アイアンメイデンは酒に弱い

その女、アイアンメイデン。

女の正体

ーもしかしてアレはー

もう直感でしかなかった。幸運な事に、戦友はまだ気づいていない。

ーすまん、ちょっとトイレにー

戦友にそう言い残し、俺は女を追いかけた。

ーッチ、酒場の主人と蔵に行きやがった。ー

女は主人と一緒に蔵に入って行った。

酒場には蔵に裏口がある。そこから抜けて行くようだ。

ーここまで来て逃がすか！ー

俺はダッシュで裏口に向かった。

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アリス「おい、主人。例の酒はどこだ？」

女....アリスは鎧に身を包んだまま訪ねた。

主人「おお、やはり来られましたな。あなたなら初日に来られると思っておりました。」

アリス「御託はいい、さっさと案内しろ。」

主人に連れられ蔵に入ると、むせ返るほどの酒の匂いがした。

アリス「どれがあの『ノズマン』なのだ？」

主人「これですよ。」

主人はそう言うと、棚の奥から布に包まれた酒入りの瓶を取り出した。

主人「ノズマンは帝国の東だけで作られている珍しい酒ですからねぇ。手に入れるのも大変でした。」

アリス  (今日がその納品日だという事を忘れる所だった。)

アリスはホッと胸を撫で下ろした。