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はじまり

01 私と猫

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「もーレオは世界一かっこいい大好き!レオと結婚する!」
「にゃー」

そう言って私は茶色のふわふわの猫を抱き上げると
鼻に軽く口付ける

この世界一かっこよくて可愛い猫はレオ

私はレオを抱いたままベッドに横たわる
レオはそのまま腕の中から私を見つめる

ゴールドの瞳がゆっくり瞬きしてくれた

猫がゆっくりと瞬きする仕草は、愛情表現らしい

「レオも私の事大好きなの?私も大好きだよ」

頭を撫でるとゴロゴロと喉を鳴らしていた音がよりいっそう大きく聞こえた。

ふわふわの頭を撫でながら私は思った。

ずっと一緒に居たいな


もちろん猫の寿命が短いのは知っている
レオはもう10歳、あと数年しか一緒に過ごせない

レオのいない世界なんて考えられないほど
私はレオが大好きだった。

ベッドの脇にいつも置いてあるブラシを手に取り
レオの頭からゆっくりブラッシングをしていく。
レオは耳の周りを撫でたりブラシされるのが好きみたい
そこはより丁寧に時間をかけてブラシをかけていく。

気持ちよさそうに目を細め、自らブラシに頭を擦り付ける様子が愛しくてたまらない。


「レオ、大好きだよ。ずっと一緒にいようね」

小さなふわふわの体を軽く抱きしめた
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