飼い主と結婚したい猫は人間になる

Ryo

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はじまり

05 僕と神様

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目が覚めると僕は
知らない人の膝の上にいた

「あれ、小春ちゃんは…?」

さっきまで小春ちゃんの膝の上に居て
ちょっと目を瞑っただけなのに

それにここ、どこだろう?
見渡す限り白、真っ白の世界で
知らない人と僕だけが色づいている
僕は膝の上で背中を撫でられてる

「残念だけど、君は死んでしまったんだよ。」
「僕が?うそだ、だってさっきまで…」

死ぬってどういうこと?
僕はこうしてここにいる

「ここは死後の世界だよ。」
「夢じゃない?」
「夢じゃない。君は天命を全うしたんだよ。」
「じゃあ二度と小春ちゃんには会えないの?」
「そうだね。」

ずっと一緒にいるって結婚するって約束したのに
約束を守れなかった

僕は乗っている膝の上から飛び降りた

「帰りたい。」
「それは無理だよ、死んじゃったから。」

見上げると優しそうな顔の男の人がいた

「結婚する約束していたんだ。」
「猫と人間が?結婚は人間同士がするものだよ。」

その人はしゃがんでまた僕を撫でようとしてくる
僕はそれを体を低くしてやんわりとかわした

「それでも約束したんだ。」

もしかしたら何か方法があるかも。
僕は白い世界を歩き始めた
約束は守らないといけない。
大好きな小春ちゃんに悲しい思いをさせたくない。

「無理だよ。君はもう死んでるから。」

後ろからさっきの人がついてくる。

「無理かどうかは僕が決める。化けてでも小春ちゃんのとこにもどる。」
「そんなにあの子の事が好きなんだね。」
「あたりまえじゃん!」

大好きだよ
死んでも、大好き

ひたすら戻る方法を考えて歩く、何もない白い場所を。
歩いているかもわからないけどとにかく歩く。

「どうして僕についてくるの?」
「僕は猫が大好きなんだ。」

男はにっこり笑って僕に触ろうとする
僕はそれをまた体を低くしてかわす

「僕は知らない人に触られるのが好きじゃないんだ。」
「つれないなあ。」

歩いても歩いてもどこにも辿り着けない
化けて出る事もできないのか、って落胆しかけた時
あることに気づいた

「どうして僕の言葉がわかるの?」
「それは僕が神様だからだよ。」
「神様?」

神様ってあの

「なんでもできる神様?」
「そうだよ、なんでもできるすごーい神様。」

僕の目の前にしゃがんでにっこりと笑う神様

「もしかして僕の事」
「もちろん生き返らせることも出来るよ。」

神様って本当にいたんだ

「お願い神様、なんでもするから僕を小春ちゃんの所に戻して!」
「ん?今なんでもするって言った?」
「言った。」

小春ちゃんにまた会えるなら
僕はなんでもする。

神様は僕を優しく持ち上げて言った

「じゃあ、吸わせてくれる?」



ちょっとだけ後悔した。
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