(R18)エロゲRPGの中に転生してしまったので仕方ないからプレイする

前花しずく

文字の大きさ
93 / 128
平原の遺跡編

馬車の行く先

しおりを挟む
「なんなんだよこのでかいのー。歩いたほうがはえーぞ」

「文句があれば降りてもらって結構。そもそも私はどこぞの猫を乗せる許可を出した覚えはないんだけどね」

「んだとー!?」

 ガルが加わって早々バプラスとバチバチにやりあっている。方向性の違う面倒くささの二人だけどどうか穏便に済ませてくれ……そう思いつつ転んで荷物に激突しそうなスピカを食い止める。

「ガルはこのあたりに住んでいるんですか?」

「そうだぞ! このへんぜーんぶ俺の縄張りだぞ! だから淫魔が出たら全部とっちめてやるんだ!!」

「まさかこの平原のど真ん中で暮らしてる人間がいるなんてなあ」

 パッと外を見ても当然のように360度まっ平らで背の高い木は一つもない。たまにとげとげした葉っぱの植物はあるが、水も食料も厳しそうだ。

「ヒロキ様、ガルは人間ではありませんよ」

「え、違うの?」

 明らかにコスプレしている人間だけど。まあゲームの中だしそういうことを言うのはNGか。

「ガルは獣人族という種族です。人間と交配はできますが生活の仕方は全然違います」

 今さらっとすごいこと言ってたけども。要は別種族だけど攻略対象ではあるってことだろ。……ただ攻略対象とはいえ信用されてないからなあ。

「ガル、この辺りで淫魔が多いのはどのあたりですか?」

「そーだなー。あ、あっちの方にある遺跡のところはよく淫魔を見かけるぞ!」

「遺跡か。ゲームっぽいな」

 ゲームあるある。砂漠に遺跡がありがち。

「もしかしたらそこに淫魔石があるかもしれませんね……」

「メイランの町もそうだが、近い方から撃破していった方がよさそうだな」

 スピカのためには早めにメイランに行ってやった方がいいんだろうが、俺らの目的は淫魔石を最終的にはすべて破壊することだから近くにあったらば行った方がいい。

「バプラス、この平原の遺跡がどこか知ってるか?」

「行かないよ」

 おいおいまだ何も言ってないだろうが……。まあでも口ぶりからして知ってはいそうだな。

「なんでだよ」

「こっちは商品を運んでるんだ。なんでわざわざ危険の多い場所に行かなきゃいけないんだぃ? むしろ避けて通るね」

 う、それはもっともだ。そもそもバプラスは冒険者でも何でもない。俺たちの目的につき合わせるのはさすがに厳しいか……。

「バプラスさん、遺跡はただ危ないだけじゃないかもしれませんよ」

 そう言いだしたのはアナだった。今回バプラスとの交渉役はすべてアナにやってもらっているな……。

「どういう意味だぃ?」

「遺跡ということは中に古いお宝が眠っているかもしれません。一攫千金も夢じゃないかもしれませんよ!」

 確かに遺跡と言えばお宝というイメージはある。が、それにバプラスが食いついてくれるか……。

「残念だけどね、あの遺跡はもう調査済みだよ。この平原を通ってどこへ行くにもあの遺跡のあたりを通るから昔から認知されているからねぇ。もう何も残っちゃいないよ」

 そりゃそうか……同じことを考える人は大勢いるからな……。結局駄目か……。

「でしたら聖水ならばどうでしょう」

「……!」

 アナがそう切り出すとバプラスは半分こちらを振り向いた。お、なんか知らんが食いついてるぞ!

「淫魔石があるならばきっと近くに祭壇があるはず。そこで聖水を分けるというのはどうでしょうか」

「……」

「もちろん道中は私たちが商品を守りますから」

 アストロデューテも言ってた通りもともとはログインボーナス。それ以外では手に入らないレアアイテムなのだろう。

「……手短かに頼むよ」

「ということは……!」

「ここんところどういうわけか聖水どころか勇者が煙のように次々といなくなっている。仕入れておいて損はないってことサ」

 意地でも直接的には言わないが、要はついてくることに了承したということだ。アナが俺の方を振り向いて得意げにガッツポーズしてくる。本当にアナには頭が上がらないな。

「勇者様! こんなところに透明なクツが!!」

「ぐがー! ぐがー!」

 ガルのひどく大きいいびきの中でまたスピカを高価な商品から引き離す。そんなことを繰り返しながら馬車はゆっくりと遺跡方面に進んでいく……。
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話

桜井正宗
青春
 ――結婚しています!  それは二人だけの秘密。  高校二年の遙と遥は結婚した。  近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。  キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。  ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。 *結婚要素あり *ヤンデレ要素あり

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

ヤンデレエリートの執愛婚で懐妊させられます

沖田弥子
恋愛
職場の後輩に恋人を略奪された澪。終業後に堪えきれず泣いていたところを、営業部のエリート社員、天王寺明夜に見つかってしまう。彼に優しく慰められながら居酒屋で事の顛末を話していたが、なぜか明夜と一夜を過ごすことに――!? 明夜は傷心した自分を慰めてくれただけだ、と考える澪だったが、翌朝「責任をとってほしい」と明夜に迫られ、婚姻届にサインしてしまった。突如始まった新婚生活。明夜は澪の心と身体を幸せで満たしてくれていたが、徐々に明夜のヤンデレな一面が見えてきて――執着強めな旦那様との極上溺愛ラブストーリー!

処理中です...