
礼をしてから、ライロットは、王の間を出て行った。
今から花屋に戻り……。
起きた出来事を告げなければいけないことが、何より苦痛に感じた。
きっと、たくさん泣くだろう。
……そして、泣かせてしまうだろう。
だけど、永遠の別れではない。
すでに、少しだけ流れ始めてしまった涙を拭いて、ライロットは帰路についた。
ライロットは、耳を疑った。
どうして自分が……。一体、何をしたというのだろう。
色々と、考えを巡らせてみるが、全く思い当たる点がなかった。
「レイドル様……。理由をお聞かせください」
玉座に座り、自分を睨みつけている国王――レイドル・カージリストに、ライロットは尋ねた。
レイドルは、少しだけ口角を上げ、答える。
「まさか、この場で白を切るとはな……。勇気のある娘と言えよう」
白を切るも何も、ライロットには、本当に心当たりがなかった。
辺境の小さな村から、王都に連れて来られ、今年で十年……。
自分は、平和に、平凡に、生活をしてきたはずである。
国に咎められるようなことをした覚えは、全く無い。
「よろしい。であれば、証言者を呼ぶことにする」
レイドルが、横に立っていた執事に耳打ちをした。
執事はすぐに、王の間を出て行く。
やがて……。一人の女性を連れて、戻ってきた。
真っ赤な髪と、碧い目が特徴的な美少女。
キリマール侯爵家の令嬢、ユレイナだった。
今年で十七歳になるはずの彼女は……。童顔であり、背も低いせいか、どことなく子供っぽい印象を受ける。
ユレイナは、レイドルの横に立ち、ライロットを睨みつけた。
「ユレイナ。説明しなさい。……この女が、犯した罪を」
「はい。……ライロット・メンゼム。あなたは、私の婚約者である、ヘイサル王子を、淫らな態度で誘惑し、私から奪い去ろうとした。そうよね?」
「は……?」
淫らな誘惑……? 私が……?
ライロットは混乱した。自分がまさか、そんなことをするはずがない。
しかし、ユレイナの表情は、自信に満ち溢れている。ライロットを完全な敵とみなし、堂々とした目で、睨みつけているのだった。
「ライロット。何か、反論はあるか?」
「反論も何も……。覚えがありません。どうして私が、ヘイサル王子を……。誘惑せねばならないのですか?」
「あなたは、街の花屋で働いているでしょう? やけに田舎臭い娘がいるなぁって、ずっと思っていたのよ。店の前を通る度、うんざりしていたわ。……狙っていたのよね。ヘイサル王子が、店に来るタイミングを」
「全く何をおっしゃっているのか……」
「とぼけないでちょうだい!」
いきなり大きな声を出したユレイナ。
彼女は、よく癇癪を起こすとのことで、町でも有名だった。
ライロットは……。極めて冷静に、反論をすることにした。
「……確かに、ヘイサル王子は、私の働いている店で、よく花を買ってくださいます。しかし、話す内容と言えば、どのような花が、ユレイナ様に似合うだろう。とか……。そう言った話題が多かったですよ?」
声を少し、抑えめにして、決して相手を刺激しないよう努めたライロット。
しかし、そのライロットの冷静さと、ゆとりある態度が、逆にユレイナを怒らせてしまった。
「ヘイサル王子は、いつもあなたの話をするのよ! おかしいでしょう!? 私は婚約者なのに! 私の方が美人なのに! どうしてあなたみたいな、平凡で何の取り柄もない、ヘラヘラした村娘に、婚約者を奪われなければいけないの!? もううんざりよ!! 早く国から出て行って!」
ユレイナは、ついに泣き出してしまった。
執事が、ユレイナにハンカチを手渡す。
「……そういうわけだ。是非、王都から出て行ってくれ」
レイドルが、半笑いでそう言った。
「待ってください……。明らかに、ユレイナ様の被害妄想です。こんなことで、追放などしてしまえば、国王の評判にも、きっと悪影響を及ぼすはずですよ?」
「逆らうのか? 私に反抗するものは、死罪すら適応されるが……」
「くっ……」
どうやら、レイドルは本気らしい。
自分の息子の婚約者だからと言って、甘すぎやしないだろうか。
十年間住んできた街だ。愛着もある。
……辺境の村から、中ば強制的に、労働者として連れて来られた自分へ、工場に連れて行かれる前に声をかけてくれた、花屋の主人と、その仲間たち。
そして、毎日花を買いに来てくれる、街の人々。
彼らと離れることは、考えたくなかった。
……しかし、逆らってしまえば、おそらく花屋に、迷惑がかかるだろう。
それだけは、避けなければいけない。
ライロットは……。渋々、首を縦に振った。
「……わかりました。出て行きます」
「それでよい」
「……ふんっ」
さっきまで泣いていたはずのユレイナは、もうとっくに、平気な顔をしていた。
……どうやら、嘘泣きだったらしい。
「ねぇねぇ。レイドル様」
馴れ馴れしい態度で、レイドルに語り掛けるユレイナ。
そんなユレイナに、ニヤニヤしながら、レイドルは応じる。
「どうした? 可愛い可愛いユレイナよ」
「ライロットは、サンバスタに行くべきだと思いますの」
「それはなぜだ?」
「磯臭い空気が、きっとお似合いですもの。それに、街を出て行くと言っても、彼女の資産では、どうせ大した移動もできません。……また、顔を合わせることになったら、最悪ですわ。それならいっそ、島送りにしてしまった方が良いでしょう?」
「なるほど。それは名案だ。……聞いたか? ライロットよ」
「……はい」
サンバスタは、ここエージャリオンの領土にあたる島である。
ライロットは、馴染みがなかったが……。どうせ、戻ってくることが叶わないのであれば、いっそ遠く離れた方がマシだと思っていた。
「今晩確か……。大きな船が出るだろう。それに乗れるように、手配しておいてやる。良いか? 今晩だ。決して乗り遅れるなよ……?」
「わかりました……」
「よろしい。では、さっさと行け」
「……失礼します」
礼をしてから、ライロットは、王の間を出て行った。
今から花屋に戻り……。
起きた出来事を告げなければいけないことが、何より苦痛に感じた。
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